2009.07.02
2009.07.01
【ﾌｧｲﾄ!!】力なき正義は無能なり=ﾌﾞﾛｸﾞのﾒｲﾝﾃｰﾏ･ｺﾗﾑ
ﾌｧｲﾄ! 闘う君の唄を闘わない奴らが笑うだろう
ﾌｧｲﾄ! 冷たい水のなかを震えながら昇ってゆけ
暗い水の流れに打たれながら魚たち昇ってゆく
光っているのは傷ついて剥がれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ流れ落ちてしまえば楽なのにね
痩せこけてそんなに痩せこけて魚たち昇ってゆく
勝つか負けるかそれは分からない
それでもとにかく闘いの出場通知を抱きしめてｱｲﾂは海になりました
ﾌｧｲﾄ! 闘う君の唄を闘わない奴らが笑うだろう
ﾌｧｲﾄ! 冷たい水のなかを震えながら昇ってゆけ
あの魚たちの群れｷﾗｷﾗと海のなかの国境を越えていく
諦めという名の鎖を身を捩って解いていく…
中島みゆきと吉田拓郎の合作､｢ﾌｧｲﾄ!｣という唄の歌詞である｡
この唄を聴いて私は幾度､涙を流したか分からない｡実際の歌詞はもっと長い｡悔しい､辛い､悲しい少年や少女の思いが､それぞれのｼﾁｭｴｰｼｮﾝで綴られている｡私も歌詞に出てくる彼らのなかの1人だった…｡
悔しいから反抗した｡
辛いから泣いた｡
悲しいから闘った｡
｢闘う｣ということがどういう意味か? 私は自らの体験から学んだのだ｡本来なら､そんなもの学ぶ必要はない｡学びたくもないことだ｡しかし､生き抜くためには闘うしかなかった｡
そんな私を過去､多くの人間たちが嘲笑ってきた｡
｢ﾔｸｻﾞの息子が､ﾁｮｰｾﾝに何が出来るよ! 悔しかったら一人前に学校出て人並み以上に稼いでみな｡どうせﾁﾝﾋﾟﾗになるのがせいぜいだよ｣
｢ﾁﾋﾞが､かかってこいよ､ﾁﾋﾞの癖に生意気に! 柔道だろうがﾌﾟﾛﾚｽだろうがやってこいよ｡いつでもﾌｸﾛにしてやるわ｣
｢口だけ達者でとうとう逃げ出した｡ｱｲﾂはそうやっていつも調子いいこといって都合が悪くなると逃げ出すんだよ｣
｢ﾍﾟﾝは暴力にもなる｡けどｵﾏｴのﾍﾟﾝなんか簡単に折ってやる｡ﾍﾟﾝでさえ握れないようにしてやるよ｡生意気いうのは100年早いんだよ｣
いまでも私を嘲笑うﾔﾂらは絶えない｡
だが､昔と違っているのは､誰も直接私の前で笑わないし､愚弄もしないということだ｡笑うﾔﾂらはいつも姿を隠し､必死になって見えないところから引きつったように笑うだけである｡
そういうのを世間では｢負け犬の遠吠え｣と呼ぶ｡
私は逃げも隠れもしない｡
東京豊島区池袋の夢現舎が私の本陣だ｡私を笑いたければ､悪口叩きたいならば､ｹﾝｶを売りたいならば夢現舎にくればいい｡
｢ﾌｧｲﾄ!｣は真実を歌っている｡
闘う人間の姿を､闘えない弱虫が笑うのだ｡心のなかは歪んだ劣等感に溢れている｡捻れたﾌﾟﾗｲﾄﾞにしがみつくことしか出来ない人間が自身の惨めさを隠そうと無我夢中に､闘う人間を笑うのだ｡それも想像を絶するほど陰湿に､そして陰険に…｡
しかし､闘う人間にとってはそんなもの痛くも痒くもない｡なにせ負け犬の遠吠えだ｡逆に､負け犬は闘う者から嘲笑を浴びることを知っているから､自らの卑屈さを知っているから尚更ﾔﾂらはﾑｷになって闘う者を笑う｡
私は差別と偏見と蔑視の視線を大人たちから浴びながら今日まで闘い続けてきた｡それだけは胸を張って断言出来る｡
不良､少年犯罪者というﾚｯﾃﾙを貼られた私は､T県ﾄｯﾌﾟの進学校に進み早稲田大学に入った｡誰か悔しかったら早稲田大学に入ってみたらええ! 死ぬ気で受験勉強してみいや｡ただのう､三瓶啓二や東孝が通った｢夜学｣は早稲田とはいわんよ｡夜学は早稲田の盲腸じゃけえ､近々廃学が決定しとるんよ､念のため｡
柔道も中途半端､極真空手は末席の末席のまた片隅を汚しただけの男に過ぎません｡でも､私を弱者呼ばわりしてﾊﾞｶにするならば､とりあえず極真会館(松井派か極真館)の黒帯を取ってから吠えろや! いつでも待ってますけえ｡
編集者だ､物書きといってもまだまだ出版界では｢ﾊｷﾀﾞﾒのような格闘技界の業界人｣(ちなみに私は俗に呼ばれる｢格闘技界｣と｢格技･武道界｣は別物と捉えています)としか見なされていない半端者です｡物書きとしてさえ認められていない未熟者です｡
けど､そんな私を笑うならば1冊でもいいから本を出版してからいえや｡それも山田英司や家高康彦のように初版2000部なんちゅうのはﾒﾃﾞｨｱ､ﾏｽｺﾐとはいわんけえ｡それはﾐﾆｺﾐというんじゃ｡小島は1回の増刷だけでもそれ以上を刷りますけん｡
夢現舎､夢現舎といってもちっちゃなｶｽのような会社です｡ｽﾀｯﾌもせいぜい10人程度に過ぎません｡ﾃﾞｶい会社が本気になって潰そうと思えば簡単に跡形もなく消えてしまいそうな編集制作会社です｡でも､誰もそれは出来ません｡私たちは絶対に｢筋｣だけは通します｡道理を無視して筋を違える相手には刺し違えても引きません｡
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ﾌｧｲﾄ! 冷たい水のなかを震えながら昇ってゆけ
暗い水の流れに打たれながら魚たち昇ってゆく
光っているのは傷ついて剥がれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ流れ落ちてしまえば楽なのにね
痩せこけてそんなに痩せこけて魚たち昇ってゆく
勝つか負けるかそれは分からない
それでもとにかく闘いの出場通知を抱きしめてｱｲﾂは海になりました
ﾌｧｲﾄ! 闘う君の唄を闘わない奴らが笑うだろう
ﾌｧｲﾄ! 冷たい水のなかを震えながら昇ってゆけ
あの魚たちの群れｷﾗｷﾗと海のなかの国境を越えていく
諦めという名の鎖を身を捩って解いていく…
中島みゆきと吉田拓郎の合作､｢ﾌｧｲﾄ!｣という唄の歌詞である｡
この唄を聴いて私は幾度､涙を流したか分からない｡実際の歌詞はもっと長い｡悔しい､辛い､悲しい少年や少女の思いが､それぞれのｼﾁｭｴｰｼｮﾝで綴られている｡私も歌詞に出てくる彼らのなかの1人だった…｡
悔しいから反抗した｡
辛いから泣いた｡
悲しいから闘った｡
｢闘う｣ということがどういう意味か? 私は自らの体験から学んだのだ｡本来なら､そんなもの学ぶ必要はない｡学びたくもないことだ｡しかし､生き抜くためには闘うしかなかった｡
そんな私を過去､多くの人間たちが嘲笑ってきた｡
｢ﾔｸｻﾞの息子が､ﾁｮｰｾﾝに何が出来るよ! 悔しかったら一人前に学校出て人並み以上に稼いでみな｡どうせﾁﾝﾋﾟﾗになるのがせいぜいだよ｣
｢ﾁﾋﾞが､かかってこいよ､ﾁﾋﾞの癖に生意気に! 柔道だろうがﾌﾟﾛﾚｽだろうがやってこいよ｡いつでもﾌｸﾛにしてやるわ｣
｢口だけ達者でとうとう逃げ出した｡ｱｲﾂはそうやっていつも調子いいこといって都合が悪くなると逃げ出すんだよ｣
｢ﾍﾟﾝは暴力にもなる｡けどｵﾏｴのﾍﾟﾝなんか簡単に折ってやる｡ﾍﾟﾝでさえ握れないようにしてやるよ｡生意気いうのは100年早いんだよ｣
いまでも私を嘲笑うﾔﾂらは絶えない｡
だが､昔と違っているのは､誰も直接私の前で笑わないし､愚弄もしないということだ｡笑うﾔﾂらはいつも姿を隠し､必死になって見えないところから引きつったように笑うだけである｡
そういうのを世間では｢負け犬の遠吠え｣と呼ぶ｡
私は逃げも隠れもしない｡
東京豊島区池袋の夢現舎が私の本陣だ｡私を笑いたければ､悪口叩きたいならば､ｹﾝｶを売りたいならば夢現舎にくればいい｡
｢ﾌｧｲﾄ!｣は真実を歌っている｡
闘う人間の姿を､闘えない弱虫が笑うのだ｡心のなかは歪んだ劣等感に溢れている｡捻れたﾌﾟﾗｲﾄﾞにしがみつくことしか出来ない人間が自身の惨めさを隠そうと無我夢中に､闘う人間を笑うのだ｡それも想像を絶するほど陰湿に､そして陰険に…｡
