厚生労働省は2日、大阪府内の新型インフルエンザ患者から、インフルエンザ治療薬「タミフル」に耐性を持つウイルスが検出されたと発表した。タミフル耐性のウイルスが確認されたのは、デンマークの患者に次いで世界2例目。患者は既に回復し、感染は広がっていないため、厚労省は「公衆衛生上の危険はない」としている。
厚労省によると、患者は5月24日に微熱が出て、28日に発熱相談センターに連絡。同29日に新型インフルエンザと診断された。治療薬のリレンザを投与され既に回復している。
この患者は、家族が5月中旬にインフルエンザに感染していたため、発症前にタミフルを予防投与されていた。不審に感じた医療機関が検体を府公衆衛生研究所に送り、ウイルスを培養して遺伝子を調べたことろ、変異が見つかった。
インフルエンザウイルスは変異が起きやすく、Aソ連型のウイルスの多くにはタミフル耐性があった。製薬会社の添付文書では、タミフルを投与されたインフルエンザ患者の0.3~4.1%に耐性ウイルスが出現するとされている。【清水健二】
毎日新聞 2009年7月2日 23時44分(最終更新 7月2日 23時49分)