イラクの巨大油田・ガス田の開発に関する8件の入札が30日、バグダッドで行われ、南部ルメイラ油田を国際石油資本(メジャー)の英BPと中国の国有石油大手、中国石油天然ガス集団(CNPC)の企業連合が落札した。世界3位の原油確認埋蔵量があるイラクが油田開発を本格的に外資に開放するのは約40年ぶりで、イラク戦争後の復興資金確保に向けた足掛かりとなる。
日本の石油資源開発はCNPCと連合で南部の西クルナ油田に応札したが、条件面でイラク側と折り合えず、落札できなかった。入札難航の理由について日本企業関係者は「イラクが企業側に(金額などで)譲歩を迫った」ためだと話した。
落札企業が決まったのはルメイラ油田1件だけ。応札企業がない案件が1件あったほか、大半の案件では金額面でイラク政府と企業側との隔たりが埋まらなかった。不安定な治安に加え、関係法令が未整備で、外資開放への反対論がイラク国内でくすぶるなどリスクが指摘され、企業側は慎重姿勢を示した。
イラクは今回の油田開発で、産油量を2008年の日量約240万バレルから13年には400万バレルに引き上げたい考え。イラクのシャハリスタニ石油相は、30日の入札で落札企業が決まらなかった案件について、参加企業に再応札を求めると述べた。未開発の11油田に関する2次入札も年末に予定されている。(共同)
毎日新聞 2009年6月30日 19時28分(最終更新 7月1日 0時17分)