「視聴者が本当に必要としている番組を作りたい」という現場の思いから出来上がった「つながるテレビ@ヒューマン」。世の中の“今”を伝える情報番組“新たなテレビのあり方”を模索。NHKが取り組む次世代番組と、現場に携わる先輩たちを紹介する。
森田 智樹
チーフ・プロデューサー(写真左から3番目)
報道局報道番組センター(社会番組)
1989年入局
つながるテレビ@ヒューマンは、現場で番組制作を担当する若手ディレクターたちが声を上げ、企画した番組です。“私たちと同じ30〜40歳の働く世代にもっとNHKの番組を見て欲しい、そのきっかけを作りたい”そういう思いからです。
ドラマからドキュメンタリー、ニュースなど、NHKは様々な放送を出しています。それぞれ真面目に、真剣に取り組んでいる人が圧倒的に多い放送局です。単に楽しければいいのではなく、正しさや、社会に貢献できることを大切にしています。しかし今、その真面目さが、堅苦しさやよそよそしさに感じられてしまうのかもしれない。それがちょっと残念です。
つながるテレビ@ヒューマンは、気軽に楽しく、しかも真剣に見てもらえるような情報番組を目指しています。ネットとテレビの融合の新しい形、情報発信する市民の方々との連携、そうした新たな挑戦にも取り組んでいます。
毎週、若手からベテランまで、ひとりひとりが意味のある放送を出したいと、責任を背負い、自由な発想でそれぞれ必死にもがいています。
真面目に、真剣に、楽しく!そして毎週、全力で仕事をした後は、ほぼ全員が参加して深夜の乾杯!それが“つながるテレビ@ヒューマン”の日常です。

島津 有理子
アナウンサー
放送総局アナウンス室
1997年入局
生放送を時間通りに仕切るのが私の仕事です。ゲストの話しに集中しながら、残りの時間によって質問を変えたり、視聴者の目線で感想を言ったり、様々なことを考えながら番組を進めていきます。テレビ局での仕事は、何でも“知りたい”と思うことが大切な仕事ですから、好奇心のある人が向いています。私もNHKに入局してから、今まで知らなかったことを数多く覚えて、視野が広がしました。今後も自分を狭めずスキルアップしていきたいと考えています。
松園 武大
ディレクター
制作局第2制作センター(ドラマ番組)
2001年入局
「きざし↑」というコーナーを担当しています。次から次へと新しいネタが求められるコーナーだけに、少しでも違う角度で伝えることを心がけています。テレビはときに、人の人生を変えることもあります。ですから番組を作ることは、人の人生を背負うのと同じこと。私たちも、それだけ同じ覚悟をもって作らなければならないと思います。多くの人に会い、人生についての思いを聞くことができるのは、ディレクターとしての大きなやりがいです。
森内 大輔
映像デザイナー
放送総局デザインセンター(映像デザイン)
1999年入局
番組全体のビジュアルデザインを担当しています。「つながるテレビ@ヒューマン」は人と人をメディアでつなぐ番組なので、“常に誰かとつながっている”というオンライン感を出すようにしました。以前は、番組を「自分が手がけた作品」と考えていましたが、最近では、視聴者にみなさんに代わり、我々スタッフが力を結集して制作しているのだと考えるようになりました。視聴者のみなさんから「おもしろかった」と言われるのが何よりもうれしいことです。
立澤 聡
音響デザイナー
放送総局デザインセンター(音響デザイン)
1993年入局
私たち音響デザインは、主に選曲を担当しています。出来事の大きさや深刻さを伝えつつ、そこに生きる人の「思い」が見る人につながってゆく、そんな「音」を目指しています。しかし!!「なま」の情報が命のこの番組、私たちが音楽を選び、それをどこに入れるのか考えることが出来る時間はわずかです。ドタバタの一日が終わり、大勢のスタッフと共に「お疲れ様でした!」と言い合えるその瞬間が番組作りの醍醐味です。
長谷川 泰
テクニカルディレクター(番組制作技術)
放送技術局コンテンツ技術センター(番組技術II)
1995年入局
私が担当している仕事は、テクニカルディレクターという番組内の技術全般を仕切るものです。表現したいテーマに沿った番組が作れるよう、事前にカメラの台数や映し方、音声や照明などの見せ方を決めると同時に、放送日には、スイッチャーとして、どの映像を見せなければならないか瞬時に判断していきます。生放送では、番組としてそのまま放送されるので、プレッシャーも大きい分、やりがいもひとしおです。この伝統と実績のあるNHKを一緒に変えていくチャレンジ精神旺盛な人、待っています!
津田 貴生
ビデオ・エンジニア(放送技術研究)
放送技術研究所(人間・情報)
1996年入局
私はNHKで新しい放送技術の研究開発をしたくて入局しました。「つながるテレビ@ヒューマン」では、特殊効果に使用する移動ロボットカメラの操作を担当しています。ディレクターやカメラマンと相談しながら、人間では難しい撮影をロボットカメラにさせるため、日頃からカメラマンの動きをデータに取り、ロボットにインプットしています。自分が取り組んだ研究成果を使って、自分の手で番組づくりに参加するようなことは、NHK以外では出来ないことだと思います。夢はカメラが全て自動で番組をつくること。そんな夢の放送局をつくってみたい人、ここには無限の可能性が実現できる場所があります!