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情報処理技術全般を気まぐれにつつくゆるいブログです

ネタつつき15−業務系システム構築に必要なスキル

今日はわんくま勉強会で参加したところ、ゲームプログラマの方が業務系システムの仕事を知りたがっていました。その時私は、業務系システム構築のお仕事について知りたがっている人が結構居るのではないかと思いましたので、この記事を書く事にしました。先に断っておきますが、私はシステム構築屋でしたのでいっぱい書きますが、会社勤めの人は自分の担当以外の知識はひとまず要求される事はありません。その辺は臨機応変に受け取ってください。
システム構築に必要なスキルを大別すると、情報処理技術全般会計/簿記エンドユーザーの業務の三つです。意外に思われる人も居るでしょうが、案外業務系システムは幅が広い知識が必要とされます。何故ならば、業務システムはクライアントサーバー型が基本ですし、データベースを使用しないシステムは今時ありません。それに昨今ではセキュリティ向上が求められていますので、セキュリティに関する知識も必要とされているからです。情報処理技術というくくりでは抽象的過ぎますので箇条書きすると次のスキルが必要とされます。


【業務システム構築に必要とされる情報処理技術】
  • ネットワーク・・・ネットワークの設計、TCP/IP、ネットワークプログラミング、無線LANの知識、各種プロトコルなどの知識が必要とされます。
  • データベース・・・データベースシステムの設計、各種RDMSの製品知識、SQL、などが必要とされます。特に正規化とトランザクションに関しては学習しておいた方がいいです。お客様と会話すると同時に脳裏で第三正規化出来る様になるまで鍛錬しましょう。
  • OS・・・OSがないと何のシステムも構築できませんので、サーバー系OSに関する知識が必要です。LinuxとWindowsの両方のサーバー関連機能、一般操作、カーネルなどの幅広い知識が要求されています。
  • プログラミング・・・実装が出来なくてはお話になりません。必須スキルです。出来れば、お客様とお話しするのと同時に頭に浮かぶぐらいで無いと駄目です。何故ならば、業務システムでは言葉を実装する力が大事だからです。言葉とコードを結びつける力が無いと勤まらないのです。
  • セキュリティ・・・実装面、設計面は勿論のこと、DBに特化した知識、ネットワークに特化した知識、プログラミング言語に特化した知識などの詳細な知識が要求されます。
  • システム管理技法・・・業務システムではこのスキルがかなり重要です。業務系システムはどちらかというとヒューマン系で苦労しがちなので、この手のスキルが無いプロジェクトマネージャが担当したプロジェクトは必ず破綻します。
  • 実践的な運用技術・・・運用を見据えてシステム構築をしなければなりませんので、ネットワーク管理、データベース管理、人員管理、障害時の対策などの幅広い管理/運用知識が必要です。この知識が無いと、クレームが殺到してどうにもならない状態になります。障害やクレームは必ず発生しますので、あらかじめ対策を練るのがベストです。


これらの広範囲かつ詳細な知識/技術が求められるわけは、365日24時間稼動が求められるからです。エンドユーザーの業務中にシステムが停止したら莫大な損害が生じますので、お客様は必ず求めてきます。ですから、このように広範囲の知識が要求されます。何故ならば、どれか一つの要素でも不備があるとシステムはストップしますし、何癖が付き物ですのでどの部分で障害がおきたか指摘する力が必要とされるからです。それが無いと、責任を全てなすつけられます。システム構築には関係者が複数居る事が大半ですので、自分に責任を擦り付けられないようにちゃんと技術を身につけましょう。今のところ、グラフィックプログラミングと人工知能は求められていませんが、ハードウェアの価格低下とBIシステムの為に必要とされる時がくるでしょう。
会計/簿記についてですが、この知識/スキルが要求されるわけは、経理面でシステムの価値が決まるからです。それに基幹システムの場合、殆どの場合会計システムが必要とされますので必要です。
最後にエンドユーザーの業務ですが、これは少々難しいです。何故ならば、先入観が邪魔だからです。個々のお客様の業務や要求は少しずつ違いますので、へんな先入観があると失敗します。ですから、浅く広くが無難です。とはいえ、昨今のビジネスの変化は激しいので毎回勉強しなくてはなりません。
これら三つは普通のスキルですが、実のところ第四スキルが必要とされます。それは、対人能力です。業務システム構築は結構いい加減にされているのが現状です。口約束が多く仕様変更も頻繁、おまけに日本の法律が追いついていない状態です。ですから、理不尽な出来事に対する回避能力と耐久力が必要です。日本の商慣習はシステム構築と合わず、その反動は一番弱いものに降りかかります。ですから、お客様の言葉や上司の言葉は全て記録するぐらいの慎重さが求められています。おそらく、ゲームプログラマの方や新卒の人などが業務システム構築をした時この理不尽さに驚くと思います。非常に人間臭く泥臭い現場です。世間が持っているイメージとは全くの逆なのです。
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