3月末からの高速道路料金の土日引き下げで影響を受けた中長距離フェリーの事業者に対し、県が港湾施設使用料を7月から大幅引き下げすることが分かった。4月の乗用車利用が昨年比40%減となった1日9往復の周防灘フェリー(国東市国見町竹田津-山口県周南市)は全額免除となる見通し。県は26日の県議会総務企画常任委員会で正式提示し、月内に事業者から減免申請を受け付ける。【梅山崇】
23日の県議会で田中利明議員(自民)の一般質問に、広瀬勝貞知事が方針を示した。来年3月末までで、全7社8航路が対象。免除総額は7000万円となり、県予算は年度末に減額補正される。
県港湾施設管理条例と県漁港管理条例により、定期船の利用料はもともと半額免除と定められている。両条例は更なる減免も可能と定めており、今回それを初適用する。8航路の4月の乗用車利用は、昨年比77%、バス86%、トラック78%、旅客80%。落ち込み幅に応じ、事業者負担分を更に50~100%減免する。山口県も6月から1年間、利用料を無料にするなど、各県が同様に取り組む。
広瀬知事は「国施策による落ち込みであり、本来は国が責任を持つべきだが、緊急ゆえ県としても静観はしない」と答弁した。県は3月、宮崎、鹿児島両県と共同で、高速道路利用料引き下げに伴うフェリー業者への支援を国に要請している。
8航路については、急激な不況の影響で、昨年度の利用実績自体が大きく低落。対前年度比は乗用車で91%、バス92%、トラック90%、旅客89%となっており、経営への深刻な影響が懸念されている。
毎日新聞 2009年6月24日 地方版