中国成長率「8%回復」4〜6月世界最速、危機脱却か
中国国家統計局が4〜6月の国内総生産(GDP)実質成長率は8%近く
回復すると予測。
総額4兆元(57兆円)に上がる景気刺激策の効果が表れた形で、
中国は13億人を超える巨大市場をテコにした「内需主導型成長」に
より昨年秋以来の金融危機から世界最速で抜け出す。(産経新聞26日)
日本を含めた世界中の経済学者がこの中国の大嘘を信じるのだろ
うか?
「中国国家統計局の統計データの多くは真実でなく、全て水増し
である」と中国気鋭の女性経済学者何清漣が「中国現代化の落とし穴」
の著書の中で述べています。
彼女はその後2005年の著書「中国の嘘」の中でも「中国の各クラスの
政府は『中国経済の繁栄』をさらにもっともらしく見せるために、
日頃から統計データをせっせと捏造している」「中国では各クラスの
役人が皆 経済成長のデータを捏造している。そしてなにより中央政府
自身がそれに輪をかけた嘘の達人なのである」と書いています。
彼女は中国共産党体制の政治タブーに触れた事により、さまざまな迫害
をうけ、危険を察知した彼女は、現在米国に逃げています。
私は彼女の本を読んで以来中国発表のデータは一切信じていません。
しかし日本を含めた世界の経済学者が中国発表のデータを信じて、中国
を盛んに持ち上げ 過大評価しています。
私のような素人経済人すら中国発表のデータのインチキ性を看破する
ことができます
8%も成長しているワリには 企業の倒産、夜逃げも続出,広東省の
統計によると。08年10月だけで、生産停止や廃業に追い込まれた
中小企業は8513社にも上ると発表しています。
08年10月〜09年6月までの倒産件数の数字は掴んでいませんが、
08年広東省の一ヶ月だけで8513件も倒産しているのです。この数字
が発表されてから09年6月まで約7ヶ月間、全国レベルで計算すると
とんでもない倒産件数になります。
倒産だけでなしに中国大手企業の従業員首切りも未曾有の数です。
例えば一例を上げるとホンハイという米アップルと任天堂の電子機器を
受託している巨大企業(従業員数36万人) が09年2月に8万人削減を
発表しています。
中国のように労働集約的で外需に依存している国が、この世界的な
危機を乗り越える知恵や体力があるとはとても思われません。
中国国家統計局の発表した「8%回復」などとても信じられません。
未曾有の失業数と倒産件数により、それによって全ての指数が萎縮する
中で、経済成長率が「内需主導型」の成長により8%に回復したなど
あきらかに大嘘です。
生産資料価格も消費者価格指数もあがっていません。マクロ経済理論の
中では解釈できない事です。
先日テレビの中で 某エコノミストが「09年ついに中国のGDPは
日本を抜いて世界2位になる、日本の凋落が始まった 中国の時代で
ある」と得意になってコメントをしていました。
彼らエコノミストたちは中国国家統計局が歴年発表される公式の統計
数字と「人民日報」の報道を見て、分析しています。
何清漣氏は著書の中で「中国のニュースメディアは主に一種の宣伝器具
である事を知らねばなりません」といっています。
2008年のIMFのレポートによると、日本のGDPは4兆9237億ドル、
中国は4兆4016億ドルです。もし中国が真面目に計算しているなら、
09年で日本は中国に追い抜かれ3位になることは100%ありえません。
中国役人の経済知識は幼稚でGDPの計算方法すら知らないのでは
ないかと疑っています。知っていても捏造された数字を出してくるなら
意味はありませんが、
例えば車を例に挙げてGDPの計算方法を書いてみます。車が一台
完成するためには、数万個の部品がいります。ハンドル、タイヤ、
エンジン、ライト、ネジ、ウインドウ、マット、塗料、これら多くの
部品は中間生産物といいます。
そしてそれらの部品は一社で造っているのでなく、それぞれの部品は
それぞれ別の会社で作っています。これらの中間生産物はすでに車の
値段のなかにふくまれていますので、部品を作っている会社の売り
上げを総生産額に計上すると、この部分が2重計算されてしまいます。
そこで一般的には、総生産額から中間生産物を引いた額をGDP(国内
総生産)とし、これを一国の経済力を測る物差しにしています。
中国の場合、技術力を要するエンジン周りの部品は輸入に依存し、
それ以外の簡易な部品は国内で作っています。中国はおそらく
これらの部品会社の売り上げまで総生産額に計上しているのでは
ないかと疑っています。
ちなみに2004年の日本のデータによれば総生産額は約930兆円で
中間生産物は約434兆円含まれています。
すなわち920―434兆円=486兆円が日本の発表したGDPです。
国際的な環境は依然として厳しく、輸出に依存している中国が簡単に
8%回復したなど信じる方がおかしいです。
日本のエコノミストたちは、相変わらず北京、上海、広州,などの
都市を訪れ、不動産価格も少し上がってきた、車も売れ出した、
建設も動き出した、株も上がり始めた、中国は間違いなく回復したと
言い始めています。
しかし中国の80%以上の人は、これらの大都市で生活していません。
多くの中国人は中小都市と広大な農村で生活しており、基本的には
現在、中小都市の経済は半ば破産、農村の人たちは、動物以下の
生活を強いられています。
「内需主導型」成長により8%回復、世界最速、危機脱却のプロパ
ガンダに踊らされて、中国に再投資するようなバカなビジネスマンは
いまや居りません。
地下経済の氾濫、社会道徳の堕落、ヤクザ社会への変貌、汚職腐敗
の多発、資本の外国への流出、これらの現実は、多くのビジネスマン
にとって周知の事実です。
中国では一流企業との取引であっても納品と引き換えに現金で
支払ってもらうことがビジネスの原則です。信用売りは誰もしません。
日本企業だけが中国企業から手形を受け取り、不渡りになってしまう
ケースが跡を絶ちません。手形が何回不渡りになっても中国企業は
倒産しません。まさに詐欺集団です。中国企業が詐欺集団なら
中国政府も嘘の達人です。
中国人を治療する特効薬はこの地球上にはありません。