2009-03-22 いつの間に日本は市民社会じゃなくなったんだよ
いつの間に日本は市民社会じゃなくなったんだよ
”「推定無罪」の意味、誤解してませんか?? - 院生兼務取締役の独り言”
このニュースを聞いたときに私は「麻生総理の発言の何が問題なの?」と思いました。なぜなら、「推定無罪」は、「被疑者または被告人は、有罪判決が確定するまでは無罪であるとして扱わねばならない」という意味ではないからです。
<略>
ですから麻生総理の「明らかに違法だったがゆえに逮捕になった」という発言は、当然のことを言ったまでで、何ら騒ぎ立てることではないのです。もし検察が明らかに違法ではないのに逮捕したのなら大問題ですけれど。
さて、「推定無罪」についてです。
「推定無罪」とは、刑事裁判における主張立証責任の原則で、「被告人は無罪と推定されるので、被告人が有罪であると主張する検察官がその被疑事実について立証しなければ、被告人は有罪判決を受けることはない」というものです。
<略>
別に、有罪判決が確定するまでは被疑者や被告人を違法であるといってはいけないという原則ではないのですね。
何でこんな誤解が生じるのかというと、おそらく「推定」という言葉のせいじゃないかと思います。
そもそも推定無罪という考え方は単純な法律用語ではありません。
第十一条
1犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪と推定される権利を有する。
第十四条
以上の様に世界人権宣言や、国際人権規約は、人権に基づき、裁判による立証によらずして犯罪者として扱われないように各国に要請しています。当然ですが、有罪判決の出ていない人物に対して公に属する*1、例えば総理のような人間が人権を踏みにじり犯罪者として扱って良いはずがありません。
どうも言及エントリーの趣旨を理解して頂けなかったようです。
ポイントは、
・法律学的には「無罪の推定」という言葉には主張立証責任が検察官にあるという意味しかなく、それ以上の意味を勝手に付け加えるべきではない
・言葉から受ける印象に従ってしまうのは間違いのもと
ということです。決して人権を軽視したものではありません。
これはコメント欄に書いていることですが、
「もちろん公判廷では裁判官の心証は白から始まらねばなりません。しかしこれを担保しているのは起訴状一本主義などの他の制度であって、「無罪の推定」は関係がないのです。」
日本の刑事訴訟法も国際人権規約の趣旨を担保するため、様々な制度をおいています。その制度はたとえば上記の起訴状一本主義であったり、勾留請求を認める裁判官と訴訟を担当する裁判官を違う人にしたり、検察官に証拠を開示させたりといったものです。これらの制度で現行法は被疑者・被告人の人権保障をしているわけです。
しかし「無罪の推定」という言葉は、法律用語の一般的な使い方からすれば通常は主張立証責任だけの問題であり、結果的に人権保障に資するとしても、直接人権保障をその内容とする問題ではありません。tei_wa1421さんがおっしゃるような考え方は「仮定無罪の原則」と言われたりするもの(そしてこちらが一般的に考えられている意味・人権宣言に書かれているもの)で、私の言う「無罪の推定」とは別物です。
学問においては用語の意味を正確に把握することが重要です。私はまさにこの点を指摘しただけであり、決して人権を軽視するような物の見方はしていないことは、もう一度読み返して頂ければご理解頂けるかと思います。
そして、文章から受ける印象から感覚的に内容を読み取ってしまうと誤読してしまうということも私の主張のうちのひとつということもご理解頂ければと思います。
という思いは理解できます。しかし、あなたのコメントで人権を尊重しているという言葉とブログの記事は矛盾していて理解しかねます。
まず第一に私は今回取り上げられた「推定無罪」という用語があなたの言うような法律用語か、国際人権宣言等に書かれている「無罪と推定される権利」かどうかはさほど興味ありません。よってあなたの上げたポイントは的外れです。
それよりも、あなたがブログで書いた文章で
>>「被疑者または被告人は、有罪判決が確定するまでは無罪であるとして扱わねばならない」という意味ではないからです。
法律用語としての推定無罪だけで論を起こし、世界人権宣言の「無罪と推定される権利」という要請を踏みにじっても問題ないという考え方を表明したことに怒りを感じたから今回の記事を書いただけです。
いやいや、法律用語としての意味を問題にしているのですから、まともに議論をしようと思われるのであればこの大前提は共通のものとしなければならないのではないでしょうか。
もし議論をするのではなく一意見を述べられるのであれば、本エントリーのような書き方にはならないはずです。
>法律用語としての推定無罪だけで論を起こし、世界人権宣言の「無罪と推定される権利」という要請を踏みにじっても問題ないという考え方を表明した
「無罪の推定」が「無罪と推定される権利という意味ではない」と書いてあるだけであって、「無罪と推定される権利は必要ない」とは書いてありません。この点こそが感情にまかせて誤読していると申し上げる所以です。ここを誤解される方がいたので、コメント欄にて「他の制度で人権を担保している」と書いたわけです。
どうか怒りを感じる前に、冷静に文章を読んで頂ければ幸いです。
麻生総理の発言の何が問題なの?
