すべての機能をご利用いただくためには、JavaScriptの設定を有効にしてください。
設定方法は、ヘルプをご覧ください。

いしけりあそび

一言メッセージ：ひとりで石けって遊んでます。いじけて、かも。たまにスペイン語。ラテン音楽は人生です。ああ、人生なんて...

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索

全64ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

[ 前のページ | 次のページ ]

国籍法法務省案

傑作(1)

Yahoo!ブックマークに登録

　生後認知にも日本国籍付与　外国人婚外子で法務省案
「法務省は19日、日本人と外国人の間に生まれ、日本人の父親が出生後に認知した子に日本国籍の取得を認めるとした国籍法改正の素案をまとめた。現在の国籍法にある両親の婚姻要件をなくし、これに代わる要件は設けない。生後認知の子は親との関係の確認が困難で「偽装認知」が起きる懸念がある。子を認知した男女の出入国情報を照合するなど審査体制を構築して不正を防ぐ。」（nikkei net 20日10:22)
http://s02.megalodon.jp/2008-0722-0915-53/www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080721AT3S1802F19072008.html

　出生地要件を課されると海外うまれの人はアウト、居住要件を課されると海外にすんでいる人のみならず、日本にすんでいてもビザがない人はアウト（日本の入管法によると、日本人の父から生まれた非嫡出子は出生から30日以内に認知をされて在留資格取得申請もしないと、オーバーステイ、つまり立派な犯罪者～14歳未満ですが、保護処分の対象年齢にもたっしていないので、「触法幼児」とでもいうのでしょうか～になります。そして、国籍法の行政解釈によると、在留資格のない外国人は、日本でうまれ、海外にいちどもすんだことがなくても、日本に住所がないことになっています。おかしなはなしですが。）。こんなこと書いたけど、実際は法律がどうなるのかわからなかったので、内心ドキドキしていましたよ。微妙なケースをいくつかかかえているものですから。いい案だと思います。例の事件の上告人が、すでに強制送還を命じられた人で、行政解釈上日本に住所がないとされるケースであるにもかかわらず、国籍を認められたのが効いたのかも知れません（ならボクの手柄ですかね。ジマンしていい？）。

　ところで、生後認知をうけた非嫡出子が、住所その他の認知以外の要件なしで国籍取得ができるとなると、国外で出生したことにより外国籍を取得した日本人＝嫡出子と胎児認知をされた子＝が、国籍留保届けをださなかったことを理由に日本国籍をうしない、そののちに日本国籍を再取得をするケースで、日本に住所がなければならないのは、嫡出子や胎児認知をされた子に対する差別じゃないんですかね。いわゆるジャピーノのなかには、母と婚姻していた日本人父にすてられたため、国籍の留保もできず、来日もままならない子どもはおおぜいいるのですが。あっちなおすと、こっちがおかしくなり…おかしな法律つくると、なおすのもたいへんのようです。

トラックバック（0）

この記事のURL: http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/54394670.html

移民といってみたりガストアルバイターといってみたり

傑作(1)

Yahoo!ブックマークに登録

　外国人受け入れ、単純労働含め全業種で　自民ＰＴ方針
「自民党の国家戦略本部の外国人労働者問題プロジェクトチーム（ＰＴ、長勢甚遠座長）は20日、原則としてすべての業種で外国人労働者を受け入れる『外国人労働者短期就労制度』の創設を提言する方針を固めた。将来の労働力不足に対応する目的で、専門分野に限られている現行制度を廃止し、単純労働の就労も認める。ただ外国人の滞在期間は最長3年間として、定住は認めない。今月下旬までに決定し、政府に申し入れる。」
http://s02.megalodon.jp/2008-0722-0656-30/www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080721AT3S1902220072008.html

