二〇〇八年八月、幼児売買を扱う衝撃的な映画が公開された。タイを舞台に、買春や臓器密売のために売られてゆく子どもたちを描いた『闇の子供たち』(原作は梁石日氏の同名小説)である。この映画は、少年少女が貧しさゆえに売春宿に売られ、欧米人や日本人の児童性愛者の玩具として“消費”されてゆく姿を生々しく描いている。エイズを発症して客をとれなくなった少女は、黒いごみ袋に入れられてごみ捨て場に廃棄される。ある少年は生きたまま心臓をとられて臓器移植のドナーにさせられる……。 現在、東南アジアを中心に世界で一〇〇万人以上の子どもが売春に従事させられている。成人男性の児童性愛者や同性愛者が、少女や少年を買うだけではない。大人の女性による少年への性的虐待行為も多発している。少年の性器に強力なホルモン剤を注入したうえで性行為を強要する例が急増しているのだ。一一〜一二歳の少年に五、六回そういう薬物を投与すると、死に至るケースもある。
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