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【追跡取材】早期留学しても年収は期待以下(下)

 Aさんは帰国し、韓国で美術関連の公共機関に就職した。年収は30大企業の国内学歴者の平均にも満たない2000万ウォン(約151万円)だ。彼女は「条件が良いところを探して転職したい。もっと良い職場を探すためには、韓国での人脈が必要なので、韓国での大学院進学を考えている」と明かした。

 Bさん(27)は98年に米国へ留学し、「アイビーリーグ(米東海岸の名門私立大学の総称)に入り、商業・経済分野を専攻し、ウォール街で働く」という夢を描いた。米中部の私立大学を卒業したBさんは今年初め、韓国の証券会社にインターンとして入社した。正社員への登用を期待したが、インターン期間の終了時には認められなかった。

 Cさん(26)は中3で米国に渡り、米中部の私立大学で経営学を専攻し、昨年帰国した後は中小建設会社に就職した。彼は「就職活動を始めたが、成績ばかりを重視する大企業には願書を出す気にもなれなかった。今の職場も父の縁故で入った」と話した。彼の希望年収は6000万ウォン(約452万円)だったが、実際は2600万ウォン(約196万円)だ。彼は「両親が負担してくれた留学費用がいくらなのか正確には分からない。それでもかかった金額を考えれば満足はできない」と語った。

 早期留学第1世代は「目の前にある貸借対照表だけを見て、不満足という結論を下すことはできない」と口をそろえる。今は目立たないが、時がたてば、プラスの方向に進める潜在力があると考えているからだ。

 ハンさん(29、女性)はジョン・F・ケネディ元大統領が卒業した名門私立高校を経て、私立大学で経済学を専攻した。02年の就職直前に米同時多発テロが起き、外国人の米国での就職が難しくなったため、韓国に戻り、年収2900万ウォン(約219万円)の証券会社に就職した。そして現在は会社を辞め、大学院で社会科学分野を学んでいる。ハンさんは「留学費用を考えれば、すぐには満足できないが、外国語の実力あるため長い目で見れば利益だ。わたしは未来には前向きだ」と話した。

(特別取材班)

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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