しかし､闘う人間にとってはそんなもの痛くも痒くもない｡なにせ負け犬の遠吠えだ｡逆に､負け犬は闘う者から嘲笑を浴びることを知っているから､自らの卑屈さを知っているから尚更ﾔﾂらはﾑｷになって闘う者を笑う｡
私は差別と偏見と蔑視の視線を大人たちから浴びながら今日まで闘い続けてきた｡それだけは胸を張って断言出来る｡
不良､少年犯罪者というﾚｯﾃﾙを貼られた私は､T県ﾄｯﾌﾟの進学校に進み早稲田大学に入った｡誰か悔しかったら早稲田大学に入ってみたらええ! 死ぬ気で受験勉強してみいや｡ただのう､三瓶啓二や東孝が通った｢夜学｣は早稲田とはいわんよ｡夜学は早稲田の盲腸じゃけえ､近々廃学が決定しとるんよ､念のため｡
柔道も中途半端､極真空手は末席の末席のまた片隅を汚しただけの男に過ぎません｡でも､私を弱者呼ばわりしてﾊﾞｶにするならば､とりあえず極真会館(松井派か極真館)の黒帯を取ってから吠えろや! いつでも待ってますけえ｡
編集者だ､物書きといってもまだまだ出版界では｢ﾊｷﾀﾞﾒのような格闘技界の業界人｣(ちなみに私は俗に呼ばれる｢格闘技界｣と｢格技･武道界｣は別物と捉えています)としか見なされていない半端者です｡物書きとしてさえ認められていない未熟者です｡
けど､そんな私を笑うならば1冊でもいいから本を出版してからいえや｡それも山田英司や家高康彦のように初版2000部なんちゅうのはﾒﾃﾞｨｱ､ﾏｽｺﾐとはいわんけえ｡それはﾐﾆｺﾐというんじゃ｡小島は1回の増刷だけでもそれ以上を刷りますけん｡
夢現舎､夢現舎といってもちっちゃなｶｽのような会社です｡ｽﾀｯﾌもせいぜい10人程度に過ぎません｡ﾃﾞｶい会社が本気になって潰そうと思えば簡単に跡形もなく消えてしまいそうな編集制作会社です｡でも､誰もそれは出来ません｡私たちは絶対に｢筋｣だけは通します｡道理を無視して筋を違える相手には刺し違えても引きません｡
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2009.06.27
【駄文･6/27】敵でも味方でもいいけん､電話下さい!(加筆修正版)
現在の私には約30000人の固定読者がいます｡
矢沢永吉さんの言葉を拝借するならば…
私を知る100人のうち70人が私を嫌っていても構いません｡残り30人のうち､｢まあKojimaも悪くないんじゃない｣という消極的ﾌｧﾝが20人､残り10人のうち9人が積極的なKojimaﾌｧﾝで最後の1人が｢Kojima最高!!｣
それでいいのです｡
固定読者が全員私のﾌｧﾝとは言いません｡でもbusiness的には大切なお得意様です｡｢大山倍達正伝｣は50000人以上の人達が大切な銭を払って買ってくれました｡今後は固定読者50000人の定着がbusiness的な目標です｡
しかし､最低でも30000人の人達が私の､また私とﾊﾟｰﾄﾅｰの共著作品を銭を出して買ってくれる現実は以下の事実を意味してもいるのです｡図書館などの施設での閲覧､回し読み､古書店･Netからの古本購入…統計学的には10倍の300000人が何らかのｶﾀﾁで私達の作品を読み､私達を知っている事になります｡
もはや私もﾊﾟｰﾄﾅｰも｢私人｣ではいられない現実を受け入れなければならないでしょう｡
決して1％の熱烈なﾌｧﾝに限らず､敢えて言うならば｢ｱﾝﾁKojima｣の人達にも､当然私への不満､また疑問があるはずです｡
何度も書いた事です｡極真会館館長･松井章圭は幾度もこのように私を諌めました｡
｢ｺｼﾞﾏさんの文章･文体は断定が多く時に傲慢さを読者に与え兼ねない部分がある｡それが長所であり魅力かもしれませんが､確実に敵を作るでしょう｡ただｺｼﾞﾏさんの文章に不快感を持ったとしても､文章自体が論理的で反論を許さない緻密さがある｡ならばｺｼﾞﾏさんを認めるか!? といえば逆なんです｡理論で反論出来ないならば感情論になっていく｡とにかくｺｼﾞﾏは嫌いだ…それがいつしか狂気的な人格否定にまで発展するものなのです｡だから文章を書く時にはほんの少しだけ隙間を作ってやる方がいいと思いますよ｣
まだ松井が館長に就任する前から異口同音ながら私に言い続けてきた言葉です｡最近では冗談半分に｢そう言う館長にこそ言いたい言葉です｣と憎まれ口を叩き､松井はﾆﾔﾆﾔと応じるという構図が出来ていますが…｡
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矢沢永吉さんの言葉を拝借するならば…
私を知る100人のうち70人が私を嫌っていても構いません｡残り30人のうち､｢まあKojimaも悪くないんじゃない｣という消極的ﾌｧﾝが20人､残り10人のうち9人が積極的なKojimaﾌｧﾝで最後の1人が｢Kojima最高!!｣
それでいいのです｡
固定読者が全員私のﾌｧﾝとは言いません｡でもbusiness的には大切なお得意様です｡｢大山倍達正伝｣は50000人以上の人達が大切な銭を払って買ってくれました｡今後は固定読者50000人の定着がbusiness的な目標です｡
しかし､最低でも30000人の人達が私の､また私とﾊﾟｰﾄﾅｰの共著作品を銭を出して買ってくれる現実は以下の事実を意味してもいるのです｡図書館などの施設での閲覧､回し読み､古書店･Netからの古本購入…統計学的には10倍の300000人が何らかのｶﾀﾁで私達の作品を読み､私達を知っている事になります｡
もはや私もﾊﾟｰﾄﾅｰも｢私人｣ではいられない現実を受け入れなければならないでしょう｡
決して1％の熱烈なﾌｧﾝに限らず､敢えて言うならば｢ｱﾝﾁKojima｣の人達にも､当然私への不満､また疑問があるはずです｡
何度も書いた事です｡極真会館館長･松井章圭は幾度もこのように私を諌めました｡
｢ｺｼﾞﾏさんの文章･文体は断定が多く時に傲慢さを読者に与え兼ねない部分がある｡それが長所であり魅力かもしれませんが､確実に敵を作るでしょう｡ただｺｼﾞﾏさんの文章に不快感を持ったとしても､文章自体が論理的で反論を許さない緻密さがある｡ならばｺｼﾞﾏさんを認めるか!? といえば逆なんです｡理論で反論出来ないならば感情論になっていく｡とにかくｺｼﾞﾏは嫌いだ…それがいつしか狂気的な人格否定にまで発展するものなのです｡だから文章を書く時にはほんの少しだけ隙間を作ってやる方がいいと思いますよ｣
まだ松井が館長に就任する前から異口同音ながら私に言い続けてきた言葉です｡最近では冗談半分に｢そう言う館長にこそ言いたい言葉です｣と憎まれ口を叩き､松井はﾆﾔﾆﾔと応じるという構図が出来ていますが…｡
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2009.06.26
【駄文･7/26】ﾔｸｻﾞから電話が掛かってきた話(改訂版)
2009年7月26日
つい先日の話である｡
体調を崩してﾍﾞｯﾄﾞに寝ていたら突然携帯電話の呼び出し音がなった｡私は仕事･ﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄにかかわらず電話帳に登録してある相手からの電話の場合､着信音だけで分かる設定にしている｡ところが､その時の着信音は電話帳登録者以外からのものだった｡
私は慎重に電話に出た｡同時に契約している某探偵社直通の接続ｽｲｯﾁを入れた｡すると明らかに｢まとも｣ではない男性の声が響いてきた｡精一杯威圧するように｢ｵﾀｸ､景気いいようじゃない!?｣と第一声｡
こんな時の危機管理の定石は相手が素人かﾎﾝﾏﾓﾝの｢稼業者｣かを見極める点にある｡私は努めて冷静に､だが決して気圧された気配も見せずに訊いた｡
ｱﾝﾀ誰なん?
