【英語でアグリー・ベティ!◆基本フレーズ編】 第22話『グアダラハラの木』
************************************************************************
英語で『アグリー・ベティ』(UGLY BETTY)!
ベティのセリフで、日常英会話の基本フレーズを徹底マスター
************************************************************************
━━━━━━━━━━━━━━ 2008.3.19 発行 ━━━━━━━━━━━━━
第22話『グアダラハラの木』 (Tree Grows in Guadalajara)--基本フレーズ編
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まず日本語で、シーンの状況を把握しておきましょう。
父さんのビザ取得のためにメキシコに“帰国”したベティ一家。ベティは行く
先々で、いるはずのないヘンリーの幻影を見て、ある決心をします。
(番組冒頭から40分55秒〜 のシーン)
ベティ: 私、ヘンリーを勝ち取る。ここであきらめたら、一生後悔するもん。
父さん: がんばれよ、ベティ。
ベティ: 早く帰りたいの。
父さん: 実は・・・俺は一緒に帰れない。
ベティ: え?
父さん: 手続がうまく行かなくて、ビザを却下された。
ベティ: そ、それって、どういう意味?
父さん: しばらくかかりそうだ。いつになるか・・・
ベティ: そう。だったら、みんなでこっちに残って、どうしたらいいか
一緒に考えよう。父さんだけ残して帰るなんてイヤよ。
父さん: いやいや、お前達は帰らなきゃだめだ。未来があるんだから。
俺は一度、家族を捨てたんだ。
(不安がるベティ)
父さん: 何も恐れることはない、お前は強いんだから。母さんそっくりだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さっそく、セリフを1つ1つ見ていきましょう。
★は、重要フレーズ・単語
☆は、それほど重要ではないフレーズ・単語
■は、リスニングのコツ
ベティ: 私、ヘンリーを勝ち取る。
I'm going to fight for Henry.
ああ、ついに決心したのですね、ベティ(^−^)。
チャーリー(ヘンリーの元彼女)の登場でストップしていた2人の関係。身を引
こうとしていたベティでしたが、お互いに想いが残っているのは明らかでしたよ
ね。
★fight と for
fight は「戦う」。for は「〜を得るために、〜を求めて」です。
この for の意味を知っておくと、いろんな所で役に立ちますよ。
例)
It's for you.「あなたによ。」
これは、電話を取り次ぐ人のセリフ。かかって来た電話が、「you を求めている
よ(→ you を呼んでくれと言っている)」というわけです。
例)
He's asking for you.「あなたを呼んでくれと言っている。」
ask 自体にも、「〜を求める」という意味がありますが、もし ask you だけだ
と、「あなた“に尋ねる”」ことになってしまいます。ぜんぜん違ってしまいま
すね。「あなた“を求める”」と言いたいのなら、ask for you としなければな
りません。
例)
She's the best boss that anyone could ask for.「望みうる最高の上司だ。」
この例文も同じ ask for ですが、文の最後に来ているため、やや分かりにくく
なっています。でも、for に「求める」という意味があることを知っていれば、
まごつきませんよ。
次のセリフ。
ベティ: ここであきらめたら、一生後悔するもん。
If I don't, I'll regret it for the rest of my life.
前半の If I don't は、うしろの動詞 fight を省略しています。英語らしい簡
潔な表現方法ですね。
★regret「後悔する」。
★for the rest of my life「(これから先の)一生」。
長いフレーズですが、たいへんよく使う、固定された言い回しです。
父さん: がんばれよ、ベティ。
I'm proud, mi hija.
うん、まさに日本語なら、「がんばれよ。」と言いそうなシチュエーションです
ね。でも、英語では、「よく決心したな。でかしたぞ →(そういう決心をした)
お前を誇りに思うよ。」という発想をします。これは、言葉というよりも、文化
の違いですね。
ところで、I'm proud (of you). は、「誇りに思う」のですから、身内と思える
相手に限って使います。友達に対して使うと、「よくやったね。私、うれしいよ!
ほこらしいよ!」ということで、とても大切に思っている相手だと暗に表現する
ことができます。すてきな表現です、親友に対して使ってください。(その他の
人に対しては、I'm proud より一歩引いた、I'm happy for you.「よかったね。」
や Good for you.「やったね。」 という表現が使えます。)
mi hija [ミ・イーハ] はスペイン語で、「我が娘」。
ベティ: 早く帰りたいの。
I can't wait to get home.
☆I can't wait to 〜「早く〜したい!」
たしかにそういう意味なのですが、
★I can't wait!「待ちきれない → 楽しみ!」と、覚えておいて!
というのは、日本語で「楽しみ(にしてる)!」と言いたいときは、9割方、
この I can't wait. がぴったりあてはまるからです。とっても“使える”表現
ですよ!
ちなみに、I'm looking forward to 〜も同じ意味ですが、かなり他人行儀だし、
書き言葉調になります。ビジネスなどのフォーマルな場面で使いましょう。
父さん: 実は・・・俺は一緒に帰れない。
Betty, I... I won't be going home with you.
ベティ: え?
What?
この2つのセリフは、大丈夫ですね(^−^)。
父さん: 手続がうまく行かなくて、ビザを却下された。
Things didn't go so well at the consulate. They denied my visa.
consulate は「領事館」。ここでは、在グアダラハラ(メキシコ)のアメリカ領
事館のことですね。
★Things went well.「ことがうまく運んだ」。
things の代わりに it と言う場合もあります。どちらも、ばくぜんと「ものご
とが…」ということです。
★go は、ここでは、「(ものごとが)進行する」という意味。
知ってました?
例)
How did the meeting go?「会議はどうだった?(うまくいった?)」
ベティ: そ、それって、どういう意味?
So, what does that, what does that mean?
