無差別に技術をついばむ鳥

情報処理技術全般を気まぐれにつつくゆるいブログです

中の人の徒然草164

最近先入観って怖いなって感じました。よく人は○○する筈がないだとかいいますが、こういった発言は自分が行動しないで言っている事が多く、行動していないのだからそういった体験をする筈がないという単純な事に気付いていなかったりします。そういった事を考えつつ この記事を読んでまつもと氏がこういった世間の先入観と戦っている姿を見て「ハッカーは社会もハックする」とつくづく思いました。それでこの記事の内容なのですが、まつもと氏がこういった当たり前の事を言わないといけない日本の情報産業は本当に駄目だなと思いました。ソフトウェアファクトリは作ってみればわかります。未熟な私ですらもう2・3年前に製品ジェネレーターを作って致命的な弱点がある事を発見しています。
日本の情報産業の駄目さはの原因はまつもと氏が仰るとおりで、ソフトウェアが職人芸だという事を理解していない愚か者達が多い事に起因しています。製品ジェネレータを実際作れば分かる事ですから、そういったソフトウェアを作れない人達が経営をしているのが問題の根源なのです。
それでソフトウェアファクトリーの致命的な弱点は何かといいますと機械は学習しない事です。一例を挙げますと、機械はジェネレートする言語のバージョンが上がっても分かりません。仮にRuby1.8のコードをジェネレートするとして、Ruby1.9がリリースされても機械はそれを知らず、Ruby1.8のコードをジェネレートし続けるのです。また、熟練の職人の思考をシミュレートできません。これは致命的な弱点で、製品ジェネレーターは必ず生みの親未満の知性しか持ちえません。学習しないのですからこれは当然の結果です。
とはいえ、一応いっておきますが考える製品ジェネレーターは実装可能です。まだ実装していませんが理論的には可能だと発明家としての私は分かっています。しかし課題は多く、仮に完璧に実装したところで、その機械が学習するべき対象である匠の存在が必須条件です。なので、考えが浅い人は人間が必要ないと言うでしょうが、産まれて直ぐ匠である人間なぞ存在せず、いくら天才でも経験がなければその才能が花開く事はないので、未来永劫システム開発は職人芸であり、人間が主役なのです。製品ジェネレーター系の製品は開発ソフトとして使用するのが一番賢いと私は思います。
それにしてもまつもと氏は凄い行動力をお持ちですね。私も速く社会をハックできる存在になりたいです。私はWAN規模まで一人で構築した事がありますが、先ほども言ったようにシステム開発は職人芸なので、動くと職人芸として優れているのとは違うのです。一応WAN規模のシステムを作る事は出来ても、機械語レベルから真に理解して開発するのと比べると、まだまだ完成には程遠いのです。 早く匠のレベルに達したいです。そしてRubyの様な素晴らしい作品を作って社会の役に立ちたいです。社会貢献する事こそが己が技術を磨く理由に他ならないのですから・・・

それはさて置き、システム開発で一番難しい部分は何だと思いますか?それは売買交渉です。人間が関わるところが一番難しいのです。そっちこそ合理的にして欲しいと思います。日本のシステムはあまりにも不備が多いので、安全にシステムが売買できるようにしてくれる方が助かります。何を言いたいのかといいますと、ソフトウェアファクトリよりもやるべき事が多いという事です。夢を見ていないで、現実を直視してやるべき事を先にやってから工業化などを世間は考えてもらいたいものです。 日本は足元がお留守です。ソフトウェアファクトリよりも法律ファクトリをして欲しいな(笑)日本の場合、正しい法律を作るスピードが遅すぎです!法律の生産力を上げ、確かな社会基盤を作る事を先に考えていただきたいものです。
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