誰に電話してるの!? 俺の名前を言ってみい｡
相手は中々正体を表さない｡ただ言葉から甲信越地方の訛りが感じられた｡相手の名前を引き出そうとしても巧く応じない｡誰に電話してるのか? という質問にも答えない｡そんなやり取りが続いた｡
するとただ一言だけ､相手はある人物のﾌｧｰｽﾄﾈｰﾑを溢した｡それだけで私は概ねの背景を理解した｡私には公私共に｢敵｣が多いが､ある程度は分類する事が可能だ｡相手が言った名前から､私は｢敵｣が読めたと言ってもいいだろう｡大した相手ではない｡
そこで私は相手を徐々に追い詰めていく戦法に変えていった｡
｢ｵﾏｴ､堅気の人間かい!? それとも稼業のもんかい!?｣
｢稼業? 何だそりゃあ｡何言ってんだﾎﾞｹｶｽが!｣
｢稼業は稼業やないかい!! ｵﾏｴは稼業もんかと訊いてるんじゃ｣
｢稼業は農業だ｡稼業が農業でも俺はﾔｸｻﾞだ｡電話だけじゃすませねえからな｡若い衆連れて殺しにいくぞ!!｣
とうとう正体を現した｡
だが私は思わず笑ってしまった｡相手はどうやら｢稼業｣を｢家業｣と勘違いしたようだ｡ちなみに｢稼業者｣とはｱﾝﾀﾞｰｸﾞﾗｳﾝﾄﾞの世界では｢組織に所属した本物のﾔｸｻﾞ｣を意味する｡｢稼業者｣と言ってﾋﾟﾝとこなければほぼ100％は素人か､その辺のﾁﾝﾋﾟﾗに過ぎない｡
更に相手は決定的なﾐｽを犯した｡現在の暴対法では自らを｢ﾔｸｻﾞ｣と名乗っただけで十分な脅迫罪に問われる｡ましてや｢殺す｣と口にしたら終わりだ｡それだけで相手は所轄の｢ﾏﾙ暴｣､つまり捜査第4課によって拘束される｡第一､ﾎﾝﾏﾓﾝならば絶対に言わない言葉である｡経験者の私が言うのだからこれは事実である｡
しかし私は敢えてそれを言わず､更に訊いた｡
｢ｱﾝﾀ､ﾔｸｻﾞというんならどこの代紋を背負ってるんよ?｣
またも相手は当惑の色を見せた｡ｺｲﾂ完全に百姓だ! 私はとうとう笑っていた｡
｢何がおかしい､このｷ*ｶﾞｲ野郎が! 代紋? ｵﾀｸさっきから何訳分からねえ事ばかり言ってんだ!? 頭おかしいんじゃねえか｣
｢代紋が分からん!? ﾎｰ､つまりどこの組織の人間なんやって訊いてるんよ､ﾔｸｻﾞ屋さん｣
私はもう笑い声である｡本物のﾔｸｻﾞが｢代紋｣も知らないとは噴飯ものだが､私はもう少し我慢する事にした｡
｢代紋が分からんならええよ｡ｵﾏｴどこの組のもんなんよ!?｣
すると､決定的な言葉を吐いてしまった｡
｢●●組のもんだ!!｣
日本最大の広域暴力団の名前を口にした｡これで｢ﾏﾙ暴｣行きは決定である｡既に契約探偵社はPCにｲﾝｽﾄｩｰﾙさせた逆探知ｿﾌﾄを起動させているだろう｡否､相手の電話が非通知ではなく番号通知設定になっているのでその必要はない｡簡単にNTTから相手の名前も住所も判明するからだ｡自分の電話番号を晒して｢ﾔｸｻﾞだ､殺す｣とはまさに百姓丸出しである｡あまりに愉快なので私は暫く遊ぶ事にした｡
｢ｵﾏｴなあ､素人やろ? ●●組!? ●●の代紋は何か分かるんか? それになあ､●●組の人間は自分から●●組なんて名乗らんよ｡ｵﾏｴみたいな田舎もん､直系の直参やないやろが｡枝の枝の末端がせいぜいなはずじゃけん｡その小枝が●●組を名乗ったなら大変な事になるけんね｡俺は少なくとも●●組と何の関係も遺恨もない正真正銘の堅気じゃけん｡ちゅう事は､ｵﾏｴ●紋背負って俺にｹﾝｶ売っとるんとちゃうやろが｡ﾍﾀ打ったなあ｡ｵﾏｴ警察だけやのうて●紋からもﾀﾏ狙われるけえ｡それにｵﾏｴ､自分からﾔｸｻﾞだ殺すだ言ったけんね｡ちゃんと録音してます｡それだけでｵﾏｴは拘置所行き決定やな｡塀から出たら今度はどうなるか知らんよ｡ｺﾝｸﾘの浮き輪して海水浴か､富士の樹海でｽｺｯﾌﾟ担ぎながらｵﾘｴﾝﾃｰﾘﾝｸﾞでもさせられるかもしれんなあ｡田舎の百姓が､昔ﾔﾝﾁｬやってたかどうか分からんけん｡簡単に稼業者ﾂﾞﾗしよったら警察だけの問題やなくなるけんね｡ﾎﾝﾏﾓﾝから追い込まれるけん､どうしよ?｣
私がこう言い終わる前に電話はｶﾞﾁｬﾝと切れた｡
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つい先日の話である｡
体調を崩してﾍﾞｯﾄﾞに寝ていたら突然携帯電話の呼び出し音がなった｡私は仕事･ﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄにかかわらず電話帳に登録してある相手からの電話の場合､着信音だけで分かる設定にしている｡ところが､その時の着信音は電話帳登録者以外からのものだった｡
私は慎重に電話に出た｡同時に契約している某探偵社直通の接続ｽｲｯﾁを入れた｡すると明らかに｢まとも｣ではない男性の声が響いてきた｡精一杯威圧するように｢ｵﾀｸ､景気いいようじゃない!?｣と第一声｡
こんな時の危機管理の定石は相手が素人かﾎﾝﾏﾓﾝの｢稼業者｣かを見極める点にある｡私は努めて冷静に､だが決して気圧された気配も見せずに訊いた｡
ｱﾝﾀ誰なん?
