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岐路の夏:09都議選 新銀行、築地移転、五輪招致…マニフェスト、党内事情濃淡アリ

 東京都議選(7月12日)に臨む各党は、都議選用のマニフェストや政策提言を発表している。各党とも雇用や環境政策の充実を掲げるが、都政最大の課題ともいえる新銀行東京の経営問題などについては言及していたりいなかったりと、ばらばらだ。都民の審判を前に分の悪いテーマを避けたい思惑ものぞく。

 各党で扱い方に差が出ているのは、新銀行東京▽築地市場の移転▽2016年夏季五輪招致--の問題だ。

 民主党のマニフェストは、築地市場の「強引な」移転と新銀行の存続に「NO」を掲げる。築地市場は「移転予定地から高濃度の汚染物質が検出されるなど、安全性が確認されていない」と指摘。新銀行は「(存続で)都民の税金が浪費される」と主張する。しかし五輪招致に関しては何も論じていない。

 自民党の政策提言は、五輪の実現を打ち出す。「経済発展、環境都市への生まれ変わり、地域と家庭の連帯を目指す政策」を実行し、魅力ある都市となった東京で五輪を開催する--とのストーリー展開だ。だが新銀行と築地市場には全く触れていない。

 都議会民主党は、新銀行の設立には賛成したものの、08年3月、400億円の追加出資を盛り込んだ補正予算案には反対した。五輪招致では大筋賛成の立場だが、会派内には反対意見も根強い。民主のある都議は「五輪については党の立場を明快に説明しにくい」と本音を漏らす。

 都議会自民党は公明とともに新銀行への追加出資に賛成した。五輪招致は賛成で会派内が一致している。自民都議は「新銀行の存続は決まったことだから、盛り込む必要はない」と説明した。

 共産党は政策集で新銀行の存続、築地市場の移転、五輪招致のすべてへの反対を明記。公明党と東京・生活者ネットワークの政策集には三つの問題についての記述はない。公明のベテラン都議は「選挙戦で取り上げるかどうかは候補者の判断」。ネットは「遊説や選挙公報でこれまでの主張を訴えていく」としている。【林哲平】

毎日新聞 2009年7月1日 東京夕刊

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