身体障害で車いす生活を送り、町立中学への入学を拒否されていた奈良県下市町の谷口明花さん(12)が3日朝、仮就学を認めた同町の決定を受けて初登校し、小学校時代の同級生らと再会を果たした。
真新しいセーラー服を着た明花さんは自宅前で「うれしいです。英語を勉強したい」とにっこり。昨夜は気持ちが高ぶってなかなか寝付けなかったという。
午前8時すぎ、母親美保さん(45)の車で中学へ。出迎えた教諭らに車いすを押され校舎に入った。体育館での全校集会で紹介され、明花さんは「よろしくお願いします」とあいさつした。
美保さんらによると、明花さんは3月の小学校卒業後、町立中学への進学を希望。4月から籍を置いた特別支援学校には通わず、自宅で特別支援学校の教諭と勉強していた。
奈良地裁が仮の入学許可を出すよう義務付ける決定をした6月26日には、衣料品店で中学校の制服のサイズ合わせをした。明花さんは「みんなに会うのが一番楽しみ」と話していたという。
明花さんの入学をめぐっては、バリアフリー設備が不十分なことを理由に町教育委員会が拒否し、両親が奈良地裁に提訴。明花さん側の申し立てを認めた奈良地裁決定を受け、町は2日に仮就学を認める決定をした。
【写真説明】教職員に付き添われ、笑顔で町立中学に初登校する谷口明花さん=3日午前8時11分、奈良県下市町
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