誰に電話してるの!? 俺の名前を言ってみい｡
相手は中々正体を表さない｡ただ言葉から甲信越地方の訛りが感じられた｡相手の名前を引き出そうとしても巧く応じない｡誰に電話してるのか? という質問にも答えない｡そんなやり取りが続いた｡
するとただ一言だけ､相手はある人物のﾌｧｰｽﾄﾈｰﾑを溢した｡それだけで私は概ねの背景を理解した｡私には公私共に｢敵｣が多いが､ある程度は分類する事が可能だ｡相手が言った名前から､私は｢敵｣が読めたと言ってもいいだろう｡大した相手ではない｡
そこで私は相手を徐々に追い詰めていく戦法に変えていった｡
｢ｵﾏｴ､堅気の人間かい!? それとも稼業のもんかい!?｣
｢稼業? 何だそりゃあ｡何言ってんだﾎﾞｹｶｽが!｣
｢稼業は稼業やないかい!! ｵﾏｴは稼業もんかと訊いてるんじゃ｣
｢稼業は農業だ｡稼業が農業でも俺はﾔｸｻﾞだ｡電話だけじゃすませねえからな｡若い衆連れて殺しにいくぞ!!｣
とうとう正体を現した｡
だが私は思わず笑ってしまった｡相手はどうやら｢稼業｣を｢家業｣と勘違いしたようだ｡ちなみに｢稼業者｣とはｱﾝﾀﾞｰｸﾞﾗｳﾝﾄﾞの世界では｢組織に所属した本物のﾔｸｻﾞ｣を意味する｡｢稼業者｣と言ってﾋﾟﾝとこなければほぼ100％は素人か､その辺のﾁﾝﾋﾟﾗに過ぎない｡
更に相手は決定的なﾐｽを犯した｡現在の暴対法では自らを｢ﾔｸｻﾞ｣と名乗っただけで十分な脅迫罪に問われる｡ましてや｢殺す｣と口にしたら終わりだ｡それだけで相手は所轄の｢ﾏﾙ暴｣､つまり捜査第4課によって拘束される｡第一､ﾎﾝﾏﾓﾝならば絶対に言わない言葉である｡経験者の私が言うのだからこれは事実である｡
しかし私は敢えてそれを言わず､更に訊いた｡
｢ｱﾝﾀ､ﾔｸｻﾞというんならどこの代紋を背負ってるんよ?｣
またも相手は当惑の色を見せた｡ｺｲﾂ完全に百姓だ! 私はとうとう笑っていた｡
｢何がおかしい､このｷ*ｶﾞｲ野郎が! 代紋? ｵﾀｸさっきから何訳分からねえ事ばかり言ってんだ!? 頭おかしいんじゃねえか｣
｢代紋が分からん!? ﾎｰ､つまりどこの組織の人間なんやって訊いてるんよ､ﾔｸｻﾞ屋さん｣
私はもう笑い声である｡本物のﾔｸｻﾞが｢代紋｣も知らないとは噴飯ものだが､私はもう少し我慢する事にした｡
｢代紋が分からんならええよ｡ｵﾏｴどこの組のもんなんよ!?｣
すると､決定的な言葉を吐いてしまった｡
｢●●組のもんだ!!｣
日本最大の広域暴力団の名前を口にした｡これで｢ﾏﾙ暴｣行きは決定である｡既に契約探偵社はPCにｲﾝｽﾄｩｰﾙさせた逆探知ｿﾌﾄを起動させているだろう｡否､相手の電話が非通知ではなく番号通知設定になっているのでその必要はない｡簡単にNTTから相手の名前も住所も判明するからだ｡自分の電話番号を晒して｢ﾔｸｻﾞだ､殺す｣とはまさに百姓丸出しである｡あまりに愉快なので私は暫く遊ぶ事にした｡
｢ｵﾏｴなあ､素人やろ? ●●組!? ●●の代紋は何か分かるんか? それになあ､●●組の人間は自分から●●組なんて名乗らんよ｡ｵﾏｴみたいな田舎もん､直系の直参やないやろが｡枝の枝の末端がせいぜいなはずじゃけん｡その小枝が●●組を名乗ったなら大変な事になるけんね｡俺は少なくとも●●組と何の関係も遺恨もない正真正銘の堅気じゃけん｡ちゅう事は､ｵﾏｴ●紋背負って俺にｹﾝｶ売っとるんとちゃうやろが｡ﾍﾀ打ったなあ｡ｵﾏｴ警察だけやのうて●紋からもﾀﾏ狙われるけえ｡それにｵﾏｴ､自分からﾔｸｻﾞだ殺すだ言ったけんね｡ちゃんと録音してます｡それだけでｵﾏｴは拘置所行き決定やな｡塀から出たら今度はどうなるか知らんよ｡ｺﾝｸﾘの浮き輪して海水浴か､富士の樹海でｽｺｯﾌﾟ担ぎながらｵﾘｴﾝﾃｰﾘﾝｸﾞでもさせられるかもしれんなあ｡田舎の百姓が､昔ﾔﾝﾁｬやってたかどうか分からんけん｡簡単に稼業者ﾂﾞﾗしよったら警察だけの問題やなくなるけんね｡ﾎﾝﾏﾓﾝから追い込まれるけん､どうしよ?｣
私がこう言い終わる前に電話はｶﾞﾁｬﾝと切れた｡
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【駄文･7/25】久し振りにﾀｸｼｰで不愉快になった話
2009/7/25
私はよくﾀｸｼｰを利用する｡仕事で都内を移動する時は殆どﾀｸｼｰに乗る｡お陰で乗り物酔いをし易い｢ﾊﾟｰﾄﾅｰ｣には随分迷惑を掛けてすまないと思っている｡
だが数年前から私は都内の駅の｢人間洪水｣を受け付けない体になってしまった｡人がｳｼﾞｬｳｼﾞｬいると｢人酔い｣をしてしまうのだ｡
決して銭に余裕があるとか見栄ではない｡仕方なくﾀｸｼｰを利用しているというのが実際である｡
出社も帰宅もﾀｸｼｰに乗る｡この不景気である｡会社の財政状態が良くない事はﾊﾟｰﾄﾅｰから聞かされているのだが､私は｢自分がﾀｸｼｰに乗る銭にも苦労するようになったら会社は終わりだ｣と思っている｡
夢現舎は､私が酒を好まない理由もあるし､｢日本式｣の接待商売を好まない理由もあるのだが､およそｸﾗｲｱﾝﾄや外注さんへの｢接待｣というものをした事がない｡せいぜい2ｶ月に1度､極真会館館長の松井章圭氏と会食する時に､私のﾒﾝﾂを立ててもらい3回に1度は支払いをするくらいである｡
とにかく夢現舎は接待費が極めて少ないと顧問会計士によく言われる｡だから､せめて私のﾀｸｼｰ通勤だけはﾊﾟｰﾄﾅｰから特別にお目溢しをお願いしている｡
ところでこの約20年､私はﾀｸｼｰに乗っておよそ不愉快な思いをした事がない｡海外では､特に韓国･台湾･ﾀｲ､更にｸﾞｱﾑでも必ずﾀｸｼｰのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰとtroubleになる｡ﾔﾂらは運転は荒いし舐め切った態度で水増し料金を要求する｡そんな時､私は拙い英語混じりの日本語で大声で怒鳴りまくる｡時には腕力でｹｼﾞﾒをつける(最近はもっぱら倅の担当だが)｡それでｱｯという間に30$が10$に下がる｡
しかし日本ではまず変なﾄﾞﾗｲﾊﾞｰに当たった事はない｡記憶では1987年､ﾀｲ帰りのﾀｸｼｰで一悶着あったくらいだ｡この時は警察沙汰になり起訴寸前までいった｡
ただ埼玉､特に川口や蕨､南浦和辺りのﾀｸｼｰﾄﾞﾗｲﾊﾞｰのﾀﾁが悪い事は有名だ｡いつぞやはﾀｸｼｰに乗ろうとした倅のｶﾊﾞﾝが他の車に当たり傷が付いたから弁償しろと迫った｢逆当たり屋｣擬きのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰもいる｡まさに｢ｸﾓｽｹ｣もいいところだ｡
挙げ句にそのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは車から降りて私の前で倅の胸ぐらを掴もうとした…｡柔道も極真空手も黒帯の倅が如何に応じたか!? 自慢話をする気はないが､後は読者の想像にお任せする｡
そんな過去もあったから､私は埼玉県の都市でﾀｸｼｰを乗る際､troubleを防ぐ為にも最初にﾁｮｯﾋﾟﾘ脅しめいた言葉を投げ掛けて釘を刺しておく｡
だが今日､帰宅時に乗ったﾀｸｼｰﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは酷かった｡病み上りで疲れきった私はﾀｸｼｰに乗ると可能な限り分かりやすく道順を説明し､少しでも休みたかった｡だが池袋で乗りながら川越街道を知らないと言う｡丸井の横を東に進めば突き当たりが川越街道である｡それが分からないと悪びれず言う｡
ｶﾁﾝ! ときた｡
だが我慢して今度は｢熊野町交差点を右に願います｣と言うと､熊野町交差点を知らないと宣う｡仕方なく私が指示し､疲れからついｳﾄｳﾄした｡気が付いて｢ここはどの辺り?｣と訊いても分からないとまたｵｳﾑ返しだ｡挙げ句に｢外環を越えて直進してくれ｣と言っても｢埼玉は分からないので外環て何ですか?｣ときた｡
私は堪忍袋の緒が切れて声を荒げた｡
｢ｵﾏｴ新人かどうか分からんけんﾌﾟﾛやろ｡ｺｯﾁは疲れて少しでも寝たいんじゃ｡客のﾜｼがいちいち前を見続けて右だ左と指図せんといかんのかい!? ｱﾎか貴公､素人運転手にﾜｼは銭を払わんけんな｣
ﾄﾞﾗｲﾊﾞｰはｼｬｰｼｬｰと｢それは困ります｣｡結局､自宅に着くまで全て私が指図してやっと着いた｡仕事の疲れが倍増した感じだった｡私は｢銭を払わんとは言わんけん､直ぐにｵﾏｴの会社なり上司に電話せい｡文句の一言も言わんと腹が収まらんけんな｣と､いつしか広島弁というより芦原英幸弁になっていた｡
