【テグシガルパ(ホンジュラス)1日】プロボクシングの世界的な元スターボクサーで、70−80年代にかけて中量級を彩り、フェザー、Sフェザー、ライト級の世界3階級制覇を果たしたアレクシス・アルゲリョ氏=ニカラグア=が1日、自宅で遺体で見つかった。ニカラグアからの報道によると、自殺との報道もある。57歳。同氏はニカラグア初の世界王者で、口ひげをたくわえた二枚目ぶりと、スタイリッシュなファイトから「ニカラグアの貴公子」と呼ばれた。
75年10月には、WBA世界フェザー級王座の3度目の防衛戦で来日(蔵前国技館)。無敗の挑戦者・ロイヤル小林(国際、のちのWBC世界Sバンタム級王者)の挑戦を受け、5回、左ボディーアッパーの一撃で悶絶させた場面は衝撃的だった。小林が口にした「アルゲリョのパンチは氷の塊で殴られているようだった」との表現は、語り継がれている。
42歳で現役復帰したが、すぐに引退。昨年11月の首都マナグア市長選にサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)から立候補し当選したが、野党側からは不正を指摘されていた。