(CNN) クーデターでセラヤ大統領が国外追放された中米ホンジュラスの首都テグシガルパで29日、大統領支持者と治安当局の散発的な衝突が起き、負傷者が出ている模様だ。一方、暫定大統領は同日、組閣に着手した。
中南米のテレビ局テレスールは、警官隊がデモ隊と衝突する様子や、軍が市中や大統領府周辺に展開する様子を映し出している。路上には火が放たれ、現地紙によると少なくとも15人が負傷した。
テレスールのアドリアーナ・シボリ記者は、自分を含む記者数人が軍に一時身柄を拘束され、不当な扱いを受けたと報道。シボリ記者はテレビ中継の最中に、銃を突きつけられて連行されたという。
28日のクーデター後、国営テレビ局2局は放送を中止し、残る1局はCNNの取材に対し、当局に放送内容を検閲されていると語った。
公務員でつくる大手3労組は30日朝から無期限ストに突入すると宣言。民間労働者や農業従事者も加わって約3万人規模のゼネストを展開する予定で、代表者は「われわれは新政権を認めない。セラヤ大統領が復職するまで抵抗を続ける」と表明した。
一方、暫定大統領に任命されたロベルト・ミチェレッティ元国会議長は同日、暫定政府の組閣に着手。11月の大統領選までの布陣として新閣僚7人を指名した。
ミチェレッティ氏は、今回の政権変更はクーデターではなく、権限を逸脱した大統領の追放という民主的なプロセスだと強調している。