呆れた事に､真偽はともかくﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは｢電話もないし会社に連絡出来ない｣と居直る始末だ｡この時点で韓国や台湾､ｸﾞｱﾑのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰ相手にしたように運転席を後ろから蹴ろうか､それともﾄﾞﾗｲﾊﾞｰを引き摺り出しで頭突きでも入れてやろうかと思った｡
だが今の私はもう警察沙汰は御法度だ｡精一杯耐えた｡そして極めて冷静ながらも怒りを隠さずに言った｡
｢ﾎﾝﾅﾗ銭は一切払わんよ｡ええんかい!?｣
するとﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは一転して｢それで結構です｣と言ってﾒｰﾀｰをﾘｾｯﾄした｡じゃあ､と思い私は1円も払わずﾀｸｼｰを降りた｡決して｢得した｣とは思わなかった｡
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私はよくﾀｸｼｰを利用する｡仕事で都内を移動する時は殆どﾀｸｼｰに乗る｡お陰で乗り物酔いをし易い｢ﾊﾟｰﾄﾅｰ｣には随分迷惑を掛けてすまないと思っている｡
だが数年前から私は都内の駅の｢人間洪水｣を受け付けない体になってしまった｡人がｳｼﾞｬｳｼﾞｬいると｢人酔い｣をしてしまうのだ｡
決して銭に余裕があるとか見栄ではない｡仕方なくﾀｸｼｰを利用しているというのが実際である｡
出社も帰宅もﾀｸｼｰに乗る｡この不景気である｡会社の財政状態が良くない事はﾊﾟｰﾄﾅｰから聞かされているのだが､私は｢自分がﾀｸｼｰに乗る銭にも苦労するようになったら会社は終わりだ｣と思っている｡
夢現舎は､私が酒を好まない理由もあるし､｢日本式｣の接待商売を好まない理由もあるのだが､およそｸﾗｲｱﾝﾄや外注さんへの｢接待｣というものをした事がない｡せいぜい2ｶ月に1度､極真会館館長の松井章圭氏と会食する時に､私のﾒﾝﾂを立ててもらい3回に1度は支払いをするくらいである｡
とにかく夢現舎は接待費が極めて少ないと顧問会計士によく言われる｡だから､せめて私のﾀｸｼｰ通勤だけはﾊﾟｰﾄﾅｰから特別にお目溢しをお願いしている｡
ところでこの約20年､私はﾀｸｼｰに乗っておよそ不愉快な思いをした事がない｡海外では､特に韓国･台湾･ﾀｲ､更にｸﾞｱﾑでも必ずﾀｸｼｰのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰとtroubleになる｡ﾔﾂらは運転は荒いし舐め切った態度で水増し料金を要求する｡そんな時､私は拙い英語混じりの日本語で大声で怒鳴りまくる｡時には腕力でｹｼﾞﾒをつける(最近はもっぱら倅の担当だが)｡それでｱｯという間に30$が10$に下がる｡
しかし日本ではまず変なﾄﾞﾗｲﾊﾞｰに当たった事はない｡記憶では1987年､ﾀｲ帰りのﾀｸｼｰで一悶着あったくらいだ｡この時は警察沙汰になり起訴寸前までいった｡
ただ埼玉､特に川口や蕨､南浦和辺りのﾀｸｼｰﾄﾞﾗｲﾊﾞｰのﾀﾁが悪い事は有名だ｡いつぞやはﾀｸｼｰに乗ろうとした倅のｶﾊﾞﾝが他の車に当たり傷が付いたから弁償しろと迫った｢逆当たり屋｣擬きのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰもいる｡まさに｢ｸﾓｽｹ｣もいいところだ｡
挙げ句にそのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは車から降りて私の前で倅の胸ぐらを掴もうとした…｡柔道も極真空手も黒帯の倅が如何に応じたか!? 自慢話をする気はないが､後は読者の想像にお任せする｡
そんな過去もあったから､私は埼玉県の都市でﾀｸｼｰを乗る際､troubleを防ぐ為にも最初にﾁｮｯﾋﾟﾘ脅しめいた言葉を投げ掛けて釘を刺しておく｡
だが今日､帰宅時に乗ったﾀｸｼｰﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは酷かった｡病み上りで疲れきった私はﾀｸｼｰに乗ると可能な限り分かりやすく道順を説明し､少しでも休みたかった｡だが池袋で乗りながら川越街道を知らないと言う｡丸井の横を東に進めば突き当たりが川越街道である｡それが分からないと悪びれず言う｡
ｶﾁﾝ! ときた｡
だが我慢して今度は｢熊野町交差点を右に願います｣と言うと､熊野町交差点を知らないと宣う｡仕方なく私が指示し､疲れからついｳﾄｳﾄした｡気が付いて｢ここはどの辺り?｣と訊いても分からないとまたｵｳﾑ返しだ｡挙げ句に｢外環を越えて直進してくれ｣と言っても｢埼玉は分からないので外環て何ですか?｣ときた｡
私は堪忍袋の緒が切れて声を荒げた｡
｢ｵﾏｴ新人かどうか分からんけんﾌﾟﾛやろ｡ｺｯﾁは疲れて少しでも寝たいんじゃ｡客のﾜｼがいちいち前を見続けて右だ左と指図せんといかんのかい!? ｱﾎか貴公､素人運転手にﾜｼは銭を払わんけんな｣
ﾄﾞﾗｲﾊﾞｰはｼｬｰｼｬｰと｢それは困ります｣｡結局､自宅に着くまで全て私が指図してやっと着いた｡仕事の疲れが倍増した感じだった｡私は｢銭を払わんとは言わんけん､直ぐにｵﾏｴの会社なり上司に電話せい｡文句の一言も言わんと腹が収まらんけんな｣と､いつしか広島弁というより芦原英幸弁になっていた｡
呆れた事に､真偽はともかくﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは｢電話もないし会社に連絡出来ない｣と居直る始末だ｡この時点で韓国や台湾､ｸﾞｱﾑのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰ相手にしたように運転席を後ろから蹴ろうか､それともﾄﾞﾗｲﾊﾞｰを引き摺り出しで頭突きでも入れてやろうかと思った｡
だが今の私はもう警察沙汰は御法度だ｡精一杯耐えた｡そして極めて冷静ながらも怒りを隠さずに言った｡
｢ﾎﾝﾅﾗ銭は一切払わんよ｡ええんかい!?｣
するとﾄﾞﾗｲﾊﾞｰは一転して｢それで結構です｣と言ってﾒｰﾀｰをﾘｾｯﾄした｡じゃあ､と思い私は1円も払わずﾀｸｼｰを降りた｡決して｢得した｣とは思わなかった｡
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2009.06.25
【告知】ちょっとした駄文を開始します!!
Blogを休眠して以来､多くの読者･ﾌｧﾝからｺﾗﾑの再開を要望する声が届いてきました｡
私の代わりに倅がBlogを始め､1日のaccessが何と1500という…たった2つのｶﾞｷの雑文で1500名がaccess(Livedoorの場合は端末計算)だって!? 既に私の半分近いaccess､否最近Blogの更新がない私に迫る数字ではないのか!!
せめて近況だけでもBlogに載せて欲しい…そんな声に応えるｶﾀﾁで､今後可能な限り短い小話･雑話､というより駄文でも書いていこうと思います｡
また以前予告した格技研究家･宮田玲欧氏から寄せられたｺﾗﾑも多忙云々を理由にまだ掲載していません｡宮田さんの叱咤が聞こえるようです｡これらもしっかり筋を通す所存です｡宮田さん､ｺﾞﾒﾝ!!
とはいえ､実際に最近の私は多忙を極め､ﾋﾞｼﾞﾈｽ上のtroubleによる波状攻撃に晒され､また腹が立つ事も多くて多くてｳﾝｻﾞﾘの毎日を送っております｡体調も崩し､つい先日は｢死｣をも覚悟した程です｡
しかし､どうやら私は｢悪魔｣か｢鬼神｣にでも守られているようで､絶望の淵から何とか甦る事が出来ました｡
そんな訳で…､気分次第に任せて下されば嬉しい限りです｡併せて倅のBlogも宜しくお願いいたします｡
2009.06.17
【お知らせ】超多忙につき暫く｢休眠｣するかも…
急激に公私ともに多忙になって参りました｡
｢大山倍達の遺言｣は佳境にあります｡その他､とてもBlogどころではない程に忙しい日々です｡ですから暫くの間､BlogもPROFILEも休眠させて下さい｡
兄弟版Blogは倅が準備中｡近々､新装開店します｡お楽しみに!!
…と言いながら､また今日･明日にでも新ｺﾗﾑを掲載するかも(^-^ゞ
日々のcheckをﾖﾛｼｸ!!
※尚､私への質問や感想などの電話は受け付けています｡ご自身の身分を明確に､紳士的なお電話には快くお迎え致します｡
｢大山倍達の遺言｣は佳境にあります｡その他､とてもBlogどころではない程に忙しい日々です｡ですから暫くの間､BlogもPROFILEも休眠させて下さい｡
兄弟版Blogは倅が準備中｡近々､新装開店します｡お楽しみに!!
…と言いながら､また今日･明日にでも新ｺﾗﾑを掲載するかも(^-^ゞ
日々のcheckをﾖﾛｼｸ!!