ベティが口ごもっているので、セリフにダブりがあります。整理すると、
So, what does that mean?「それは、何を意味するの?→どういう意味?」
■このセリフ、聞き取れましたか? what does that の所が大変速いですね。
しかも、does の d と、that の th がとてもあいまいです。
これは、いくら耳を澄ませても聞こえませんよ。聞き取るためには、この what
does that というような個所を、あなた自身が日頃、「弱く、すばやく」発音し
ていることが必要です。つまり、彼らと同じような話し方のリズムを身に付ける
こと・・・。
┌─────────────────────────────────┐
│ │
│ 聞き取り/発音のレッスンは、最近していませんでしたね。 │
│ 以下のバックナンバーで、上のような話し方の習慣を付ける方法、 │
│ 練習の仕方を詳しく説明しています。ぜひご覧ください! │
│ │
│ 聞き取りレッスン特別編(3通) │
│ http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/109249897.html │
│ http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/109223138.html │
│ http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/109123230.html │
│ │
│ 第2〜7話の「聞き取り挑戦」編(4通) │
│ ※こちらのレッスンには、ベティの録画が必要です。 │
│ http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/109057529.html │
│ http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/109077097.html │
│ http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/109099957.html │
│ http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/109173874.html │
│ │
└─────────────────────────────────┘
父さん: しばらくかかりそうだ。いつになるか・・・
It means, I have to stay here-- for I don't know how long.
「どういう意味?(What does that mean?)」とベティに聞かれての返答です。
前半の直訳は、「その意味は、俺はここに残らなくちゃいけない、ということ
だ。」
後半が、ややこしいですね。for 以下が、残らなくちゃいけない期間をあらわし
ているのですが、「おれにもどのくらいか分からない期間」だと言っています。
ベティ: そう。だったら、みんなでこっちに残って、どうしたらいいか、一緒
に考えよう。父さんだけ残して帰るなんてイヤよ。
Okay, fine. Well, then we'll all stay. And we'll wait, and we'll figure
it out. Dad, I'm not going home without you.
★Okay. も、Fine. も、同じこと。普通は、どちらか1つを言えばいいところで
す。2つのフレーズの共通の意味は、「けっこう。よろしい。いいわ」。
★then「だったら」。
★figure out「(答え・解決策)を考え出す」。
父さん: いやいや、お前達は帰らなきゃだめだ。未来があるんだから。俺は一
度、家族を捨てたんだ。何も恐れることはない、お前は強いんだから。母さん
そっくりだ。
No, no, you are going home, Betty. This is your future. I left my
family once, too. Don't be afraid. You're strong, mi hija, just like
your mother.
★leave(過去形 left)「〜を去る」。
日本語でうまく訳せない、この単語・・・。「去る」と言うと、かたくるしい
感じですが、英語では、日常よく使う言葉なんですよ。例文を見て。
例)
I have to leave now.「もうおいとましなければ。」
I leave home for work at seven.「7時に、出勤のために家を出ます。」
I left my country when I was twenty.「20才の時に、国を離れた。」
She left me.「彼女は、私を捨てた。」
leave の部分の日本語訳がみな違いますよね。難しい? でも、leave は、訳語
でなく、「ある場所を離れる」のイメージでとらえれば簡単ですよ(^−^)。
★Don't be afraid.「こわがらないで。」
今日のレッスンは、これで終わりです! おつかれさまでした!
────────────────────────────────────
きょうのシーン、英文だけのスクリプト
────────────────────────────────────
BETTY: I'm going to fight for Henry. If I don't, I'll regret it for
the rest of my life.
DAD: I'm proud, mi hija.
BETTY: I can't wait to get home.
DAD: Betty, I... I won't be going home with you.
BETTY: What?
DAD: Things didn't go so well at the consulate. They denied my visa.
BETTY: So, what does that, what does that mean?
DAD: It means, I have to stay here-- for I don't know how long.
BETTY: Okay, fine. Well, then we'll all stay. And we'll wait, and we'll
figure it out. Dad, I'm not going home without you.
DAD: No, no, you are going home, Betty. This is your future. I left
my family once, too. Don't be afraid. You're strong, mi hija,
just like your mother.
────────────────────────────────────
スクリプトを使ったリスニング練習のコツ
────────────────────────────────────
◆スクリプトを見ながら、「この通りに聞こえるはず」と思って何度も聞く
だけで、大変良い練習になります(^−^)。
◆ざーっと1シーン「通して聞く」のでなく、「同じ英文を続けて聞く」の
が最大のコツ。リモコンの「一時停止」と「巻戻し」ボタンをたくさん
使ってね!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンのバックナンバー、解除は、こちらから。
まぐまぐ!:http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/
メルマ!: http://www.melma.com/backnumber_171081/
めろんぱん:http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=011211
(3つのマガジンスタンドより同時発行しています。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
================================ 発行者 ================================
田中耕治 (英会話&発音トレーナー)
ホームページ: http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/index.htm
メールアドレス: comet@fd5.so-net.ne.jp
========================================================================
-
2008/03/15 【英語でアグリー・ベティ!◆基本フレーズ編】 第21話『秘書の日』
-
2008/02/26 【英語でアグリー・ベティ!◆基本フレーズ編】 第20話『表紙モデルの陰謀』 (Petra Gate)
-
2008/02/19 【英語でアグリー・ベティ!◆基本フレーズ編】 第19話『フェイの日記』 (Punch Out)
-
2008/02/13 【英語でアグリー・ベティ!◆基本フレーズ編】 第18話『家族というもの』 (Don't Ask, Don't Tell)
-
2008/02/07 【英語でアグリー・ベティ!◆基本フレーズ編】 第17話『母の決断』 (Icing on the Cake)