西日本新聞

佐世保市の辻産業とHTB 350人 大量離職 県北地域の雇用悪化進む恐れ 「経営者は責任果たせ」

2009年7月1日 02:56 カテゴリー:九州 > 長崎 経済
約250人規模の雇用調整が行われた佐世保市のハウステンボス

 佐世保市の船舶・舶用機器メーカー辻産業と大型リゾート施設ハウステンボス(HTB)が30日、経営再建策の一環として計350人規模の雇用調整を行った。佐世保公共職業安定所(ハローワーク)が発表した5月末の有効求人倍率は0.35倍で、10年ぶりに0.4倍を切った4月をさらに下回った。同所は「両社の大量離職で、今後さらなる低下が懸念される」としている。

 辻産業に約30年間勤めた50歳代後半の男性は4月下旬、「雇用開発室」への異動を告げられた。「要するに再就職活動をしろということです」

 パソコンや求人情報誌を設置しただけの雇用開発室には約100人が異動になった。20-40歳代の若手、中堅社員の姿もあった。「彼らは子どもや家のローンを抱えているから大変です」。辻産業で培ってきた技術を生かせる就職先は少ない。最終的に再就職せず、引退することを決めた。

 「状況はやっぱり厳しいですね…」。HTBを希望退職した40歳代後半の男性は同市松浦町の再就職支援センターで求人情報を見てため息をついた。

 HTB開業前の1991年に正社員として入社。商品開発や仕入れ担当として18年間勤めた。同社が雇用調整を伴う経営再建策を発表した直後の3月。「自分が思い描く組織の中に君の姿はない」。面談で、上司から言われた言葉が胸に突き刺さった。1カ月間迷ったが、「若い人が残って力を発揮すれば、再建できるかもしれない」と4月下旬に希望退職を決意した。

 5月中旬から週3回は再就職支援センターへ、1回はハローワークに通い、残りの時間は資格勉強に充てている。月約10万円の失業手当で生活をつなぎながら、今後も再就職活動を続けるつもりだ。

 2人の男性はともに「自分も大変だが、残る方も必死の思いで残っている」と語る。「だからこそ、経営者には責任を持って事業を再建してほしい。そして残った人の雇用が守られるのなら、自分が辞めた意味もあると思うんです」

=2009/07/01付 西日本新聞朝刊=

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