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【追跡取材】人事担当者の5割「能力に比べ給与多い」

 ヘッドハンティングを手がける「HRコリア」のパク・ミジョン常務は、「このところ留学組の数が大幅に増え始めている。同じ留学組でも学歴やキャリアにより、企業側の注目度が違う。“米国ベスト20位以内の大学卒業者、経営学修士号(MBA)取得者、米有名企業に勤めた経験がある人”を好む傾向が高い」と話す。大手企業の公募採用合格者のうち、留学経験者が占める割合も実際、かなり高い。サムスン証券が今年採用した新入社員97人のうち、海外大卒は7人だった。LG電子も、全新入社員のうち海外大卒者の割合は毎年5-10%に達するという。

 社会的・文化的に環境が違う海外で学んだ留学経験者の入社が増えていることに対し、韓国企業各社はどのように考えているのだろうか。

 留学組は国内組に比べ給与が高い。これについて、就職専門サイト「インクルート」を通じ、各企業の人事担当者100人に意見を聞いた。その結果、人事担当者の48%は「(留学組は)能力に比べ、給与が高すぎる」と答えた。「留学組だけが持つ強みだから、(高い給与にふさわしい)能力が十分ある」という意見は14%、「能力に比べ少し高いが、国内組の社員より優れているため仕方ない」という意見は37%だった。留学組が比較的に高い給与をもらっていることに対し、「理解できる」という意見と、「行き過ぎ」という意見は五分五分のようだ。

 留学組の帰国が本格的に始まったことで、各企業では文化的な摩擦も起きている。

 留学組社員の増加による組織の変化について、各企業の人事担当者に質問したところ、「家族的な雰囲気が薄れた」(30%)、「上司の指示や慣行に従わず、独自の行動を取る社員が増えた」(26%)、「離職率が高くなった」(24%)など、マイナス面の回答が多かった(複数回答)。一方、留学組社員は「韓国企業は個人よりも組織を優先しすぎる」「いちいち上司の指示を仰がなくてはならないという仕事の仕方は合わない」など、韓国の企業文化に否定的な反応を示している。

 また、人事担当者たちは「早期留学生たちの期待と現実はかけ離れている。それは離職率を見れば分かる」という。

 大宇証券によると、2000年から今年までに早期留学生だった社員は計60人入社したが、現在も在職しているのは31人だとのことだ。00年から05年までに入社した25人のうち、同社に残っている人のはたった一人。サムスン証券の人事担当者も、「証券会社の勤続年数は他業種の企業に比べ短く7-8年だが、早期留学組はそれよりも短い4年前後」と話す。その原因について問うと、「わが社はいい環境を提供していると考えているが、外国の文化に慣れ親しんでいる彼らの期待とは差があるようだ」と語った。

 だが、留学組のセールスポイントを高く買う企業も少なくない。留学組社員に満足しているという人事担当者は27%。その一人は「意思表示が明確で、仕事に対するプロ意識も高い。自然で堂々としているため満足している」と称賛している。

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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