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【政治】

与那国に陸自配備検討 防衛省 中国など反発の恐れ

2009年7月2日 朝刊

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 防衛省は一日、陸上自衛隊の部隊を南西諸島の国境にある与那国島に配備することを検討する方針を固めた。同省首脳が明らかにした。日本防衛の重点を旧ソ連を仮想敵国とした北方から南西諸島に移す配置見直しの一環。年末に決定する新「防衛計画の大綱」に反映させたい考えだが、周辺には中国が領有権を主張する尖閣諸島があり、中国の反発も予想される。

 沖縄県には現在、那覇に陸上自衛隊第一混成団が置かれている。混成団は島しょ防衛を打ち出した現大綱に基づき、本年度末に旅団に格上げされ、約千八百人から二千百人へ増強される。しかし、与那国など先島地方は沖縄本島から約五百キロ離れており、部隊配備を検討することとした。

 外間守吉・与那国町長は先月三十日、浜田靖一防衛相を訪ね、陸自誘致の要望書を手渡した。浜田氏は「国境の島である与那国島は国防上も重要」と積極的に検討する考えを表明。近く与那国町を視察する意向も伝えた。

 与那国島への部隊配備は以前も検討されたことがあるが、インフラ面の不備などから見送られた経緯がある。また、与那国町は台湾との直接航行で振興を目指す「国境交流構想」を推進中で、地元には部隊配備で周辺国を刺激し、構想が停滞すると心配する声もある。

 

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