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【社会】

業務用カキナイフ「違法」 三重県警の判断に業者憤慨

2009年7月3日 朝刊

 ダガーナイフなど両刃の刃物の一部所持を禁じる改正銃刀法で、三重県内のカキ養殖業者が殻をむくのに使うナイフの違法性が問われている問題で、同県警は2日、県内の2社が販売している複数のカキナイフが違法に当たると判断し、廃棄や刃先の改良などを指示した。

 所持が禁止されたのは、同県鈴鹿市と伊勢市の2社が主にカキ養殖業者に販売した両刃タイプのナイフ。養殖マガキの出荷シーズンを控え、両社は大量のカキをむき身にする業者の使うナイフが、今後も使えるかどうか県警に相談していた。県警は警察庁と協議した結果、刃に厚みがあり、刃先が鋭い複数の型のナイフを「業務用ではあるが殺傷能力が高い」と判断した。

 2社のうち、漁具販売会社「よしっくす」(鈴鹿市)はステンレス製の刃渡り9・5センチ(刃の幅1・5センチ、厚さ2・5ミリ)の柄付きのカキナイフが違法とされた。約10年前から三重、石川、岡山県の業者に約500本を販売したり、見本として配ったりした。1本1000円強だが、業者によっては毎年買い替えることもある。

 同社は販売先と連絡を取る一方、在庫約60本を製造元の岐阜県関市の業者に返品し、刃先を丸くしてもらうことにした。経営者の大久保義昭さん(73)は「業務用まで規制されるなんておかしい。業界全体に悪影響が出る」と憤慨している。

 県警生活安全企画課は「規制対象になるかどうか不安な業者は、警察に相談してほしい」としている。

 銃刀法は東京・秋葉原の無差別殺傷事件を機に改正され、刃先が5・5センチ以上15センチ未満の両刃で柄がある左右均整のナイフの所持が禁止された。ことし1月5日に改正法が施行され、猶予期間が終わる7月5日以降も所持していると処罰される。

 

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