　3年が最長なら、教育や福祉、昇進等、外国人の生活者としての需要についてはいっさい考慮しないでＯＫなのですから、きわめて安価なコストで労働力を調達するいい制度だって考えているのでしょうね。常用労働者の5％なんて枠は、すぐにＺＡＩＫＡＩＳＡＭＡの圧力でとっぱらわれるでしょう。
　ところで、受入団体が企業をあっせんし（ものすごい利権の巣になりそうです）、3年で確実に帰国させるのであれば、外国人は、こちらで家族をつくることも、転職することも、逃げだすこともできないまま、職場の最底辺で使い捨てにされるのですから（3年でいなくなる人に高度な仕事なんてまかせられないでしょ）、これは文字どおり期限つきの奴隷労働です。研修・技能実習のときは、後進国の人材育成で国際貢献がうんちゃらかんちゃらというタテマエがありましたが、もはやそんなリップサービスをする気もないようです。「ウオオオ―――ッ！！奴隷よこせ～！！」ってかんじでしょうか。それにしても、こういうひとたちと競争させられる日本人低賃金労働者もたいへんです。労働官僚出身の法務大臣経験者・長勢氏ならではの案というべきでしょう。
　「あの」長勢氏の案なので、人権感覚がまるでアレだったりする件については、いまさらとやかくいうつもりもありませんが、こうした制度が海外ではなしくずし的に定住化をまねき、もくろみどおりにいっていないこと、当の日本でも、かつて日系人の受入の際にも政府高官が「永住はしない、金がたまれば帰っていく」と公言して（財団法人入管協会「国際人流」1990年7月号）、そのとおりにならなかったことことについては、じゅうぶん研究されているのでしょうか（※）。まあ、彼らの足に鉄の玉でもくくりつけておくのかもしれませんが。

　それにしても、1000万人の移民といってみたり、ガストアルバイターをいれるといってみたり（追記：永住を前提とする移民とガストアルバイター＝短期のデカセギ労働者はまったくの別ものです。いうまでもないと思ったのですが、ネットでまったく区別がついていない人がほとんどだったので。）、自民党っていうのは結局なにがしたいんでしょうね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

看護師・介護士、226人＝対日派遣、予定大幅に下回る－インドネシア
「インドネシア保健省当局者は21日、日本との経済連携協定（ＥＰＡ）に基づく初の看護師・介護福祉士派遣で、最終的な派遣人員が初年度総枠の500人を大幅に下回る226人となったことを明らかにした。今回の実績は今後の派遣事業の行方に影響を及ぼす可能性がある。」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008072100327

　そうとうヤバイことをして必死になってあつめて（利権もからんでますからね。くわしくは書けませんが）、このていたらく。
　だからいったでしょ、「介護士は来ない」って。

※　この点にかんする貴重な例外が、長勢氏が「世界にまれな例」と絶賛してやまない研修・技能実習制度です。これは長勢氏が強調するようにほとんどのケースで期間終了とともに帰国しています。まあ、本国では高額な帰国保証金でしばりつけたり、日本にきたらパスポートをとりあげたりと、あれこれ工夫しての結果なわけですが。

トラックバック（0）

この記事のURL: http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/54393551.html

拝啓　チャベス大統領閣下　その５／５

傑作(0)

Yahoo!ブックマークに登録

　すでにご説明したとおり、日系人とその家族の在留は、バブル経済のころ、「里帰り」をタテマエに、人手不足の解消策としてひろく導入されました。人材派遣業者や業務請負業者経由で労働現場へおくりこまれた彼らのおおくは、不況期にはいると、いつでも職場からほうりだすことが可能な不安定な就労層のにない手として、理由のない解雇や子どもの不就学など、さまざまな社会的差別に苦しみながら、わが国の社会の最底辺で、勤労にはげみ、私たちの経済的な繁栄をささえつづけてきたのです。「日本は外国人の単純労働者を受け入れていない」などというのがただのタテマエで、現在、彼らなしでは日本の産業がまったくたちゆかないことは、経済の現状に初歩的な認識をもっている者であれば、だれもがひとしく認めることです。
　ところが、日本政府は、そうした彼らに対して、思いやりの気持ちをしめし、その社会的な困難の解消に手をさしのべるどころか、たったひとりの者が犯した罪を理由に、いわれのない不当なあつかいをしています。

