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Free: The Future of a Radical Price

ムーアの法則によって『過剰と破壊の経済学』が重要になるというのが私の昔の本のテーマだが、Chris Andersonの新著は、資源を節約するのではなく浪費するテクノロジーが21世紀の方向を決めると論じている。世の中の資源のほとんどは、実際には浪費されている。たとえばコンピュータの電源の入っている時間の半分以上は使われていないし、自動車のエンジンの入っている時間の47%は停車している。

こうした無駄をなるべく減らそうというのが経済学の思想だが、これって自然界にはほとんどない発想だ。たとえば生物が進化で生き延びるためにとる戦略は、なるべく多くの卵を産んで、そこからもっともすぐれた(複製能力の高い)個体が生き残るようにすることだ。図のように、クロマグロは100万個もの卵を産む。

ウェブの世界も、新古典派経済学よりクロマグロに近づいている。YouTubeには1億本以上のビデオが投稿されているが、その95%以上は数回しか再生されない。それでもSusan Boyleのように、2億回再生されるビデオが1本でもあれば、YouTubeは全世界からアクセスを集めることができる。これが従来とはまったく逆の「浪費する経済学」を生むかもしれないし、生まないかもしれない。まずいろいろやってみよう。考えるのはタダだから。
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コメント
 
 
 
少子化対策 (神国日本)
2009-07-02 23:18:25
>こうした無駄をなるべく減らそうというのが経済学の思想
これをキリスト教や明治以降の西洋文化崇拝の思想と置き換えると
日本国の少子化の源泉にぶち当たるかもしれません。
それ以前の日本には一夫多妻や多夫多妻がありましたので、”クロマグロは100万個もの卵を産む”状態で食い扶持を減らすことが優先されましたが、今は一夫一妻で子供ができないため少子化に向かっています。
いっそのこと無駄を減らす経済学と同じようなキリスト教や明治以降の西洋文化崇拝の思想をやめて、日本人が本来もっていた一夫多妻や多夫多妻の思想に戻せば、少子化は防げるかもしれません。
 
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