わいろ全額小松島市議へ 市バスの運転士採用試験汚職 2009/6/25 10:45
小松島市営バスの運転士採用試験をめぐる汚職事件で、加重収賄の疑いで逮捕された市議の木村文彦(49)=同市中郷町県前=と前運輸課長の大粟浩司(49)=同市小松島町北浜=の両容疑者は、事前に相談した上で犯行に及んでいたことが24日、県警への取材で分かった。大粟容疑者が贈賄側の男性運転士(38)から受け取った現金30万円は全額、木村容疑者に渡っていたという。
捜査関係者によると、木村容疑者と当時運輸課長補佐としてバス運転士採用などを担当していた大粟容疑者は、2006年1月に試験問題を漏らす前に2人で話し合って犯行を計画。計画通り、受験予定の男性運転士に試験問題を見せ、採用試験に合格させる謝礼としてわいろを要求したとしている。
県警によると、問題の漏えい、わいろの要求や受け取りの一連の行為は、大粟容疑者がすべて実行。木村容疑者はそれらの行為に直接かかわっておらず、運転士採用に関する職務権限もなかったが、両容疑者が共謀してすべての行為に及んだと断定。「身分なき共犯」として木村容疑者を逮捕した。
また、大粟容疑者は同年5月上旬、正規職員となった男性運転士から直接、謝礼として現金30万円を収受。同月中に全額が1度に木村容疑者に渡った。
両容疑者の犯行の動機の一つに「最古参の臨時運転士を正規職員にしてやろう」という考えがあったとみている。
県警は24日、木村容疑者の自宅や市議会事務局などを家宅捜索。預金通帳などを押収し、裏付け捜査を進めている。木村容疑者は容疑を否認、大粟容疑者は大筋で認めているという。