イナの独り言
国鉄201系電車をこよなく愛する作者が,現在居住する米国ペンシルベニア州の風景も織り交ぜながらご紹介します.
 




2001年の出来事に端を発し,ここ米国では『超法規的に』公共の場所での写真撮影を禁止,もしくは強く抑制するような空気が出来上がっています.

自分も,2006年5月に103系掲示板で,そこいら辺のことを書き込みしたりしています

このような空気は,田舎にも飛び火し,以前ここの田舎のバス(LANTAっていうんですが)の写真を撮ってたら運転手が出てきて良く分からないことを口走って(terrorismやらsecurityやらの単語をほざき出すと,自分は聴くのを止めてしまう癖があるんですね)とにかく写真を撮るなと喚かれたこともあります.
冷静に考えれば,イーストンやベツレヘムで何が出来るのか,と思うのですが.w

公共の場所での写真撮影は,言論の自由と同じ意味を持つものです.
ちょっと探したところではここ・・・市が「撮影許可」を求めることについて,主に芸術家が抗議の署名を募っています
期限切れの文書ですので,最後のほうにスパムまで入ってるのは残念ですが,それでも3万人をゆうに超える人からの署名を見ることが出来ます.

同様の議論を経て,一時本気で検討された「NY地下鉄構内での写真撮影禁止」が結局廃案となったこともあります.
特にテロ後のここアメリカ社会は,なんかおかしい.それでも「得体の知れない恐怖」に苛まれた社会が,おかしいことをおかしいと言えない空気があった.

昨日フラフラとネット散歩していて,そんな空気が少しずつ変わってきたかなと嬉しくなりました.

全国各地の公共交通での写真撮影制限をまとめたサイトがnycsubway.org内にあり,出かける前には必ず立ち寄って参考にしています(笑.
たまたまそのページを(久しぶりに)見てみたら,アララ・・・なんかページが凄く綺麗になっている!!
そのページなんですが,各公共交通ごとに撮影許可の要不要をまとめた表で,ぶっちゃけ
※撮影許可を求めているところはピンク
※撮影許可は必要ないところは,緑
に色分けされています.
以前に比べて,ピンクが減って,緑が増えた.
たとえば・・痕跡が残されているように,地元(オマイはフィリーに住んでないだろとの突っ込みもありそうですが)のセプタでは前もって『許可書』を取れと書かれていた.
自分もそのSylvanaさんとやらに何度も連絡取りました.
こっちは,運転免許証のコピーまで添えて申し込んだ.
そしたら,訳の分からないフォームを送ってきて,サインしろという.
初めてそのフォームを見て驚いた.
nycsubway.orgのページの詳細のところにも書かれているように,写真撮影の許可証でもなんでもなくて,「photography release form」と書かれていた.
ぶっちゃけ,「セプタに写真撮られても,異存ありません」って書かれていた.
このとき既に,『こいつらおかしいよ』と思いました.
法的根拠も何もなしに無関係なフォームを強要して,結局はヲタの名前は収集していたと.
それ以降,そこまでバカ正直になるのは止めましたがwww

話を元に戻して.
そのセプタまでもが,以前はピンクだったのが緑に戻った.凄く嬉しい.
ただ・・・セプタもそう.NJトランジットもそう.最後はチェアマンの談話で幕を引かれているのにも少し考えさせられました.
そうか・・・先週も先々週も駅で写真撮りまくってたけど,近くにいた警官,何も言わなかったもんなぁ.

何はともあれ,嬉しいです.
それと同時に,権利を侵害されたと言って立ち上がり戦った多くの芸術家,ヲタの皆さんがいたこと,そしてそんな人々がnycsubway.orgのページもアップデートしてくれていることも,嬉しいし感謝しています.
自分は・・・ワシントン,フィラデルフィア,地元等で,警官がアプローチするたびに堂々と自分の目的を伝えるようにはしていました.
何も悪いことはしていない.
だったら堂々としてるしかない.

今日も黄色い線の外側で危険行為を繰り返す日本の自称鉄道ファンにも,せめてこれくらいの信念は見せてほしいよねと思いました.

