戦極と契約した総合格闘家の石井慧(22)=国士舘大=が29日、米国での武者修行のため、成田空港を出発した。前UFCヘビー級王者、ランディ・クートゥア(46)が主宰する、ラスベガス市内のジム「エクストリーム・クートゥア」を拠点に、約1カ月練習を積む。石井は「空手でボコボコにしたい」と、練習パートナーの破壊を予告。北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストが、空手を引っ提げてNo.1へのステップを踏む。
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石井が空手を武器に、世界最強を目指す。ブラジル修行から先月に帰国して以降、都内の松濤館道場で週3回、総合格闘技の練習と並行して空手のけいこを積んでいたと告白。「ブラックベルト(黒帯)もつけています」と、独特の言い回しで打ち明けた。
石井はブラジルでの約2カ月間、LYOTOの父で松濤館流の空手家・町田嘉三さんの道場で、練習をともにした。スパーリングでは何度もKOされたが、LYOTOは5月に米UFCライトヘビー級王座を奪取。空手を駆使してタイトルを手にした盟友の姿に触発された。
クートゥアのジムには昨年末にも“体験入門”している。「空手でボコボコにしたい。ヴァンダレイ(シウバ)もよく来るみたいなんで、やってみたい」と成長ぶりをみせつける。清風高の先輩、秋山成勲がUFCデビューする「UFC100」(7・11、米ラスベガス)も観戦予定という。
当初はオランダで“人類最強”のエメリヤーエンコ・ヒョードルに弟子入りする予定だったが、スケジュールの都合で8月以降に延期。戦極側の配慮で、米国修行が実現した。25日に手術した首の状態も良好で「日本人の強さを見せつける」と闘志を燃やした。
石井は8・2さいたまSA大会出撃にも意欲を見せたが、デビュー戦は11・7両国国技館大会以降が濃厚。「日本人とやりたい」と、吉田秀彦、藤田和之らの名前を挙げ、首にお守りを2個ぶら下げて機上の人となった。