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「戦争への道」断固、反対します。
新聞労連委員長 明珍美紀さん

イラク派兵法案強行やめよ!

 戦闘状態がつづくイラクに自衛隊を派兵するためのイラク特措法案の委員会(参議院)採決が7月22日にも強行されようとしています。小泉自民・公明政権による、個人情報保護法、有事関連3法などにつづく、「戦争する国」への危険な動きに、新聞業界の労働者でつくる日本新聞労働組合連合(新聞労連)も反対の先頭に立っています。4月に中央執行委員長になった明(みょう)珍(ちん)美紀さんに聞きました。

◇非軍事での支援こそ

 私たちがなぜ、イラク特措法案に反対かと言いますと、そもそも、アメリカ・イギリスによるイラク攻撃は国連憲章に反しているということ、また、小泉政権が「大義」としていた大量破壊兵器も見つかっていない、そしてその説明もきちんと市民にしていない段階で、自衛隊をイラクに派遣しようとしているからです。
 イラク国内はいま、戦闘地域か非戦闘地域かの区分けもできない状態です。日本国憲法は武力行使を禁じていますが、自衛隊が武力を行使しないという保障はありませんし、そもそもブッシュ大統領が小泉首相に自衛隊の派遣を「期待」した、つまり対米関係からスタートしたもので、傷ついたイラクの人たちを助けようという発想はありません。
 イラクの人たちに直接、届く支援こそが求められています。傷つき、物資も医療援助も乏しいなかで、いまだに戦闘行為もおさまっていない状況で、おびえた生活を強いられて苦しんでいる。その人たちになにができるか。根本のところから考えていかなければと思うんです。
 政府が派遣した調査チームの報告では、自衛隊に求められていることと言えば、燃料や水の補給、陸上輸送…で、米・英軍の後方支援としか位置づけられていません。ですから、まだ安全でないところに自衛隊を派遣するよりは、もっと非軍事的な手段での支援を考える方が先ではないか。
 このイラク特措法にしても、有事法制にしても、私たち市民にその危険な内容がわかりにくかった。有事法制は与党と一部野党の国会外での談合で決まってしまったというのが大きな問題です。

◇“反戦・平和”の原点は

 私の「反戦・平和」の原点は、90年春、札幌の報道部(毎日新聞)にいたときです。
 ロシア・サハリンから一時帰国した残留日本人の女性たちとの出会いです。そのときは、デスクから突然、「千歳空港に取材に行け」と言われてあわてて向かいましたが、お話を聞くなかで、サハリン問題(※)というのは、いかに、日本の戦後の歴史の谷間に埋もれていたか、と痛感しました。これは、女性の問題でもありました。サハリンから引き揚げるときに、夫や子どもを置いて帰国するわけにはいかない女性、目の前で帰国船が出港してしまった人もいました。
 敗戦後、祖国から置き去りにされ、異国の地で日本人であることを隠し、女性という二重の差別を受け、故郷の両親の墓参りができるまでに半世紀もかかった。そういう証言を聞いて、戦争の問題は、私たちが書き続けていかなければと思いました。サハリンには約4万人の韓国・朝鮮人も残っていて、「棄民」の問題もありました。こうした過酷な運命を生きた人びとが「二度と戦争を起こしてはいけない」というメッセージを身をもって伝えてくれたのです。

※日本人がロシア(旧ソ連)のサハリン(旧樺太)に渡った経緯はさまざまだが、終戦後の混乱のなか、両国間の往来も阻まれ、やむなくサハリンに残された日本人は約四百人とされ、その多くは高齢化し、すでに亡くなった人も多い

◇一人ひとりが声を、行動を

 新聞労連は全国85の単組が加盟し、約3万人の組合員がいます。「委員長に」と話があったとき、迷いました。でも、現場から一歩引いて、新聞全体を見てみるのもいいかなと考えました。いま、メディアの危機だと指摘されますが、どこが危ないのか、何が問題なのか、どうしていけばいいのかを立ち止まって考える私自身の作業にもなるのではと思いました。
 (委員長に)就任後、間もない4月8日には個人情報保護法、9日には有事三法が審議入りし、イラク攻撃のさなかでもありました。有事法制を通させてしまったことを考えると、力のなさと、責務の重さを感じています。
 一人ひとりが思っていることをどんどん発言しないと、世の中は変わらないと感じます。心のなかではイラク戦争反対、有事法制を通していいのかと思っても、それを行動に移さないと、やはり世の中は変えられない。新聞記者も一人の市民であり、家庭人でもある。新聞社に働く一人ひとりが声をあげてほしい。私もそうでしたが、記者をしていると、自分のセクションにしか目がいかなくなりがちです。やはり、イラク戦争は間違っていると思ったら、経済部であろうが、学芸部であろうが反戦デモに行くなど行動すればいいと思うんです。

◇市民とメディアをつなぐ

 いまは、新聞労連の機関紙に有事法制や個人情報保護法の問題点について書いています。機関紙を親しみやすいものにしたいと思っています。
 「委員長が聞く」というタイトルで、ユニークな活動をしている記者を訪ねる連載も始めました。
 7月号は琉球新報社会部の女性記者を紹介しました。琉球新報は約20人の社会部員のうち女性は3人。有事法制が国会でヤマ場を迎えた6月初めに掲載された「有事が見える島」という企画にかかわった記者です。沖縄では有事法制はおそらくどこよりも身近な問題なんですね。一人ひとりの記者がなんらかの形で基地とたたかう気構えを感じました。彼女は、この夏は「有事を発動させないための紙面を」と話していました。
 市民とメディアをつなぐことも一つの役割ですから、組合員である多くの記者と市民との交流の場をつくっていこうと各地でフォーラムを開いています。いまのメディアをどうしたらよいか、どうしたら読まれる新聞になるか、市民のみなさんの意見を聞きたいと思っています。
 どのような社会を築きたいのか。記者個人のスタンスが問われています。市民の大多数は「戦争への道」を開くことに反対しているはずです。そのことを新聞労連でも示してゆきたいですね。

 

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