　2007年4月16日、アメリカ合衆国バージニア州のバージニア工科大学で韓国人学生が銃を乱射し、31名を殺害して自害する事件が発生しました。
　広島幼女誘拐殺人事件について、外国人が増加するので治安が悪化する、などと論評した産経新聞は、4月19日の社説では、バージニア工科大学の銃乱射事件を取り上げ、「日系、中国系を含めたアジア系住民、学生に対する偏見が広がりはしないか懸念する。大学関係者、政治家、そしてメディアは、事件が人種問題を引き起こすことのないよう、発言や報道には、細心の注意を払ってほしい。」と、まるで手のひらを返したように心配してみせました。この皮肉なエピソードは、いわゆる先進国の白人から自分たちがうける差別には恐怖感・警戒感を募らせるにもかかわらず、自らがアジア、ラテン・アメリカ、アフリカなどの経済的に貧しい国の出身者に対してしている差別には鈍感、という、わたしたちのみにくい面をうきぼりにしています。

　さいわい、アメリカ合衆国は、この事件の後に、アジア系移民を狙い撃ちにした法改正はせず、産経新聞の編集委員氏の心配は杞憂におわりました。
　また、1981年に、フランス・パリにて、日本人留学生がオランダ人女性を射殺し、その肉を食べるという事件が発生しましたが、その際にも、フランスは日本人の渡航や在留に他の国民より厳しい制限をくわえませんでした。日本では、いずれもイギリス人女性のルーシー・ブラックマンが2001年に、リンゼイ・ホーカーさんが2007年に惨殺されていますが、イギリス政府は、日本人の渡航に他の国民と異なりことさらに「素行善良」を求めるようなことはしていません。

　国際交流が進む中、加害者と被害者の国籍の異なる殺人事件はどこの国でもおきています。そうした事件が、多くの国で、人びとの間にレイシズムをうむきっかけになっています。しかしながら、たった一件の殺人事件を理由に、政府みずから、加害者の同国人を、隣国の出身者もろとも出自を理由に差別する法令を堂々と施行している国を、わたしは知りません。

　もしも、韓国人が犯人であった銃乱射事件を機に、アメリカ政府が、適法に滞在する日本人に対して、過去にした交通事故を理由に、滞在を認めないといいだしたら、どう思うだろうか。フランス政府がパリ人肉事件を理由に、イギリス政府がルーシー・ブラックマンさんやリンゼイ・ホーカーさんの事件をきっかけに、自国に入国を希望する日本人は無犯罪証明書を出せだの、過去に軽い事故で罰金刑を受けたことのある日本人には入国を認めない、との措置をとったら、どう感じるだろうか。差別を受ける側に身をうつして考えれば、本件告示がいかに不当で、その対象になる人々の心を深く傷つけるものであるか、よく理解できるはずだ。
　わたしは、あらゆる機会を利用して、こう呼びかけているのですが、その声はわたしの国ではけっしておおきくなりません。

　そこで、わたしは閣下に訴えます。わたしたちの社会は、法が外国人に対して、ある日突然、まったく不可解なものとして立ちはだかる社会です、と。南米の移民が、いわれのない、不当な取り扱いをうけていますと。
　どうか閣下のお力をお貸しください。他の南米諸国の首脳とともに、この告示について、恥ずべき措置である、との声をおあげください。
　よろしくお願いもうしあげます。

　末筆ながら閣下のご健康とベネズエラ・ボリバル共和国の発展、そして貴国とわが国との友好を、こころよりお祈りもうしあげます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2008年6月28日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いしけりあそび

（参考）
・　“La comunidad es inocente, para todos los latinos en éste país ”
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/archive/2005/12/07
Por eso, señores lectores, ustedes no necesitan sentirse incómodos por este caso para nada. Les basta seguir trabajando y tratar a sus familias con respeto y cariño. Ahora ustedes seguirán escuchando opiniones desagradables pero déjenlos hablar a quienes quieran hacerlo. Ellos son una pobre gente, lastimosamente tonta. Más bien, son ustedes quienes crean un Japón razonable, tolerante y sensible.だから、読者のみんなはこの事件について、片身の狭い思いをしたり、申し訳なく思う必要はいっさいない。　これまでどおり、勤労に励み、家族に愛情を持って接する日々を送ればそれでじゅうぶんである。しばらく、君たちにとって不愉快な言説が続くだろうが、いいたいヤツにはいわせておけ。彼らは貧しい人であり、おろかな人であり、哀れむべき存在なのだから。理性的で、寛容で、他人の痛みのわかる日本を作っているのは、むしろ君たちなのだ。）

