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きょうのコラム「時鐘」 2009年7月1日
1缶100円の「第3のビール」が登場するという。従来の自社製品と競合する大胆な価格破壊である。既に100円の菓子や総菜もあり、100円商戦は拡大の一途である
食品は、雑貨や衣料品の値下げとは意味が違う。5月の消費者物価指数が過去最大の下落となり、デフレ懸念を指摘した先日の記事にも、その重要性が説かれていた。食費の切り詰めは最後の生活防衛であり、食品値下げは危険な兆候だと 消費が低迷する中では背に腹は代えられず、ついに「物価の聖域」とされた食品の値下げまでが顕在化してきたのである。景気悪化と物価下落が、歯止めなく続く悪循環が「デフレ」であり、価格破壊が繰り返される。破壊されるのは物価だけではない 社会全体に「安物」が広がれば文化が劣化し破壊される。だから、食費まで切り詰めなくてもいい普通の暮らしを、早く取り戻せと、100円食品は政治に迫っているように見える。が、その肝心の政界は四分五裂で、悪循環が続く「政治家デフレ」状態だ 7月に入った。選挙は目前である。政治家の値打ちを厳しく問わねばなるまい。 |