Print this Post Article Lists Back

【追跡取材】「早期留学、学校生活には満足」(下)

 99年に高校を中退し、米国ハワイに留学した男性(27)は、さほど韓国では知られていない大学に3年間通い、兵役のために帰国した。05年に除隊した彼は米国に戻らず、英語塾の講師になった。彼は「通っていた大学が特に有名な学校ではなかったため、大金をかけて卒業しても大して違いはないと思った」と理由を説明した。彼は「韓国の高校でしばしばトラブルを起こしていたため、母に背中を押されるように留学に出された。卒業もせず何もならなかったようだが、脱線せずに正しく育ったことだけでも留学生活は成功だったといえる」と語った。

 一方、逆に外国にホームシックを覚える人もいた。米国に9年間留学し、帰国後に外資系企業に就職した男性(23)は「むしろロスのほうが故郷のように思える」と漏らした。

 彼は「韓国は他人の私生活になぜこんなに関心があるのか。社内はうわさだらけだ。職場と私生活が区別された米国のほうが楽なため、そのうち戻りたいと思う」と続けた。

 本紙が取材した早期留学第1世代のうち、「将来、子供を早期留学に送りたい」と答えた人は圧倒的多数の79%に上った。「子供の性向に沿って決める」との回答は10%、「留学させるとしても同行する」との回答も4%だった。

 これに対し、「早期留学はさせない」との回答は7%にすぎなかった。96年に米国に留学し、06年に帰国した男性(29)はその7%に含まれる。彼は「入試地獄から逃れ、先進的な教育環境で学んだことは良いが、マイノリティーに対する偏見が厳然と存在する社会で一人で生活するのは想像以上につらかった」と語った。

 ソウル大児童家族学科の李順炯(イ・スンヒョン)教授は、「早期留学第1世代は経済的に安定した家庭の出身者が多く、米国の教育が物質的成功より個人の満足を重視する点、取材に応じた人は少なくとも最悪の失敗はしていない点を考慮すべきだ。表に出ない不幸な事例が想像よりも多い点に注意する必要がある」と指摘した。

(特別取材班)

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る