・　「美しい国」
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/archive/2007/06/21

・　“Fuego a la Jicotea”　（＋マルビン・サンティアゴと関係なさそうだけどネグリの来日中止）
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/archive/2008/03/22
「空き地に冷蔵庫を捨てたことを理由に、日本に住んでいるペルー人を強制送還しようとしている事件があるなんて聞いたら、ネグリ、腰ぬかすぞ（笑）。」

・　はてなブックマーク～ NC-15 - 頭の狂った住民しかいないのか、長溝自治会には。
http://b.hatena.ne.jp/entry/5137559
　お怒りごもっとも、ただ、国が率先してやっているのですから、こういう住民がいるのもしかたないかと。

・　にがにが日記　「一週間分まとめて日記」
http://d.hatena.ne.jp/pakina/20070628/p1
　「でね、フアネス様が（…と、ここで引き合いに出してみる）、来日はしてくれるし「日本は好きだ」って言ってくれたとしても、『日本は南米の人を忌避する国だ』って思ってたら、恥ずかしいというか、悲しいと思いませんか？私は、やだなあ。」
　わたしもやです。

・　sociologbook 「宥める左翼」
http://sociologbook.net/sb.cgi?eid=141
　このエントリーに対して、「客観的なデータ」を指摘するだけでは足りない（あるいは意味がない）、それでも正体不明な怖さにおびえる人についてどうはたらきかけるかが問題なのではないか、というコメントがされているのをみました。
　もちろん、わたしも（岸さんも）、客観的なデータを指摘するだけでたりるとは考えていません。ただ、すくなくとも外国人の問題については、200万人以上の人が、事実上も法律上も二級市民としてあつかわれている実態を、ごく一部の人しか知らないまま（日本に本格的に外国人労働者がやってきてから、もう20年になりますが、みなさんには、デカセギ外国人の友だちが何人いますか？）、デタラメな報道がえんえんとたれながされ、それが制度化されている現実があります。大学で移民について教えている先生すら知らないまま、ここで紹介したようなレイシズムがまかりとおっているリアルな現実があるのです。そして、そうした問題を放置したまま、与党や経済団体は、よってたかって、もっと移民をいれろ、1000万人をめざせと声高にさけんでいます。わたしは、「冷静で科学的で客観的な態度で淡々とデータを提示する作業」の重要性はまだまだ強調していかなければならないと思います。

トラックバック（0）

この記事のURL: http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/54094224.html

拝啓　チャベス大統領閣下　その４／５

傑作(0)

Yahoo!ブックマークに登録

　日本政府は、さらに、本件告示は、治安に対する国民の不安が高まっていることから、これを解消する目的でつくられた、としています。
　ただ、「治安を回復する」のと「治安に対する国民の不安を解消する」のとは根本的に異なります。定住者の在留資格で滞在する外国人の犯罪が増えていないのに「外国人犯罪」に不安を感じ、ペルー人が重大事件を犯したからペルー人は危険だと考え、ましてやブラジル人やボリビア人も危ないと思う者がいるとしたら、そういう人は、ただの無知か、差別的な偏見にとらわれているにすぎません。
　社会の「不安」というのが個人の心の状態の総和であるならば、事実にもとづかない「不安」、偏見にもとづく「不安」は、各個人が、正確な知識をえて、理性的な思考を獲得するように努力することによって、みずから克服すべき問題ではないでしょうか。わたしは、国がすべきは、そうした不安のもととなる無知や偏見を解消するために啓発活動その他適切な措置をこうじることであって、そうした無知をあまやかし、偏見を助長するような手段をとることではなく、ましてや「不安」を口実にみずからの権限を拡大することではないと思います。

