万座温泉 自炊・半自炊もやる湯治宿「豊国館」に行く [療養・湯治の宿]
上信越高原国立公園内にある標高1760mの万座温泉は、いまも湯治宿が生き残っている。
周囲は原生林で、温泉一帯は火山活動が活発で、いたるところに湯煙と硫化水素臭が漂っている。2009年5月2日、28年ぶりに万座温泉に列車で向かう。高崎で2ヶ所の日帰り温泉施設で入浴し、JR吾妻線万座鹿沢口で下車、路線バスに乗り換える。途中の吾妻渓谷は、桜は終わり、初夏のさわやかな山景に癒される。路線バスはつま恋から万座ハイウェイで一気に本白根山(標高2171m)の西へ上り詰める。桜などの花盛りから新緑、残雪残る雪解けの季節へ一気に移行する。初夏から晩冬へと季節の移りかわりを45分で見せてくれる。
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万座温泉「豊国館」露天風呂
万座温泉の歴史は、万座薬師堂の北にある熊四郎洞窟から矢の根石が出土したことから、先史時代から温泉の利用が予想される。貞治元年(1362年)、応永2年(1395年)の土地の譲り状から「まんざ」の記述がある。また永禄5年(1562年)に土地の豪族羽入道が万座温泉入湯の留守中に鎌原城主に急襲されたという記述が歴史書に残る。万座薬師堂の建立は、正徳5年(1715年)、建造費4両2分、2両2分が村負担で残りは浴客が寄付をしたというから、当時から湯治客が盛んに来るほどの温泉地だったことが予想される。旅館営業がされたのは、橋爪久兵衛によって明治6年湯小屋「日進館」を開始、明治30年には長野県山田村出身の中沢たつによる「常盤屋」が、昭和2年には水野豊により万座温泉で3軒目の「豊国館」が営業を始めた。10ヶ所以上ある源泉から湧く60~90度の酸性硫黄泉など9種の湯が湧き出ている。毎分の湧出量は約3800リットル。昭和30年代に多くの宿泊施設ができた。昔から胃腸によく効く温泉と知られていた。現在も自炊も受け付けている湯治宿「豊国館」を取材宿泊してみた。
万座高原ホテルの手前に位置する豊国館は万座温泉でも入り口に当たる。当主の水野千秋氏は三代目。玄関の左手はスキー用具の乾燥室で、靴箱が並ぶ。フロントの左上に「豊国館」の達筆字が掲げられる。初代水野豊氏が開業翌年に書かれた歴史的に貴重なもの。豊氏は、俳人で「ほととぎす 鳴くよ招くよ 湯の万座」で万座の名を世に知らしめた。
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豊国館 全景
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フロントに掲げられる初代水野豊氏の書
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豊国館三代目 水野千秋氏
部屋は本館(32部屋)新館(8部屋)あわせて40部屋、全て和室トイレ無しの6・8・10畳テレビ付き。自炊室があり、ガス台・鍋や調理用具・茶碗などが無料で貸与されている。大きな冷蔵庫もある。男性が一人いたので訪ねると「所沢から来た男6人つれ。私が夕食の調理担当で、今日は寄せ鍋の予定です。食料やビールも持ち込み自由なので、安く仕入れて持ってきました」という。連休中は基本的には自炊客は受けていないが、通常期は2~3泊の自炊客がいて、冬季は埼玉県・千葉県などの首都圏から、夏季は昔から長野県からの湯治客が多いという。
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自炊室 調理用品やガス・冷蔵庫など無料で貸与
旧館のお部屋は、8畳の和室でテレビ・暖房付き、トイレは廊下に出て右側にある。布団は押入れにあり、セルフサービスとなっている。浴衣は付いているが、歯磨きセットは付いていない。
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本館和室10畳
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新館和室
男子・女子用内風呂の浴槽は、2.2m×2.5mで白濁した湯で、硫黄臭が漂う。先客者に「露天風呂がすばらしいよ」と声をかけられ、脱衣所から露天風呂へ行く。対面の山が一望できる露天風呂で、先客が4人ほどいたが、写真を取らせていただいた。女性客も1人いた。露天風呂は昔から混浴なのだ。浴槽は3m×9m×深さ1m。女性専用露天風呂は、2.4m×3.3mと小ぶりなので、こだわる女性は、バスタオルを体に巻いて入浴に来る。木造りの湯船の内側に座る段差が設けられている。外気が低いのでみんな長湯でいるようだ。
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豊国館の内風呂・男子用
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混浴露天風呂
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75.8度の源泉は谷越えの100mのところからの「にが湯」の湯元といわれる自家源泉だ。週に一度浴槽を洗うが、午前9時から始めて、湯が満たされるまで6時間かかるという。効能は、胃腸病、リウマチ、神経痛、喘息、呼吸器病、慢性皮膚病、慢性婦人病、小児腺病質、病後静養など。
