【東京 2日 AFP】第二次世界大戦下で従軍慰安婦として徴発されたとする韓国人女性が2日、米下院での証言後に来日し、都内で日本政府に謝罪を求めた。国内では米下院の対日非難決議案採択を阻止すべく政府内での動きが活発化している。
今回来日したのはLee Yong-sooさん(78)。Leeさんは16年間にわたり日本政府に謝罪を要求し続け、ソウル(Seoul)の日本大使館前で抗議活動を行ってきた。
Leeさんは10代のとき、当時日本の統治下にあった朝鮮半島の自宅から強制連行され、平壌(Pyongyang)、中国の大連(Dalian)、台湾へと移動させられた上、約3年間にわたって慰安婦としての生活を強いられたと主張する。
「母に助けを求めて叫びましたが、彼らは決してやめようとしませんでした。電気ショックの拷問を受けたり、蹴飛ばされたり、刃物で切られたこともあります」と片言の日本語で語った。
「日本軍は無理やり私を連れ去った。私は生き証人なのです。必要があれば、どこへでも行き証言します。日本の首相に、謝罪してほしいのです」
日本政府は1993年、当時の河野洋平官房長官がいわゆる「河野談話」のなかで、従軍慰安婦強制連行への旧日本軍の関与を認め、謝罪の意を表明している。
しかし、アジア諸国との関係改善に努めるとする一方、保守的な歴史観で知られる安倍晋三首相は1日夜、「強制を裏付ける証拠はない」として、旧日本軍の関与に疑念を呈した。
戦時には少なくとも20万人の従軍慰安婦が存在したとする立場の専門家もいる。慰安婦の存在を認める専門家の推定では、大部分が朝鮮半島の出身者で、ほかに中国、インドネシア、フィリピンおよび台湾出身者が含まれたとされる。
写真は2日、都内で記者会見するLeeさん。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO
AFPBB News トップへ
ユーザー制作のスライドショーをご紹介。無料で簡単な会員登録で見られます。
拡大して見られた人気写真ランキング。会員登録で拡大写真が見られます。登録は無料で簡単。