※尚､私への質問や感想などの電話は受け付けています｡ご自身の身分を明確に､紳士的なお電話には快くお迎え致します｡
【再掲載】｢野獣死すべし｣のように…戦士の休日
私は決して強い人間ではありません｡どこにでもいるただの弱い男です｡
何か突然､大きなﾄﾗﾌﾞﾙやｱｸｼﾃﾞﾝﾄに襲われた時､私はまずﾊﾟﾆｯｸに陥ります｡精一杯平静を装いながら､内心では洞穴にでも隠れたいほどの逃避衝動に駆られます｡それが第1段階です｡
第2段階はﾄｺﾄﾝ落ち込みます｡鬱(不安神経症)にでもなったかのように独りﾄﾞﾛｯﾌﾟするのです｡それを一昼夜耐え続けなくてはなりません｡
すると…､突然のように猛烈な怒りが湧き上がってきます｡これが第3段階です｡ただ､この怒りに任せて行動すると､大抵は失敗します｡過去の私の敗北の殆どが､この怒りに任せた行動が原因でした｡時に暴力事件に発展し､警察沙汰になって所轄に連行される事態にまで発展してしまいます｡
ですから､自らが行動するまでは､第4段階の意識変化まで待たねばなりません｡
燃え盛る怒りを心に溜め込みながら､精神力と冷静な論理的判断力を呼び戻します｡そして戦略と戦術が明確になるまで静かに時を待つのです｡こうして<覚悟>が宿り､私は完全に<居直り>ます｡
そうなったら何も怖いものがなくなります｡冷酷なまでに冴えた頭と飽和に達した怒りを胸に､卑怯なまでに緻密で徹底した反撃がやっと可能になります…｡
つまり､私がﾄﾗﾌﾞﾙやｱｸｼﾃﾞﾝﾄに際して<覚悟>を持つ為には4段階の心の変化を待たねばならないのです｡でも､そんな時の私は<無敵>です｡
力なき正義は無能なり…
結局､<正義>だ何だと騒いでみても､勝たなくては全く意味はありません｡自分にとって大切な人間や自らの尊厳は命を盾にしてでも守ります｡
しかし､凡人の私と違い極真会館館長の松井章圭は､一瞬で<覚悟>を決める超人的な精神力と胆力を有しています｡だから私は松井章圭には絶対に勝てないと諦めています｡
かといって､命を賭けて戦う覚悟を持つ…｡そんな生き方が決して格好いいとか｢男｣だなんて思いません｡そんなﾋﾛｲｽﾞﾑに浸ってなどいたら､足元を掬われてしまいます｡
先日も極真会館館長の松井章圭と会食しました｡私は松井に言いました｡
｢たとえ敵が100人揃い､ﾀﾞﾝﾋﾞﾗを振りかざしていても､松井さんは､守るものの為に彼らに向かっていくでしょう｡殺されるのが分かっていても､4､5人は道連れにして死ぬ｡そんな覚悟が松井章圭にはあるんです｣
松井は｢どうでしょうかねえ…｣と笑みを浮かべるだけでしたが､決して否定はしませんでした｡
松井は<偽悪者>であり､決して自分を作るようなﾊｯﾀﾘ屋ではありません｡しかし<偽悪者>として生きられるという事は､余程の度胸と自信がなければなりません｡だからこそ命を賭ける覚悟があるのです｡私はそんな､何事にも臆さずに戦う意志と術を持った松井が眩しく見えました｡
私も松井章圭に負けない! 絶対に物書きとして大きくなる! かつて私を見下したﾁﾝｹな2流3流の活字ﾒﾃﾞｨｱの連中をみんなひれ伏しさせてやる! ｱｲﾂら全員､頭を下げて｢ｳﾁの為に本を書いてください｣と言わせてみせる!
私はいつか必ず｢ﾒｼﾞｬｰ｣の世界に杭を打ち込みます｡今の私には､心から応援してくれる<生涯の絆>を誓い合った｢兄弟｣たちがいてくれます｡まさに百人力の応援団です｡
怒りが､怒りが…､冷徹で緻密な怒りが! 怒りこそが最大のｴﾈﾙｷﾞｰ源なのです｡
大藪春彦の｢野獣死すべし｣が私の物書きとしての､更には人生の原点であり聖書でもあります｡なかの一節を紹介します｡この文章には､私の様々な想いが抽象化されながら散りばめられています｡
(前略)弱い弱い男と女が一緒になって､慎ましい家庭の幸福を築く｡これが人生の最高の逸楽であり安らぎかもしれぬ｡しかし今の彼には破壊者とはなれても建設者とはなれぬのだ｡
少なくとも､これから先､己の内にくすぶる凶暴な自我にはけ口を見いだし己れの才能と死を賭けて､現世の苦楽を味わい尽くしてしまうまでは｡
ときがきたら､可愛い足の指を折らねば十から上を数えられぬほどの､楚々たる無垢の少女を妻として､そのあどけない海の泡を現世の女神､生きた美神にまで育て上げるのだ｡
(中略)出来る奴の周りに街娼のごとく群がる女たち｡馬鹿踊りを踊り続ける仮面の下からのぞく､ひやりとする冷酷なｴｺﾞｲｽﾞﾑ､こずるさ｡みじめな頭には､ｹﾁ臭い夢が相応しい｡
彼の頭脳はまだ把握力を失っていない…
H･OYABU
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何か突然､大きなﾄﾗﾌﾞﾙやｱｸｼﾃﾞﾝﾄに襲われた時､私はまずﾊﾟﾆｯｸに陥ります｡精一杯平静を装いながら､内心では洞穴にでも隠れたいほどの逃避衝動に駆られます｡それが第1段階です｡
第2段階はﾄｺﾄﾝ落ち込みます｡鬱(不安神経症)にでもなったかのように独りﾄﾞﾛｯﾌﾟするのです｡それを一昼夜耐え続けなくてはなりません｡
すると…､突然のように猛烈な怒りが湧き上がってきます｡これが第3段階です｡ただ､この怒りに任せて行動すると､大抵は失敗します｡過去の私の敗北の殆どが､この怒りに任せた行動が原因でした｡時に暴力事件に発展し､警察沙汰になって所轄に連行される事態にまで発展してしまいます｡
ですから､自らが行動するまでは､第4段階の意識変化まで待たねばなりません｡
燃え盛る怒りを心に溜め込みながら､精神力と冷静な論理的判断力を呼び戻します｡そして戦略と戦術が明確になるまで静かに時を待つのです｡こうして<覚悟>が宿り､私は完全に<居直り>ます｡
そうなったら何も怖いものがなくなります｡冷酷なまでに冴えた頭と飽和に達した怒りを胸に､卑怯なまでに緻密で徹底した反撃がやっと可能になります…｡
つまり､私がﾄﾗﾌﾞﾙやｱｸｼﾃﾞﾝﾄに際して<覚悟>を持つ為には4段階の心の変化を待たねばならないのです｡でも､そんな時の私は<無敵>です｡
力なき正義は無能なり…
結局､<正義>だ何だと騒いでみても､勝たなくては全く意味はありません｡自分にとって大切な人間や自らの尊厳は命を盾にしてでも守ります｡
しかし､凡人の私と違い極真会館館長の松井章圭は､一瞬で<覚悟>を決める超人的な精神力と胆力を有しています｡だから私は松井章圭には絶対に勝てないと諦めています｡
かといって､命を賭けて戦う覚悟を持つ…｡そんな生き方が決して格好いいとか｢男｣だなんて思いません｡そんなﾋﾛｲｽﾞﾑに浸ってなどいたら､足元を掬われてしまいます｡
先日も極真会館館長の松井章圭と会食しました｡私は松井に言いました｡
｢たとえ敵が100人揃い､ﾀﾞﾝﾋﾞﾗを振りかざしていても､松井さんは､守るものの為に彼らに向かっていくでしょう｡殺されるのが分かっていても､4､5人は道連れにして死ぬ｡そんな覚悟が松井章圭にはあるんです｣
松井は｢どうでしょうかねえ…｣と笑みを浮かべるだけでしたが､決して否定はしませんでした｡
松井は<偽悪者>であり､決して自分を作るようなﾊｯﾀﾘ屋ではありません｡しかし<偽悪者>として生きられるという事は､余程の度胸と自信がなければなりません｡だからこそ命を賭ける覚悟があるのです｡私はそんな､何事にも臆さずに戦う意志と術を持った松井が眩しく見えました｡
私も松井章圭に負けない! 絶対に物書きとして大きくなる! かつて私を見下したﾁﾝｹな2流3流の活字ﾒﾃﾞｨｱの連中をみんなひれ伏しさせてやる! ｱｲﾂら全員､頭を下げて｢ｳﾁの為に本を書いてください｣と言わせてみせる!
