自民党の幹部クラスから麻生政権での解散について「集団自殺」という言葉まで出始めた。つまりこうした言葉が出るのは政権交代を民主主義の常態と見ることができないからだ。国民から多数を得た政権党が内閣を作り、その内閣が支持を失えば選挙で政権党が議席を失って政権交代となるのは議院内閣制の原則。イギリスでは政権交代をスムーズに行うため任期満了が近づくとシャドウキャビネットの大臣と上級官僚の接触が認められ、そこで話し合った内容は現代人には秘密にしておくことがルールになっている。政権に対して責任を持つべき自民党の「なんでもあり」という姿勢は議院内閣制そのものに対する国民の不信を増大させる行為だ。