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【追跡取材】韓国に戻らない留学生、そのワケは(下)

 ニューヨークに住んでいるプログラマーのキムさん(26)は、「毎週末、(米大リーグ)ニューヨーク・ヤンキースの試合を見に行く。米国の会社も勤務時間中は膨大(ぼうだい)な量の仕事をさせるが、週末や休日はきちんと保障するというのが不文律だ」と話す。

 韓国社会の不条理な「壁」が嫌で、帰国を拒んでいるという人もいる。高校1年のときに留学したAさん(28)は、米国の大学には進学できなかったが、現地で住宅内装会社を設立し、昨年には40万ドル(約3800万円)の収入を得た。6人の従業員を雇っているAさんは「米国では学歴を問うことがあまりなく、高卒のわたしでも努力さえすれば成功できた。韓国へ帰っていたら、わたしがこの年で従業員を雇って会社を大きくできたかどうか疑問だ」と語った。

 だが一方で、懐疑的な意見もあった。ワシントンのある法律事務所に事務員として就職し、4年目になるBさん(27)は「米国での生活に、次第に疑問を持つようになり、韓国へ帰りたくなった」という。Bさんは「今の仕事はある程度慣れれば誰でもできる仕事であり、長い間続けられるものではない。ほかの仕事を探そうと思っても、米国の企業は外国人留学生の雇用を避けようとする風潮が次第に強まり、身元を検証するための複雑な手続きを求めている。永住権がなければ、まともな会社に就職するのは困難だ」と話した。

 また、兵役の問題があるため、韓国へ帰国せず海外での就職を選んだという人もいた。米国の名門大学を卒業したCさん(24)は「韓国にいれば毎日韓国料理を食べることができ、メニューも韓国語で注文できる。それは小さな幸せだ。だが、韓国では兵役の問題があるため、多国籍コンサルティング会社の東南アジア支社に就職した。今は韓国へ帰って6カ月以上たてば、兵役の対象になる。韓国にいた方が幸せだとも思うが、それができないため、もどかしく思うことがある」と語った。

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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