全市議、議会で謝罪 小松島市議逮捕、倫理審査会設置へ 2009/6/25 14:58
小松島市営バスの運転士採用試験をめぐる汚職事件で、現職市議の木村文彦容疑者(49)=同市中郷町県前=が加重収賄容疑で逮捕されて一夜明けた25日、市議会はショックを引きずりながら、6月定例会閉会日を迎えた。本会議冒頭、全市議が頭を下げて陳謝。議場は終始、重苦しい雰囲気に包まれた。
午前10時、開会のブザーが鳴るとすぐに、出口憲二郎議長が議長席から質問席に降り、「逮捕という事実は大変重く、市民の信頼を大きく傷つけた。議員一同、心からおわび申し上げたい」と謝罪。ほかの市議も全員起立し、頭を垂れた。
本会議に先立ち開かれた議会運営委員会では、市議7人が、木村容疑者の処分を検討するため、議員政治倫理条例に基づき、審査請求書を提出。出口議長が受理し、市民や有識者でつくる議員政治倫理審査会を早期に設置することが決まった。
また、木村容疑者と同じ会派「翔政クラブ」(2人)に所属する米崎孝市議が「大変情けない状況となった」と、総務産建委員長の辞任を表明。本会議の小休中に同委員会が開かれ、辞任届が受理された。
本会議は午前11時20分に終了。定例会閉会後も、市議たちは一様に険しい表情で応接室に集まり、今後の対応などを話し合った。
ある市議は「思いも寄らないことが起きた。信頼回復に向け、議会全体で努力していかないといけない」。別の市議は「市民から『事件がほかにも広がっていくのではないか』と言われた。そうならないように願っている」と話した。【写真説明】木村容疑者の逮捕を受け、議場で頭を下げる市議=午前10時ごろ、小松島市議会