ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会 第十一回
何だか寝付けずに、手すさびに作業したら、一発ブツが出来てしまったので、それを肴にしつつ、今日も今日とてノベルゲームの為のDTMをおべんきょうしませう。
■シンプルなものほど……
曲がりなりにも一年くらい、それっぽいソフトを買って、効果音を作ったりループ素材を作ったり、ときたま曲らしきものを作ったりしていると、何となく「これは意外と出来そう」「これは難しい……」というような事が分かってきたりします。
まぁ、云ってみれば「割とすぐにソレっぽくなるジャンル」と「経験や知識がないと難しいジャンル」の二つに大きく分けられるのではないかと。
独断と偏見で考えてみると、どうも、「エレクトロ」な感じの曲は、割と形にし易い。
派手な感じのモノだったら、例の「四つ打ち」にやっぱり派手な感じのシンセでコードを付けてやれば、何かそれだけで一個のトラックが出来たような気になってしまいます。
勿論、知識のある人が作ったものと、そうでない人の作った「ソレっぽいモノ」は聞き比べてみると一目瞭然。明らかに別物なんですけれども、それでも、自己満足的に「を! イケルじゃん!」って思えるものは作り易い気がしますねぇ……。
私も過去に、似非エレクトロニカとかちょっと作ってみた事もありますよね。
例えば、「四つ打ち」みたいな、制作の為の取っかかりがあると、結構やりやすい。
一方で、最強に難しいと思われるのは、シンプルな曲です。
シンプルってのは、鼻歌とか、そういう事じゃなくて、使う楽器の構成がシンプルだったり、とそういう意味です。究極なのは「ピアノ曲」。こいつぁ、知識がないと難しいぜ。
落ち着いて考えてみれば、ピアノという楽器が如何に凄い楽器かって事なんですけれども、シンプルにピアノが鳴って、その上にヴォーカルを重ねるような曲、商業や同人を問わず、割と耳にするんじゃないでしょうか? 大抵、ちょっといい場面だったりで使われるヤツです。
別に歌モノじゃなくても、ピアノだけの曲ってのは、ノベルゲームのBGMでは、定番中の定番です。
さりげないちょっとお洒落な日常曲だったり、或いは不安をかき立てるような緊張感のある場面、はたまた涙を誘う感動的な場面……。殆ど全ての場面で、ピアノ曲というのは使用出来るわけです。
畏れ多くも「ノベルゲームの為のDTM」をやっていっているわけですから、難しいのは承知の上で、「ピアノだけ」で構成された曲にも挑まなければいけないのです!
いや、ホント、もっと真面目にピアノ習っておけば良かったよ……。今だったらきっと嬉々としてレッスンを受けるんでしょうけれども、当時、一桁台の年齢だった私はピアノの日が厭で厭でねぇ。何が厭って、ミスタッチで定規で手をはたかれたりする事だったりしたわけです。
兎も角、シンプルなピアノ曲は本当に「誤魔化し」が効かないという怖さがあります。
派手にシンセを重ねて、何となくソレっぽくなるものとは、この「誤魔化し可能かどうか」の部分が異なる訳ですな。或る意味で、エレクトロな音楽って、定型が無いというか、コードとメロが合っていなくても、それがリズムに合っていて、曲のアクセントになっていればそれはそれでOKだったりするので。。
で、随分前口上が長くなりましたが、出来上がったブツはこちら。
例によって、アドレスをコピーして直接ブラウザに貼り付けないと聴けなかったりします……。いやぁ、面倒掛けてスミマセン……。
珍しく、今回はタイトルが仮タイトルです。「長雨(仮)」という事で。ちなみに「ながあめ」ではありません。「ながめ」です。「我が身よにふるながめせしまに」の「ながめ」。
何か、所々ベロシティが変だったり、音がぶつかっていたり、変な音が入っていたりしますが、初稿(?)という事でご容赦下さいませ。その内……直す……と思います……。
■解説めいた何か
というわけで、どうやって作ったのか、とか、ピアノが弾ける人が見たら卒倒するような感じですけれども、解説めいたものを……。
今回は、何となく気分の問題で、最初は「レ・ファ・ラ」のコード、つまり、Dm(でぃーまいなー)から始めてみました。何か、適当なコード(自分が好きなコード探してみてくださいな)を鍵盤で弾きつつ、それに合うようなメロを考えていけば良いみたいです。
ちょっと脱線しますが、曲ってどうやら、「メロディから先に作る」ケースと今回の様に「コードから作る」ケースの二種類あるそうな。何冊か本を読んでみた所、コードから作る方が初心者向きらしいですよ。
まぁ、それもあんまり堅く考えず、場面場面で好きな方を選択すればいいんじゃないかと思います。実際、多分、コードから作っていても、途中で「この展開だったら、こういうメロディが」とか、部分でメロディから作ったり、或いは、メロディから作っていても「次はこういうコードの展開にしよう」とか、そういう事って普通にある事だと思います。
だから、あんまし杓子定規に考えず、やりやすい方法をその都度やりやすい様に使う、というアバウトな感覚でいいんじゃないでしょーか。
正直、最初の4小節でアイデアが枯渇したのですが、困った時には、コードを分散させて弾いてみれば良いかもしれません。困った私は、CM7(しーめじゃーせぶんす)を適当に分散させて弾いてみる事に。コードを分散させて弾くことを分散和音(アルペジオ)というようです。
音楽に馴染みが無くても(私もそうです)、アルペジオという言葉は割と耳にしますよね。
んで、CM7のアルペジオで間を持たせつつ、自分の気持ちよいコード進行を探しててきとーに弾きつ、メロを付けていきました。ってメロって云っちゃいましたが、今回は殆ど、このアルペジオで誤魔化してますね……。
要は、アルペジオはコードを分散させて弾く事だけれども、それ自体もメロになるってわけですな。
グーなコード進行だったら、そのコードの流れだけでも十分に美味しいフレーズ(?)になりますしね。
後は、所々に7thコードや9thコードを入れてやる事でしょうか。
「ド・ミ・ソ」みたいな三つで構成された基本の和音よりも、複雑で味のある音になります。私自身も良く分かっていないので、コードについてはご自身でお調べ下さいませ。
最後に、音の空白部分に適当な音を入れて、間を持たせて完成という訳です。
んー、手抜きというか、それしか出来なかったというか、何とも言えない感じですけれども、作っちゃったんだからしょうがない。
いづれにせよ、もうちょっとちゃんと作り直して、例の『夏みかん(仮)』に使えたらいいなぁ、なんて思っています。まぁ、兎に角今回云いたい事は「ピアノ曲は地力が試されるぞ」って事ですな。
何かグーな方法、ありましたら是非ご教授下さいませ。
そろそろ朝風呂にでも入ってくるとしましょうか。
それでは、また。
# by s-kuzumi | 2009-06-30 05:23 | サウンドノベル | Trackback(1) | Comments(0)