小松島市議を逮捕 市バス運転士採用めぐり、加重収賄容疑 2009/6/24 15:05
小松島市営バスの運転士採用試験をめぐる汚職事件で、県警捜査2課と小松島署は24日、加重収賄の疑いで逮捕した前運輸課長の大粟浩司容疑者(49)=同市小松島町北浜=との共犯容疑で、市議の木村文彦容疑者(49)=同市中郷町県前=を逮捕した。市幹部による贈収賄事件は、現職市議の逮捕に発展した。木村容疑者は逮捕容疑を否認しているという。
逮捕容疑は、当時運輸課長補佐としてバス運転士採用などを担当していた大粟容疑者と共謀。2006年1月ごろ、05年度市職員「運輸運転士」採用試験を受験する意思のあった同市内の男性(38)に対し、大粟容疑者を通じて試験問題を教える不正を行った。06年5月ごろ、同市内で男性から謝礼として現金30万円のわいろを受け取ったとしている。
捜査関係者によると、木村容疑者は大粟容疑者とともに、事前に試験問題を見た男性運転士2人と市内の飲食店で受験について話したとされる。
06年2月の採用試験前、大粟容疑者が臨時運転士だった2人を飲食店に呼び出した際、木村容疑者もその席におり、2人に受験するよう勧めた。途中で木村容疑者が席を立った後、大粟容疑者が、採用試験に合格させる謝礼として2人にそれぞれ現金30万円を渡すよう要求したという。
その後、大粟容疑者は部下の課長補佐(当時係長)を通じて、2人に試験問題を見せ、最終的には1人が合格し、別の1人は不合格となった。
合格した男性運転士は正式採用後の5月、大粟容疑者に現金30万円を直接渡した。不合格となった臨時運転士は払わなかったという。贈賄側の男性運転士は既に時効(3年)が成立している。
24日午前7時、木村容疑者は、自宅を訪れた捜査員の任意同行に応じ、捜査車両に乗り込んだ。県警は徳島北署で、会食に同席した経緯など事件への関与について聴いていた。
徳島新聞の取材に、木村容疑者は「試験問題の漏えいは表面化するまで全く知らなかった。自分は合格させてやるような立場にはなかった」と、事件への関与を否定していた。