私はいつか必ず｢ﾒｼﾞｬｰ｣の世界に杭を打ち込みます｡今の私には､心から応援してくれる<生涯の絆>を誓い合った｢兄弟｣たちがいてくれます｡まさに百人力の応援団です｡
怒りが､怒りが…､冷徹で緻密な怒りが! 怒りこそが最大のｴﾈﾙｷﾞｰ源なのです｡
大藪春彦の｢野獣死すべし｣が私の物書きとしての､更には人生の原点であり聖書でもあります｡なかの一節を紹介します｡この文章には､私の様々な想いが抽象化されながら散りばめられています｡
(前略)弱い弱い男と女が一緒になって､慎ましい家庭の幸福を築く｡これが人生の最高の逸楽であり安らぎかもしれぬ｡しかし今の彼には破壊者とはなれても建設者とはなれぬのだ｡
少なくとも､これから先､己の内にくすぶる凶暴な自我にはけ口を見いだし己れの才能と死を賭けて､現世の苦楽を味わい尽くしてしまうまでは｡
ときがきたら､可愛い足の指を折らねば十から上を数えられぬほどの､楚々たる無垢の少女を妻として､そのあどけない海の泡を現世の女神､生きた美神にまで育て上げるのだ｡
(中略)出来る奴の周りに街娼のごとく群がる女たち｡馬鹿踊りを踊り続ける仮面の下からのぞく､ひやりとする冷酷なｴｺﾞｲｽﾞﾑ､こずるさ｡みじめな頭には､ｹﾁ臭い夢が相応しい｡
彼の頭脳はまだ把握力を失っていない…
H･OYABU
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2009.06.14
【ﾌﾞﾛｸﾞ｢THE DAIMAJIN｣から引越しました】�π罎�ﾃﾞﾋﾞｭｰ戦､初優勝!!
09/3/17
倅のﾃﾞﾋﾞｭｰ戦…初優勝
(初めての夏合宿｡とても気に入っている写真です)
3歳の幼稚園児で極真会館に入門した倅は､とにかく泣き虫でした｡
浅草松井道場ではいつも泣いていたものです｡初めての昇級審査会の組手でも歳上の男の子の跳び蹴りに怯んで泣き出してしまいました｡そんな倅を現･極真会館館長の松井章圭氏は｢男の子は泣いたら負け! 最後まで諦めちゃいけないよ｣と優しく叱咤してくれました｡
総本部の夏合宿でもすぐに泣く倅に､大山倍達総裁は｢泣いたら負けなんだよ｣と松井館長と同じ言葉をかけながら抱き上げてくれました｡そんな倅を肩車したり背負ったりしながらいつも可愛がってくれたのが横溝玄象師範でした｡あれ以来､横溝師範は倅を常に可愛がり､今では私たちの｢極めて心強い｣後見人です｡
また幼い時から倅の憧れの存在だった黒澤浩樹氏は､なんと城西移籍後の殆どの倅が受ける審査会に駆けつけ､後の全日本少年大会ではｾｺﾝﾄﾞまで務めてくれました｡黒澤氏はずっと倅の熱い｢目標｣だったのです｡
小学校に入学前後､引っ越しをした関係で倅は浅草道場から城西国分寺道場に移籍しました｡泣き虫の倅を一生懸命に育ててくれたのが江口芳治支部長であり､奥様の美幸さんです｡
小2の秋､1995年の事でした｡江口支部長は倅を城西系道場主催の少年大会に出場させました｡あの泣き虫の倅にはまだまだ時期尚早と私は思いましたが､道場に預けた以上､全ては支部長に任せる主義の私は内心不安ながら､江口支部長の提案に従いました｡
ところが､試合になると倅は幼稚園児の頃の泣き虫を返上し､親の私が驚くほどの闘志で一本勝ちを重ねていきました｡ついには優勝までしてしまったのです｡
これは何よりも江口支部長と美幸さんのお陰です｡同時に松井章圭館長をはじめ､神尾指導員､大山総裁､横溝師範､黒澤氏…､倅を可愛がってくれた皆様のお陰でもあります｡
今では大山総裁も亡く､何もかも懐かしい思い出です｡
大山総裁…｡
大志は相変わらず極真会館の空手着を着て頑張っていますよ｡いつか全日本の檜舞台に立つ事を夢見て毎日精一杯稽古しています｡お陰で大学2年にして既に倅の大学留年(2年間)は確定しました｡先日も松井館長と食事中に倅は叱られました｡
｢大志君! 空手もいいけど勉強もちゃんとやらなくてはいけないじゃないか!!｣
倅は恐縮して頭を垂れていましたが､そう言いながら松井館長は横目で私を見てﾆﾔｯと笑っていました｡松井館長もきっと昔の自分自身を思い出していたに違いありません｡
今､改めて倅と暖かい眼差しで接して下さった方々に感謝いたします｡
(初めてもらったﾄﾛﾌｨｰを持って江口支部長と)
(赤いﾍｯﾄﾞｶﾞｰﾄﾞが倅です｡)
倅のﾃﾞﾋﾞｭｰ戦…初優勝
(初めての夏合宿｡とても気に入っている写真です)
3歳の幼稚園児で極真会館に入門した倅は､とにかく泣き虫でした｡
浅草松井道場ではいつも泣いていたものです｡初めての昇級審査会の組手でも歳上の男の子の跳び蹴りに怯んで泣き出してしまいました｡そんな倅を現･極真会館館長の松井章圭氏は｢男の子は泣いたら負け! 最後まで諦めちゃいけないよ｣と優しく叱咤してくれました｡
総本部の夏合宿でもすぐに泣く倅に､大山倍達総裁は｢泣いたら負けなんだよ｣と松井館長と同じ言葉をかけながら抱き上げてくれました｡そんな倅を肩車したり背負ったりしながらいつも可愛がってくれたのが横溝玄象師範でした｡あれ以来､横溝師範は倅を常に可愛がり､今では私たちの｢極めて心強い｣後見人です｡
また幼い時から倅の憧れの存在だった黒澤浩樹氏は､なんと城西移籍後の殆どの倅が受ける審査会に駆けつけ､後の全日本少年大会ではｾｺﾝﾄﾞまで務めてくれました｡黒澤氏はずっと倅の熱い｢目標｣だったのです｡
小学校に入学前後､引っ越しをした関係で倅は浅草道場から城西国分寺道場に移籍しました｡泣き虫の倅を一生懸命に育ててくれたのが江口芳治支部長であり､奥様の美幸さんです｡
小2の秋､1995年の事でした｡江口支部長は倅を城西系道場主催の少年大会に出場させました｡あの泣き虫の倅にはまだまだ時期尚早と私は思いましたが､道場に預けた以上､全ては支部長に任せる主義の私は内心不安ながら､江口支部長の提案に従いました｡
ところが､試合になると倅は幼稚園児の頃の泣き虫を返上し､親の私が驚くほどの闘志で一本勝ちを重ねていきました｡ついには優勝までしてしまったのです｡
これは何よりも江口支部長と美幸さんのお陰です｡同時に松井章圭館長をはじめ､神尾指導員､大山総裁､横溝師範､黒澤氏…､倅を可愛がってくれた皆様のお陰でもあります｡
今では大山総裁も亡く､何もかも懐かしい思い出です｡
大山総裁…｡
大志は相変わらず極真会館の空手着を着て頑張っていますよ｡いつか全日本の檜舞台に立つ事を夢見て毎日精一杯稽古しています｡お陰で大学2年にして既に倅の大学留年(2年間)は確定しました｡先日も松井館長と食事中に倅は叱られました｡
｢大志君! 空手もいいけど勉強もちゃんとやらなくてはいけないじゃないか!!｣
倅は恐縮して頭を垂れていましたが､そう言いながら松井館長は横目で私を見てﾆﾔｯと笑っていました｡松井館長もきっと昔の自分自身を思い出していたに違いありません｡
今､改めて倅と暖かい眼差しで接して下さった方々に感謝いたします｡
(初めてもらったﾄﾛﾌｨｰを持って江口支部長と)
(赤いﾍｯﾄﾞｶﾞｰﾄﾞが倅です｡)
【ﾌﾞﾛｸﾞ｢THE DAIMAJIN｣から引越しました】��ｵｲﾗのお袋
09/2/25
ｵｲﾗのお袋
私のお袋は､<博徒>で年がら年中､博打三昧の親父に代わってずっと一家の家計を切り盛りしてきた働き者です｡
