兵庫県明石市と淡路島を結ぶ明石淡路フェリー(同市)が23日、1日の運航便数を今月26日から現在の64便から48便に減らすことを国土交通省神戸運輸監理部に届け出た。【南良靖雄】
明石海峡大橋など高速道路料金引き下げの影響で利用者が大幅に減少、社員に年収の20~25%カットを提示したところ、乗組員の3分の1が退職を決め、ダイヤを維持できなくなった。
同社によると、乗組員45人のうち15人が7~8月に退職。同社は今年5月の給与から時間外手当と乗船手当を削減し、年2回の賞与の見送りも示した。ダイヤは通勤通学時間帯を中心に編成する。
同社は明石市などが出資した第三セクターで「たこフェリー」の愛称で知られる。燃料費高騰などで赤字が続き、今年の大型連休は高速道路料金値下げの影響で、前年の半分程度の利用状況だった。
全日本海員組合関西地方支部の森本雷行(らいあん)副支部長は「海上輸送に予算を向けない国の政策は問題だ」と訴えている。
毎日新聞 2009年6月24日 大阪朝刊