ここ米国でこれからの課題は・・・実際に法律を運用する側は良いんです.
時に職権で人の権利を制限できる立場の人は,法律をしっかり知っているので問題ない.
問題は,その程度の知識もない「いわゆる民間のセキュリティ」,そしてその延長上の「一般人」です.
以前よりは減りましたが,法律も知らないのに法律を振りかざす連中が,まだ残っています.
そんな連中を駆逐するには,まだまだ時間がかかりそうですし,それまでヲタは堂々とヲタして存在を示していくことしか出来ません.

「警官が来た時は,止めます」・・・趣味というのは,そんなにヤワなもんじゃないんだよ.

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コメント
 
 
 
逆の監視が必要ですね (細井忠邦)
2009-06-28 13:43:25
イナ@ペン様こんにちは!先程クハ201‐107にお世話になりましたが、今日は車内外とも静かでした。さて自由を守るのは難しいですね。一年で数回しかいけない成田空港では、外周で撮影していても結構職務質問が来たものでした。最近は桜の丘など公園が整備され、そこにいる限りは大丈夫です。でも一方電車に乗ればドアーの鴨居部分のテレビにテロ警戒中のテロップが出ますし、京王では未だにゴミ箱が復活しません。平和ボケと言われると、あっそう!と反発したくなりますが、昨今の監視カメラの増加なども含めて怖いです。行き過ぎないように逆に注意しないといけませんね。政治的な発言をする場ではないと思いますが敢えて書きました。


 
 
 
『見えない敵』 (イナ@ペン)
2009-06-28 17:41:39
細井さん,おはようございます.いつもコメントありがとうございます.特にこんな微妙なネタにお付き合いくださり,有難く思います.

テロテロって言うのは,この国で本当に耳タコになってた言葉です.
でもって,使うやつに限って,何も理解していない.自分の職務怠慢すらそんな言葉で覆ってごまかそうとするものもいたと記憶しています.
『見えない敵』のか,それとも『端からそんなもの,いやしない』のかは,10年20年経って初めて明らかになると思います.

記事本文にも書きましたが,関連法規を知っているはずの「Law enforcement officer(ぶっちゃけ警官)」は良いんです.
関連法規も知らずに『連邦法違反だぞ』って凄むような連中が一番タチ悪いんですね.
そういうやつらが寄ってきたら・・・「文句があるなら,警官呼んで来いや」って言うのが良いのかもしれません.
彼らに,それ以上の権限はないはずですからwww
ただ,そのような戦法が日本で通用するかどうかは??ですよね.

そうそう,繁華街やらあちこちに監視カメラが付きましたね.
いつも誰かが監視している・・・・もう現代はそういうものだと諦めていますが,あれって,もし本当に誰かが監視しているのだとしたら,凄いコストがかかってるのですよね.
それがモノの値段や税金,さらには国の赤字に全部響いている.
最後にケツ拭かされるのは,結局納税者なんですよね.

それほどに大事な案件なのに,今まで『見えない敵』の一点張りで,湯水のように銭がつぎ込まれてきました.
もっとも,これもいまや大事な景気対策ということも言われており,状況は複雑なのですが,今になってもなお,冷静な議論がなされていないのは,ちょっと引っかかりますねww

(政治的な発言を極限まで抑え,$$だけに注目して書いてみましたww)

それでは,またよろしくお願いいたします.
 
 
 
テロといえば・・・ (taku)
2009-06-29 20:46:08
いつだったかアメリカでホームランドセキュリティの会合に某社のトップが出席し、新幹線の安全性を説いたというかなりズレたことがあったそうで・・・(場違いですね)。
今まで本土が他国に攻撃されるというのは宇宙人の襲来(!)より可能性が低いという意識でしたから、恐怖の度合いが違ったのでしょうね。ついこの間もLIRRで不審物騒動があったとき、乗客は放送とを曲解してパニックでした。もっとも車掌は冷静に事実を淡々と話していただけですし、運転抑止のためヲタ化した私の行動にも理解を示してくれていました。少なくとも教えていただいたサイトにあるように、どこにおいてもフラッシュ、レフ板、三脚は使用せず、他人に迷惑をかけないように、という配慮は必要でしょう。もっとも、地下鉄の駅はホーム長がぎりぎりなので、撮ろうとも思いませんでした(爆)