高校3年間､いつも深夜まで受験勉強をしていた私に毎晩欠かさず夜食を作ってくれました｡夜､12時の時報が鳴るとお袋はお盆に夜食を乗せて私の部屋にやってくるのが習慣でした｡
育ち盛りだからといって､いつも夜食はﾎﾞﾘｭｰﾑ満点､栄養たっぷりの手作り料理でした｡即席ﾗｰﾒﾝも､肉と野菜を炒め､餡掛け状になったﾔﾂをてんこ盛り､わざわざ夜中にﾄﾝｶﾂを揚げて熱々の大盛ｶﾂ丼､甘辛い油揚げや竹輪の天麩羅と玉子が入った鍋焼きｳﾄﾞﾝ…｡
私が勉強を再開する12時半まで､夜食を食べながら雑談に花を咲かせたものです｡この30分が当時の私にとってかけがえのない癒しの時間でした｡
いつも深夜1時過ぎまで家事をしたり賭場に酒やﾂﾏﾐを出したり､翌朝､私が7時に起きると､数時間前まで賭場だった居間を綺麗にﾁﾘひとつなく掃除を済ませ､毎日ﾒﾆｭｰの異なる朝食が食卓の上に並んでいました｡だから私は上京するまで朝食抜きの生活をした事はありません｡
｢いったい､お袋はいつ寝てるんだろう!?｣
昼間は工場で働き､夜は夜で小料理屋を自分で経営したり､たまにはｻｲｺﾛ振ったり…｡賭場に集まるﾔｸｻﾞやﾁﾝﾋﾟﾗもお袋には頭が上がりませんでした｡
あまりに働き過ぎて一時はﾘｳﾏﾁ(膠原病)になり入院したくらいです｡しかし､気が付いてみると自力で(勿論､医師の治療を受けて薬を服用していましたが)完治させて､また働いて働いて…｡
親父と一回り以上年下のお袋ですが､さすがに仕事だけは引退しました｡
ところが今度は｢趣味｣に燃える毎日です｡<歩け歩け会>に入り､月に1度はｳｫｰｷﾝｸﾞ旅行に出掛けています｡あの音痴のお袋が<民謡会>に入会して…昨年は関東大会で入賞してしまいました｡そうかといえば､大正琴も習っていてｺﾝｸｰﾙでﾒﾀﾞﾙをもらい､先日は書道4段を取得したと電話がありました｡書道を始めて3年にもかかわらずです｡
年に1回は友人と海外旅行に出掛け､大型ﾊﾞｲｸを乗り回しています｡ﾊﾞｲｸも車も免許を取ったのは40歳を過ぎてからです｡
私も倅もお袋が大好きです｡
とにかくお袋の手料理が食べたいのです!! 決して豪華な料理ではありませんが､ｷｭｳﾘやﾅｽのお新香と味噌汁だけでも抜群に美味いのです｡特に私たち親子の好物が甘い玉子焼きと筑前煮です｡筑前煮というより野菜と肉のｺﾞｯﾀ煮なんですが､私たちには絶品です｡
本当は毎月でも帰省したいのですが､私は故郷には良い思い出がありません｡昔は周囲近所から<ﾔｸｻﾞの息子>と呼ばれ､今は<東京の物書きﾔｸｻﾞ>と呼ばれ…､まあ幼なじみで今はﾎﾝﾏﾓﾝで鳴らす梁川の<舎弟>ですから仕方がないのですが｡挙げ句に親父が80近い癖にいまだに煩い煩い｡お袋には会いたいけれど､正月にも帰らない生活です｡
たまにお袋が遊びに来ます｡すると必ず玉子焼きを作ってもらいます｡実家から持ってきたお新香と､またまたお袋の味･豆腐と油揚げの味噌汁…最高のご馳走です｡
お袋だけには一生かけても感謝しきれない大恩があるのです｡もし､お袋がいなかったならば私は間違いなく本当のﾔｸｻﾞになって､今頃はﾔｯﾊﾟで刺されて死んでいたでしょう｡
お袋の話をし始めたらｷﾘがありません｡最高に出来た<母親>である事は言うまでもありません｡
お袋､いつまでも元気で､元気で､とりあえず元気で!
(ﾊｰﾚｰﾀﾞﾋﾞｯﾄｿﾝがお袋愛用のﾊﾞｲｸです)
(先日､お袋が遊びに来た時に作ってくれた玉子焼きと筑前煮です｡この玉子焼きの焦げ具合が香ばしくて最高なんです)
ｵｲﾗのお袋
私のお袋は､<博徒>で年がら年中､博打三昧の親父に代わってずっと一家の家計を切り盛りしてきた働き者です｡
高校3年間､いつも深夜まで受験勉強をしていた私に毎晩欠かさず夜食を作ってくれました｡夜､12時の時報が鳴るとお袋はお盆に夜食を乗せて私の部屋にやってくるのが習慣でした｡
育ち盛りだからといって､いつも夜食はﾎﾞﾘｭｰﾑ満点､栄養たっぷりの手作り料理でした｡即席ﾗｰﾒﾝも､肉と野菜を炒め､餡掛け状になったﾔﾂをてんこ盛り､わざわざ夜中にﾄﾝｶﾂを揚げて熱々の大盛ｶﾂ丼､甘辛い油揚げや竹輪の天麩羅と玉子が入った鍋焼きｳﾄﾞﾝ…｡
私が勉強を再開する12時半まで､夜食を食べながら雑談に花を咲かせたものです｡この30分が当時の私にとってかけがえのない癒しの時間でした｡
いつも深夜1時過ぎまで家事をしたり賭場に酒やﾂﾏﾐを出したり､翌朝､私が7時に起きると､数時間前まで賭場だった居間を綺麗にﾁﾘひとつなく掃除を済ませ､毎日ﾒﾆｭｰの異なる朝食が食卓の上に並んでいました｡だから私は上京するまで朝食抜きの生活をした事はありません｡
｢いったい､お袋はいつ寝てるんだろう!?｣
昼間は工場で働き､夜は夜で小料理屋を自分で経営したり､たまにはｻｲｺﾛ振ったり…｡賭場に集まるﾔｸｻﾞやﾁﾝﾋﾟﾗもお袋には頭が上がりませんでした｡
あまりに働き過ぎて一時はﾘｳﾏﾁ(膠原病)になり入院したくらいです｡しかし､気が付いてみると自力で(勿論､医師の治療を受けて薬を服用していましたが)完治させて､また働いて働いて…｡
親父と一回り以上年下のお袋ですが､さすがに仕事だけは引退しました｡
ところが今度は｢趣味｣に燃える毎日です｡<歩け歩け会>に入り､月に1度はｳｫｰｷﾝｸﾞ旅行に出掛けています｡あの音痴のお袋が<民謡会>に入会して…昨年は関東大会で入賞してしまいました｡そうかといえば､大正琴も習っていてｺﾝｸｰﾙでﾒﾀﾞﾙをもらい､先日は書道4段を取得したと電話がありました｡書道を始めて3年にもかかわらずです｡
年に1回は友人と海外旅行に出掛け､大型ﾊﾞｲｸを乗り回しています｡ﾊﾞｲｸも車も免許を取ったのは40歳を過ぎてからです｡
私も倅もお袋が大好きです｡
とにかくお袋の手料理が食べたいのです!! 決して豪華な料理ではありませんが､ｷｭｳﾘやﾅｽのお新香と味噌汁だけでも抜群に美味いのです｡特に私たち親子の好物が甘い玉子焼きと筑前煮です｡筑前煮というより野菜と肉のｺﾞｯﾀ煮なんですが､私たちには絶品です｡
本当は毎月でも帰省したいのですが､私は故郷には良い思い出がありません｡昔は周囲近所から<ﾔｸｻﾞの息子>と呼ばれ､今は<東京の物書きﾔｸｻﾞ>と呼ばれ…､まあ幼なじみで今はﾎﾝﾏﾓﾝで鳴らす梁川の<舎弟>ですから仕方がないのですが｡挙げ句に親父が80近い癖にいまだに煩い煩い｡お袋には会いたいけれど､正月にも帰らない生活です｡
たまにお袋が遊びに来ます｡すると必ず玉子焼きを作ってもらいます｡実家から持ってきたお新香と､またまたお袋の味･豆腐と油揚げの味噌汁…最高のご馳走です｡
お袋だけには一生かけても感謝しきれない大恩があるのです｡もし､お袋がいなかったならば私は間違いなく本当のﾔｸｻﾞになって､今頃はﾔｯﾊﾟで刺されて死んでいたでしょう｡
お袋の話をし始めたらｷﾘがありません｡最高に出来た<母親>である事は言うまでもありません｡
お袋､いつまでも元気で､元気で､とりあえず元気で!
(ﾊｰﾚｰﾀﾞﾋﾞｯﾄｿﾝがお袋愛用のﾊﾞｲｸです)
(先日､お袋が遊びに来た時に作ってくれた玉子焼きと筑前煮です｡この玉子焼きの焦げ具合が香ばしくて最高なんです)