首相、日ロ安保協議提案へ 領土交渉は難航の見通し麻生太郎首相は、イタリアで開かれる主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)に併せて実施するロシアのメドベージェフ大統領との会談で、極東を中心としたアジア・太平洋地域の安全保障問題をめぐる日ロ間協議開始を提案する方針を固めた。外務省幹部が3日、明らかにした。 首脳会談で首相は、平和条約締結交渉の早期再開合意を取り付けたい考えだが、北方領土に関する首相発言や法改正にロシア側は態度を硬化、領土問題進展の見通しは立っていない。安保協議を領土問題、極東・東シベリアでの経済協力と並ぶ日ロ協議の「第3の柱」に据え、政府間対話の拡大を狙う。 米ロ両国が第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約交渉を開始、テロや海賊といった「新たな脅威」の増大など安全保障環境の変化を踏まえ、日ロ間でも議論を始める必要があると判断した。 大統領が同意すれば現在、次官級で続けている「日ロ戦略対話」の閣僚級格上げを含め具体的枠組みを検討。外務省筋は極東配備のロシア軍、日本のミサイル防衛(MD)などを具体的議題として想定している。 肝心の領土問題では、両首脳は2月の会談で「型にはまらない独創的なアプローチ」による交渉加速化を確認。今回の会談で政府筋は「ロシアの考え方を聞きたい」としているが、麻生氏の政権基盤弱体化もあり、ロシア側が進展に向けた具体的提案が示されることには悲観的。 ロシア側は麻生首相が5月に国会で「ロシアによる領土の不法占拠が続いている」と答弁したことを非難。北方領土を「固有の領土」とした改正法の3日成立も反発を呼ぶのは必至だ。 【共同通信】 |
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