夕食は18時30分から1階の食堂でいただいた。宿泊料金がこの時期で8,700円(税・入湯料込)なので期待はしていないが・・・。鶏肉やポテトなどのフライ、サーモンや烏賊の刺身、とろろ蕎麦、煮物、シュウマイ、酢の物、ご飯に味噌汁、香の物。翌日の朝食は7時30分から。焼き海苔、きんぴら、ウインナー焼きとサラダ、なめこおろし、かまぼこ、ご飯に油揚げと大根の味噌汁。
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夕食膳
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朝食膳
朝食後に薬師堂まで散策に出かける。上り坂を15分ほど行くと岩肌がむき出しになっている右手に湯煙が立ち、高温の湯池が見える。小屋前の看板には「硫化水素ガス危険!」
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奥の坂道を行くと薬師堂、さらに行くと藤四郎洞窟、展望台に行くことができる、展望台の標高は、1,790mで万座温泉が一望できる。周りはまだ残雪が残り、旅館の前にこいのぼりが泳いでいる。近くの残雪で親子がそりで遊んでいる。「残雪や 遊ぶ親子ら こいのぼり」
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薬師堂
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藤四郎洞窟
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展望台から見た万座温泉
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残雪にこいのぼりがはためく
○宿泊料金は、A通常期(混雑期以外)
1泊2食付 7,000、7,500、8,500、9,000、10,000円(税・入湯料別)
全自炊 旧館3,700円 新館4,700円
半自炊 旧館4,200円 新館5,200円 ※ご飯・味噌汁・漬物付き
○ B混雑期(ゴールデンウィーク・旧盆・年末年始・7/18・19・8/8~22・9/19~22・10/10・11・11/2122)
1泊2食付 8,000、8,800、9,300、9,800、11,000円(税・入湯料別)
全自炊 旧館4,200円 新館5,200円
半自炊 旧館4,700円 新館5,700円
※ 宿泊料金は、2名様からの料金で、お一人様での土・休前日ご利用は、A混雑期の料金となります。
※ 自炊・半自炊の場合、4・5・10・11月などは1日あたり500円の暖房日がかかります。年末年始の自炊・半自炊は行っておりません。
お問い合わせ:群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉
電話番号0279-97-2525 ファックス0279-97-2526
療養・湯治の温泉宿 http://www.a-spa.co.jp/totugeki/index.html
秘湯・異色の温泉宿 http://www.a-spa.co.jp/hitou/
全国おすすめの温泉宿 http://www.a-spa.co.jp/yado/
ペットと泊まる温泉宿 http://www.a-spa.co.jp/pet/
天然のサプリメント飲む温泉水 http://www.a-spa.co.jp/onsen-shop/
遠赤外線パワーで冷え性対策!「田口式健康サポーター」http://www.a-spa.co.jp/taguti/
周囲は原生林で、温泉一帯は火山活動が活発で、いたるところに湯煙と硫化水素臭が漂っている。2009年5月2日、28年ぶりに万座温泉に列車で向かう。高崎で2ヶ所の日帰り温泉施設で入浴し、JR吾妻線万座鹿沢口で下車、路線バスに乗り換える。途中の吾妻渓谷は、桜は終わり、初夏のさわやかな山景に癒される。路線バスはつま恋から万座ハイウェイで一気に本白根山(標高2171m)の西へ上り詰める。桜などの花盛りから新緑、残雪残る雪解けの季節へ一気に移行する。初夏から晩冬へと季節の移りかわりを45分で見せてくれる。
万座温泉「豊国館」露天風呂
万座温泉の歴史は、万座薬師堂の北にある熊四郎洞窟から矢の根石が出土したことから、先史時代から温泉の利用が予想される。貞治元年(1362年)、応永2年(1395年)の土地の譲り状から「まんざ」の記述がある。また永禄5年(1562年)に土地の豪族羽入道が万座温泉入湯の留守中に鎌原城主に急襲されたという記述が歴史書に残る。万座薬師堂の建立は、正徳5年(1715年)、建造費4両2分、2両2分が村負担で残りは浴客が寄付をしたというから、当時から湯治客が盛んに来るほどの温泉地だったことが予想される。旅館営業がされたのは、橋爪久兵衛によって明治6年湯小屋「日進館」を開始、明治30年には長野県山田村出身の中沢たつによる「常盤屋」が、昭和2年には水野豊により万座温泉で3軒目の「豊国館」が営業を始めた。10ヶ所以上ある源泉から湧く60~90度の酸性硫黄泉など9種の湯が湧き出ている。毎分の湧出量は約3800リットル。昭和30年代に多くの宿泊施設ができた。昔から胃腸によく効く温泉と知られていた。現在も自炊も受け付けている湯治宿「豊国館」を取材宿泊してみた。