　結局のところ、、本件で確認された告示の根拠は、広島女児誘拐殺人事件の犯人がペルー人だった、というだけです。
　ここまでおかしな理由だと、「だからなんだ」というしかないと思うのですが、異常性欲と罪の意識がどんました犯人がたまたまペルー人だからといって、他のペルー人のうち、日系三世とその家族として「定住者」の在留資格で滞在する者について、潜在的な治安の脅威とみなす根拠はあるのでしょうか。
　おなじく罰金刑をうけて、南米日系人三世やその家族なら素行不良、他の外国人なら素行不良でない、などいう評価が、どうやったら正当化できるのでしょうか。
　空き地にゴミを捨てた人を、見ず知らずの同国人がした凶悪事件を理由に、「素行不良」などと決めつけたところで、治安の回復が得られるのでしょうか。
　また、すでにごらんいただいたとおり、ラティーノス定住者の犯罪はおおくありませんが、仮に統計上ある国籍や在留資格の人の犯罪がおおかったとしても、それが、大多数のまじめに生きる同国人、同じ在留資格の人に対して、ささいな違法行為をもって「素行善良」でない、と決めつけることを合理化するのでしょうか。

　以上のとおり、本件告示は、無知で、偏見にとらわれた一部のひとびとの「不安」を、まん然と放置するばかりか、そうした偏見を利用して日系人に対する憎悪をあおり、彼らの犠牲をかえりみずに発したものであり、そもそも、内容以前にその目的自体がいちじるしく不当なのです。

　こんな告示がまかりとおる背景には、マクリーン事件と呼ばれる最高裁判決（1978年10月4日）があります。この判決は、①　外国人は、憲法上、在留の権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されているものではない、②　外国人の基本的人権の保障は外国人在留制度のわく内で与えられているにすぎず、在留期間中の憲法の基本的人権の保障を受ける行為を在留期間の更新の際に不利益に解してもよい、③　在留期間の更新を認めるか認めないかについての判断は、法務大臣の広い裁量にゆだねられる、としたものです。
　この告示は、あらためて、日本政府は、人種、民族、国籍に注目した処分さえも「広い裁量」の名のもとに、いくらでも出すことができる万能の存在であることを、あらためてあきらかにしました。そう、日本政府は、ベネズエラ人が殺人事件を起こせばベネズエラ人を、フィリピン人が殺人事件を起こせばフィリピン人を、ナイジェリア人が殺人事件を起こせばナイジェリア人を、この国から排除することができるのです。

　広島女児殺害事件の直後、わたしはあるラジオに出演する機会を得ました。その際に、日本に在住するペルー人が、広島女児殺害事件の被害者遺族に、千羽鶴を贈るキャンペーンをしていることが話題になりました。わたしが、単に同じ国籍であるというだけで、みずしらずの人のした殺人について、ここまでしなければならない彼らの感じている不安を、日本人には理解してほしい、と発言したところ、番組のキャスター（外国人労働者問題を社会的関心のひとつにあげている人です。わたしがこのラジオならでてもいいか、と思ったのはそれがあったからです。）から、なぜこれを人間的な、あたたかいこころづかいととらえることができないのか、あなたは心の余裕が足りないのではないか、とたしなめられました。
　そう、キャスター氏にはみえなかったのです。ペルー人が、被害者遺族のために、一枚一枚なれない手つきで、日本文化の象徴である鶴をおるうるわしい光景にかくされた、暗い彼らの胸のうちが。そして、わたしは、彼らは、まさにそれから起きる事態を、正確に予言していたのだと思うのです。

　閣下、いっけん平穏にみえても、外国人の日常には、不条理がつねにひそんでいます。リカルドは、ある朝、ベッドのなかで巨大な虫に変身させられてしまうグレゴール・ザムザであり、フェリックスは、ある日、突然何者かによって逮捕され、理由もわからないまま訴追をされるヨーゼフ・Ｋです。この国の外国人は、カフカ的な不条理の世界に生きているのです。
（つづく）

トラックバック（0）

この記事のURL: http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/54094222.html

拝啓　チャベス大統領閣下　その３／５

傑作(0)

