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【追跡取材】早期留学しても年収は期待以下(上)

 「ボーディングスクール(寄宿舎方式の私立高校)と私立大学を卒業するのに4億ウォン(約3000万円)かかった。今の年収は入社3年目で1億ウォン(約750万円)あり、満足している」 

 ソウル市恩平区で育ったキムさん(29)は、高1だった1996年に留学に旅立ち、2007年に帰国した。キムさんは外資系証券会社の韓国支社に就職した。韓国の高校に通っていた当時の成績はクラスで1-5番目だった。彼は「両親が勧めるよりも前から早期留学を希望していた。自分の子供も高校で海外に送り、大学まで卒業させたい」と話した。

 専門家は早期留学が一部の人の「特殊事例」から「全国的現象」へと拡大したのは1994年以降と指摘する。韓国銀行の統計によると、93年に2億9740万ドル(現在のレートで約285億円)だった留学生への海外送金額は、94年には9億4460万ドル(同約906億円)へと急増した。その後、00年までの7年間に韓国の親たちが海外に送金した仕送り総額は72億1890万ドル(同約6927億円)に達した。

 田畑を売り払って子供の教育費に充てた50-60年代の親たちのように、90年代の中産階級の親たちは一家離散と倹約生活に耐え、留学生1人当たり1億ウォン(同約750万円)から10億ウォン(同約7500万円)に上る仕送りを行った。当時の親たちは「韓国にいても塾や予備校の費用がかかる。もう少し苦労して海外に送れば、英語ぐらいは確実に身に付けられる」という共通認識が存在した。早期留学生は10代の若さで両親と母国を離れ、孤独と闘った。彼らの苦労はその後、どのような結果を生んだのか。

 本紙特別取材班が94年から00年に留学した早期留学生100人を取材した結果、国内で就職した57人のうち年収が1億-1億5000万ウォン(約750-1130万円)に達していたのは5人だった。5人はいずれも証券・不動産投資関連で働いている。

(特別取材班)

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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