万座高原ホテルの手前に位置する豊国館は万座温泉でも入り口に当たる。当主の水野千秋氏は三代目。玄関の左手はスキー用具の乾燥室で、靴箱が並ぶ。フロントの左上に「豊国館」の達筆字が掲げられる。初代水野豊氏が開業翌年に書かれた歴史的に貴重なもの。豊氏は、俳人で「ほととぎす 鳴くよ招くよ 湯の万座」で万座の名を世に知らしめた。
豊国館 全景
フロントに掲げられる初代水野豊氏の書
豊国館三代目 水野千秋氏
部屋は本館(32部屋)新館(8部屋)あわせて40部屋、全て和室トイレ無しの6・8・10畳テレビ付き。自炊室があり、ガス台・鍋や調理用具・茶碗などが無料で貸与されている。大きな冷蔵庫もある。男性が一人いたので訪ねると「所沢から来た男6人つれ。私が夕食の調理担当で、今日は寄せ鍋の予定です。食料やビールも持ち込み自由なので、安く仕入れて持ってきました」という。連休中は基本的には自炊客は受けていないが、通常期は2~3泊の自炊客がいて、冬季は埼玉県・千葉県などの首都圏から、夏季は昔から長野県からの湯治客が多いという。
自炊室 調理用品やガス・冷蔵庫など無料で貸与
旧館のお部屋は、8畳の和室でテレビ・暖房付き、トイレは廊下に出て右側にある。布団は押入れにあり、セルフサービスとなっている。浴衣は付いているが、歯磨きセットは付いていない。
本館和室10畳
新館和室
男子・女子用内風呂の浴槽は、2.2m×2.5mで白濁した湯で、硫黄臭が漂う。先客者に「露天風呂がすばらしいよ」と声をかけられ、脱衣所から露天風呂へ行く。対面の山が一望できる露天風呂で、先客が4人ほどいたが、写真を取らせていただいた。女性客も1人いた。露天風呂は昔から混浴なのだ。浴槽は3m×9m×深さ1m。女性専用露天風呂は、2.4m×3.3mと小ぶりなので、こだわる女性は、バスタオルを体に巻いて入浴に来る。木造りの湯船の内側に座る段差が設けられている。外気が低いのでみんな長湯でいるようだ。
豊国館の内風呂・男子用
混浴露天風呂
75.8度の源泉は谷越えの100mのところからの「にが湯」の湯元といわれる自家源泉だ。週に一度浴槽を洗うが、午前9時から始めて、湯が満たされるまで6時間かかるという。効能は、胃腸病、リウマチ、神経痛、喘息、呼吸器病、慢性皮膚病、慢性婦人病、小児腺病質、病後静養など。
夕食は18時30分から1階の食堂でいただいた。宿泊料金がこの時期で8,700円(税・入湯料込)なので期待はしていないが・・・。鶏肉やポテトなどのフライ、サーモンや烏賊の刺身、とろろ蕎麦、煮物、シュウマイ、酢の物、ご飯に味噌汁、香の物。翌日の朝食は7時30分から。焼き海苔、きんぴら、ウインナー焼きとサラダ、なめこおろし、かまぼこ、ご飯に油揚げと大根の味噌汁。
夕食膳
朝食膳
朝食後に薬師堂まで散策に出かける。上り坂を15分ほど行くと岩肌がむき出しになっている右手に湯煙が立ち、高温の湯池が見える。小屋前の看板には「硫化水素ガス危険!」
奥の坂道を行くと薬師堂、さらに行くと藤四郎洞窟、展望台に行くことができる、展望台の標高は、1,790mで万座温泉が一望できる。周りはまだ残雪が残り、旅館の前にこいのぼりが泳いでいる。近くの残雪で親子がそりで遊んでいる。「残雪や 遊ぶ親子ら こいのぼり」
薬師堂
藤四郎洞窟
展望台から見た万座温泉
残雪にこいのぼりがはためく
○宿泊料金は、A通常期(混雑期以外)
1泊2食付 7,000、7,500、8,500、9,000、10,000円(税・入湯料別)
全自炊 旧館3,700円 新館4,700円
半自炊 旧館4,200円 新館5,200円 ※ご飯・味噌汁・漬物付き
○ B混雑期(ゴールデンウィーク・旧盆・年末年始・7/18・19・8/8~22・9/19~22・10/10・11・11/2122)
1泊2食付 8,000、8,800、9,300、9,800、11,000円(税・入湯料別)
全自炊 旧館4,200円 新館5,200円
半自炊 旧館4,700円 新館5,700円
※ 宿泊料金は、2名様からの料金で、お一人様での土・休前日ご利用は、A混雑期の料金となります。
※ 自炊・半自炊の場合、4・5・10・11月などは1日あたり500円の暖房日がかかります。年末年始の自炊・半自炊は行っておりません。
お問い合わせ:群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉
電話番号0279-97-2525 ファックス0279-97-2526
療養・湯治の温泉宿 http://www.a-spa.co.jp/totugeki/index.html
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万座 一度泊まって温泉にゆっくりしたいところです
なかなかいけませんが(近くまではいくんですが)いきたいです♪
by ryon (2009-05-06 21:12)
あんれにさん xml_xslさん kohtyanさん 旅爺さん shinさん ryonさん がぁこさん tomoさん ご訪問をありがとうご ざいます。
ryonさん 万座の初夏に いって見たいですね。
by hide-m (2009-05-08 18:16)
こんな所でしばらくのんびりしたいな~
老後の楽しみですかね(^^)
by Qoo (2009-05-16 08:21)
paceさん masaさん Qoo さん ご訪問をありがとうご ざいます。
Qoo さん 本当にそう思いますね。私は、もっと暖かいところがいいかな?
by hide-m (2009-05-26 08:55)