Yahoo!ブックマークに登録

　
　ところで、本件告示の根拠として、日本政府があげているものは、いずれも首を傾げざるをえないものです。

　まず、日本政府は、日系人として「定住者」の在留資格で入国し在留する外国人による重大事件が発生したしていますが、それは事実です。
　ただし、新聞報道等によると、彼は、実は架空人名義の旅券を使用して上陸しているのです。したがって、在留資格「定住者」については、その後、上陸許可時点にさかのぼって取り消されているはずです。
　結局のところ、ヤギ某は、「定住者」の資格は有していないことになったのですから、広島幼女誘拐殺人事件は、「定住者」のした犯罪ではありませんでした。本件告示は、「架空人名義の旅券を使用して『定住者』の在留資格をえた外国人」に「素行善良」を求めるものではありません。日本政府は、事件の詳細を知らない人々に、日系人とその家族は危険、との印象をあたえるために、もっとも重要な部分をことさらに省略して説明したのです。

　ついで、日本政府は、検挙者数をあげて「定住者」の在留資格を有する者による犯罪が相当数発生しているとしています。これは事実と反します。
　刑法犯の検挙人員を、2002年から2006年にかけて調査すると、下記の表に示したとおりになります。検挙人員中「定住者」で在留する者の数は、もともと治安に脅威というほどの数ではなく、人口増も考慮すると増えてはいません。
　たとえば2002年から2005年の検挙者数のうち、「定住者」で在留するブラジル人、ペルー人は、全体の数が161,364人から174,613人へと1万3000人以上も増えているのに、955人から1,171人に216人増えただけです。この間この間、日本の人口は127,486千人から127,768千人へ、28万2000人増えただけですが、来日外国人を除く検挙者は339,868人から378,450人へ38,582人も増えているのです。増加した人口あたりの検挙者数は、前者が1.7％、後者はその8倍以上の13.7％に達します。日本でよくいわれる治安が悪化云々はそもそも事実ではありませんし、わたしは、犯罪にはさまざまな原因があるのですから、検挙者が増えたから締め付けろ、という考え方には反対ですが、仮に検挙者数の増加から治安悪化が語られるのであれば、むしろ問題にすべきは日本人の犯罪なのです。
　また、以下の表からみればあきらかなとおり、日系人を多数含むブラジル人、ペルー人のうち「定住者」で在留する者は、おおむね66％前後ですが、これを検挙者数でみると、57％程度、多い年でも60％に過ぎません。すなわち、人口比でみる限り、「定住者」の在留資格で在留する外国人のなかでは、むしろ検挙者数において少ないグループに属します。
　もとより、犯罪統計は、警察・検察の取締り方法によって大きく左右されるものであり、これが犯罪の実相をしめすと考えるのがナイーブにすぎることは理解しています。しかしながら、日本政府が、告示に際して定住者の検挙者数をことさらにあげるので、あえて検討してみても、定住者の在留資格を有するラテン・アメリカ諸国の出身者の犯罪が相当する発生しているなどという事実はないのです（※）。

年度		2002	2003	2004	2005	2006
①	定住者の外国人登録者	243,451	245,147	250,734	265,639	268,836
②	①のうちブラジル国籍者	139,826	140,552	144,407	153,185	未集計
③	①のうちペルー国籍者	21,538	21,045	20,779	21,428	未集計
④	①のうちブラジル、ペルー以外の国籍者	82,087	83,550	85,548	91,026	未集計
⑤	①のうちブラジル、ペルー国籍者の割合	66.3%	65.9%	65.9%	65.7%	算定不能
⑥	日本全体の刑法犯検挙者数	347,558	379,602	389,027	386,955	384,250
⑦	⑥のうち来日外国人	7,690	8,725	8,898	8,505	8,148
⑧	⑦のうち定住者の在留資格を有する者	1,649	1,798	2,035	1,933	1,827
⑨	⑧のうちブラジル国籍を有する者	761	803	896	896	801
⑩	⑧のうちペルー国籍を有する者	194	235	245	275	207
⑪	⑧のうちブラジル、ペルー以外の国籍者	694	760	894	762	819
⑫	⑧のうちブラジル、ペルー国籍者の割合	57.9%	57.7%	56.1%	60.6%	55.2%
⑬	⑥のうち定住者の在留資格を有する者の割合	0.5%	0.5%	0.5%	0.5%	0.5%
⑭	⑥のうちブラジル、ペルー国籍の定住者の割合	0.3%	0.3%	0.3%	0.3%	0.3%