久留米市田主丸町の私有林で約8ヘクタールに渡って樹木が伐採され、急斜面の山肌がむき出しになっている。伐採は法的には問題ないが、ふもとの住民は、梅雨の大雨による土砂崩れなどを心配している。市は当面、山の見回りを続けるほか、16日夜に近くの益永公民館で住民説明会を開き、対応や避難所などを説明することにしている。
同市田主丸総合支所地域振興課によると、山林は朝倉市内の男性が所有し、5月に届け出をしてスギやヒノキを伐採したという。男性は市に「木を売るため伐採した」と説明しているという。
ふもとの益永、麦生地区には合わせて198世帯ある。特に伐採地から約200-300メートル離れた20世帯に、土砂崩れなどが起きると危険が及ぶ恐れがあるという。市は今月3日に警察、消防など関係機関と協議。山林の所有者と話し合い、植林をしてもらうことにしている。
近くに住む住民の男性(66)は「地区には足の不自由な人や独り暮らしの高齢者も住んでいる。夜間に何か起きたら、と思うと非常に不安だ」と訴える。同課の担当者は「時折、木が切り出されることはあるが、これだけ広範囲の伐採は近年では記憶にない」と話している。
=2009/06/16付 西日本新聞朝刊=