社会から孤立した若者を支援するNPO法人「ニュースタート事務局」(千葉県浦安市)が訪問スタッフの名称「レンタルお姉さん」をポルノ映画に使われたことが不正競争防止法違反にあたるとして、近く上映の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てることを決めた。
「レンタルお姉さん・お兄さん」は家族の依頼でひきこもりなどの若者を訪ね、コミュニケーションを取りながら社会とつながる支援をする。名称は12年前から使われ、07年11月に商標登録。活動は書籍やテレビドラマでも紹介された。
映画は新日本映像(東京都文京区)が06年11月に製作した「レンタルお姉さん欲望家政婦」。男性に性的なサービスまで提供する家政婦を「レンタルお姉さん」と呼ぶ内容で、各地の映画館で順次上映されている。
同事務局代理人の石原正貴弁護士は「レンタルお姉さんは引きこもり支援の表示として広く認識されており、混同を招くような題名は不正競争に当たる。使命感を持って活動してきた若者たちは深く傷ついている」。新日本映像の稲山悌二社長は「映画は映倫に即して製作している。映倫と話し合い、見解を出したい」としている。【磯崎由美】
毎日新聞 2009年7月2日 東京朝刊