一方の東京ですが、過去にあった地下鉄テロのことは忘れられているようですが、潜在的にはこっちのほうがやばい気がします。ヲタとは関係ないとしても、だいたいがホーム端の詰所の死角に人がいるというのはまずいでしょうね。
中央線の撮影については、対象とは反対のホームで黄色い線の外側のポジション争奪戦というのは、私の見た限りでは貨物列車のたぐいのほうが強烈です。ただし201系は・・・外へ飛び出して撮ってまた飛び乗るのがいて、危ない。豊田のホーム端は立入禁止ですが、なし崩しになっているようです。

京王線のゴミ箱の件は、地方自治体がゴミの有料化をすすめる中、ゴミ箱が家庭ゴミで溢れることへの予防的処置という意味合いもあるのでしょう。特にルールが厳格な日野市ではかえって駅でのマナー違反が多かったりしますし、府中市のダストボックス廃止ももうすぐのようですので、現時点では設置しないのは賢明といえます。

話は違いますが、マイケルジャクソン死去のニュースをNYの地下鉄の車内放送で伝えたということをTVでいってましたが、中央線でもスクリーンで出てたとのこと。私は中央線ユーザながら「そうなの?」という状態。なぜって私の乗る車輌にはそんなものは無いので・・・(笑)。
 
 
 
テロやらごみやら (イナ@ペン)
2009-06-30 06:20:05
takuさん,こんにちは.コメント有難うございます.

>日本でのテロ
実際に起きた割には,忘れられているように見えますね.
一方で,アメリカでは,特に公共交通に従事する者が『撮られたくない』のをテロに託けて強要しているように見えます.
税金で給料が払われる「Public work」に従事している間,写真撮影を拒めるほどのプライバシーがあるとは思えないのですが,彼らも必死です(笑

>ゴミ箱
まぁごみは無料で出せるのが日本の常識でしたから,有料になったらそりゃ困りますね(藁
行き過ぎた自由競争というものが大衆に何の恩恵ももたらさないことを,自分の住む地域でのごみ収集を見て痛感しています.
(3社が競争してる割には価格上昇+週3回トラックが駆け回るのに収集されるのは週1回だけ)

>モニターがある
モニターにしても,半自動にしても,ついでに自動放送にしても,その気になれば後付できる装備ばかりですね.
アレが偉いと言う連中は多いですが,他に言うことはないのかと思います(藁
ま,これは別スレに持っていきますかwww

それでは,またよろしくお願いいたします.
 
 
 
新幹線の売り込み? (taku)
2009-06-30 19:25:53
201系は午後からもとのローテーションに戻りました。日曜から片方は狂っていましたが。

タイムリーというかなんというか、新幹線の売り込みに行ったとかどうとかいうニュースを見ました。確かに難しいでしょうが、車輌が売れたらそれはそれで嬉しいという、この頃ちょっと控えめな私でした。というのも、現状で不便を感じるのは全く別のこと(特に駅までのアクセス)ですし、あまり関心をもたれないだろうというネガティブな理由だったりします。
私が大学にいた頃、構造の先生が、高速鉄道は「軌道は外と分離して、衝撃吸収の構造としないで軽量化すべきもの」とまで言っていました。そういう声がある一方で、現実として高速鉄道も通勤電車も同じ線路を走っている。しかも日本とは競合であるTGVの弟分が既に存在している・・・。まあ少なくとも改善を謳うのであればアセラの増備という単純なことにはならないであろうことは想像できます。さらに動力分散ということでいえば、「201系顔」などの実績がありますね。しかしNY乗り入れというとN700系がそのままペンかグラセンに乗り入れるわけにはいかないでしょうし、他と同じ安全基準で作ることになるでしょう。
さらに政府の目論みは雇用創出のほうにもあるようでして、だとすると車輌製造や軌道敷設(これができればアセラだって速くなる)は頑張ればできるとしても、信号システムの採用は、効果が目に見えないだけに難しいでしょうね。それと車輌はN700じゃなくて、500系スタイルのほうが興味をひくでしょう。

そういえばLIRRのグラセン乗入れ計画、その後どうなったのでしょうか。そしてその対応とM-3電車の置き換えのためにM-9電車の話も上がっていましたが、未だに仕様やメーカが決まったという話は聞いていません。もっともこの工事は地下ですから、それなりにコストと期間がかかりそうですね。

余談ですが、15年以上前にPHX郊外の模型店で、HOゲージのセットかなにかでAmerican航空みたいな塗装の0系を売っているのを見たことがあります。
 
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