サブカテゴリー

オビスポ初勝利!2度の育成から夢つかむ

<巨・広>ベンチで勝利を喜ぶ巨人のウィルフィン・オビスポ(左端)
<巨・広>ベンチで勝利を喜ぶ巨人のウィルフィン・オビスポ(左端)
Photo By スポニチ

 【巨人4−1広島】“育成の巨人”に新星が誕生した。ウィルフィン・オビスポ投手(24)が2日の広島12回戦(東京ドーム)に来日3年目で初先発。MAX152キロの剛球を武器に、6回2/3を1失点に抑え、“日本1勝”を挙げた。ドミニカ共和国出身の同投手は2度の育成選手から支配下選手に返り咲いた苦労人。先発ローテーションの谷間で咲いたオビスポの快投で、チームは再び貯金を20とした。 【試合結果

 全力で投げた112球。ウイニングボールを受け取りハイタッチの列に加わったオビスポが、次々とナインに頭をはたかれる。それでも表情は緩みっ放しだ。

 「この日が来るとずっと信じていた。先発のチャンスをもらい自分の仕事ができた。みなさんのおかげです」

 来日3年目での初先発。原監督から数日前に直々に伝えられた。緊張の大役。それでも「うれしい気持ちが勝った」という通り、堂々たるマウンドさばきだった。2回に栗原に特大アーチを浴びたが、続く3回2死満塁のピンチでは喜田を外角直球で中飛に仕留めた。「自分の持ち味は直球。アグレッシブに攻めた」。左足を三塁側に踏み出す豪快なフォームから最速152キロの直球を投じ、7回途中まで広島打線を黙らせた。

 来日後は苦難の連続だった。07年に育成選手契約を結び、同年6月に支配下登録を勝ち取ったが、わずか2試合の登板に終わった。オフには母国・ドミニカ共和国のウインターリーグに参戦したが、右肩を痛めて巨人から自由契約を通告された。「あのころが一番つらかった」。それでも日本での成功を誓って08年2月に再度、育成選手契約を結んだ。今でこそパーマだが、その春先には不安とストレスが重なって円形脱毛症に。涙を流すこともあったが、7月に再び支配下選手にはい上がった。今季年俸は480万円。寮での生活は節約の毎日だ。外食は極力控え、休日も寮にこもって出費を抑える。東京ドームにも電車で通う。すべてはジャパニーズドリームをかなえるためだった。

 昨季はイースタントップの21セーブを記録したが、転機は思わぬ形で訪れた。5月24日の同西武戦(本庄)の9回、2点のリードを守れずサヨナラ負け。力任せの投球で制球難を露呈した右腕に、小谷2軍投手コーチは先発を指令した。「長いイニングを投げるには、どうしたらいいのか考えなさい」。ペース配分を覚え、1カ月がたったこの日は、100球を超えても150キロ台の直球を投げた。「この勝利を小谷さんにささげたい」と師匠に感謝した。

 6人目の先発が不在というチーム状況の中、ローテーションの谷間で咲いた花。原監督は「肝っ玉、度胸、選手としての能力の高さを見た。チームとしても明るい材料」と称えた。そんな絶賛を知ってか知らぬか、いつも通りアイスをほお張りながら球場を後にしたオビスポ。「きょうの勝利以上のパフォーマンスを見せられるように頑張るよ」。その背中は、頼もしさを増していた。 巨人グッズ

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2009年07月03日 ]

関連ニュース

読み込み中..

PR

関連写真

読み込み中..

ニュース

クイックアクセス

スコア速報

特集

オススメ

ピックアップ

カーセンサー

こちら大学スポーツ新聞会-スポニチてれびぃ-

スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