今年４月に南風原町宮平のパチンコ店裏の景品交換所で起こった強盗事件で、那覇地検は２日、強盗致傷などの容疑で逮捕、送検された南風原町兼城の無職赤嶺武さん（５０）を、処分保留で釈放した。弁護人は「自白の強要があった」と捜査の在り方を批判した。県警、地検とも捜査を継続する方針を示している。

　赤嶺さんは、任意同行後の取り調べで容疑を認めたが、逮捕後の調べで、「やっていない」と否認していた。赤嶺さんの弁護人の岡島実弁護士は「取り調べが任意であると知らされずに、７時間にわたって、心理的圧迫を加えられ、自白がつくり上げられた」と指摘した。岡島弁護士によると、事件発生当時、赤嶺さんは家族と自宅にいたという。

　釈放の理由について、那覇地検の佐藤隆文次席検事は「起訴に足る証拠が収集されていない。捜査はこれからも継続する」と話した。

　県警の仲宗根孝刑事部長は「やるべきことは尽くした。今回の処分の決定はとても残念。（犯人を）特定する決め手の証拠もある」とした。