じゃないんですか
このエントリーでは
法律学的には...付け加えるべきではない
から
麻生総理の発言は問題無い
を導出することが批判されてるわけですが
tei_wa1421さんに言及エントリーの趣旨を理解してないと言ったfly-higherさん
tei_wa1421さんのエントリーの趣旨はスルーですか
>>私は今回取り上げられた「推定無罪」という用語があなたの言うような法律用語か、国際人権宣言等に書かれている用語かどうかは興味ありません。
>いやいや、法律用語としての意味を問題にしているのですから、まともに議論をしようと思われるのであればこの大前提は共通のものとしなければならないのではないでしょうか。
id:fly-higherさんの元エントリは、「法律用語としての無罪推定とは」という限定的な書き方ではなく、「推定無罪とはこういうものだ」という書き方をされてますよね。
tei_wa1421さんの誤読などではなく、法律用語としての「無罪の推定」と、「推定無罪」を混同されているのはfly-higherさんではないかと思いましたが。。。
誰もあなたの主旨を誤解なんてしてないでしょ。
近代法の精神は一つの条文からは導きだされない。
にも関わらずあなたは狭義の「推定無罪」の解釈からアクロバティックに、「逮捕されるのは明らかに違法だったから」という認識を(しかも一国の行政の長の)問題ないものと肯定している。
それが批判されているのに「相手が読解力がないんだ」と開き直る。
恥ずかしくないの?
fly-higherさんは専門領域らしくとてもよく勉強しているようですね。教えられました。
でも専門バカの見本みたいな言い方ですね。あるいはペダンティック以外の何ものでもないでしょう。
ものには文脈というのがあり、「麻生総理の発言は問題ないのだ」、という前提から展開すると、犯罪「容疑(可能性)」での逮捕ではなく、犯罪「確定」したもの、つまりflyさんが言う主張立証責任が果たされたあとの「犯罪が確定してしまっている」という了解へ繋がっていきます。これは素直に読み取ればそうとしか読めないでしょう。
flyさんの論理を反語として追ってみます。
「違法なことは何もしていない(=無罪)のに逮捕されるのはおかしいのではないでしょうか。」とflyさんは言っています。
しかし警察はしばしば誤って「逮捕」してしまうのです。だから改めて裁判で検察の主張立証責任という機制を設定しているのではないのですか?おまえは犯罪を犯したと言うなら検察が立証しなさいよ、そうでなければ被疑者を「犯罪人と確定」した扱いをして身体の自由や命を奪ってはいけませんよ、と言っているのが法律の主旨ではないのですか?つまり今小沢秘書逮捕の進展の中で、総理大臣が「明らかに違法だったがゆえに逮捕になった」と言えば、それは
テクニカルタームの問題ではなく、「犯罪事実が証明されたために
逮捕された」と言うに等しい誤解を招くから問題なんだとむしろflyさんより穂積党首の方が厳密さを要求しているわけです。
では麻生総理は、なんと言えばよかったか?
「違法性の嫌疑あるいは犯罪容疑があったから逮捕になった」というべきであった。
論の帰結としてやはり麻生総理の発言は問題だったでしょう。
次に「ことば」の問題。
ことばは、ひとつの文化共同体の構成員によって了解されているものです。しかし絶えず意味をずらせていきます。それによって同じ共同体の中でも、異なった意味に捉える人たちが現れます。このときことばは通じないものだと認識しますが、同時にことばの側から
ひとに働きかけて「その使い方の方がみんな理解しやすいよ、自分の気持ちにフィットするし、簡単にモノゴトを言い当てられるね」
と承認されたとき、ことばは定着します。こうして絶えずことばは
流動化しています。ですからテクニカルタームとしては「推定無罪」が間違った用法であっても、世間の常識語として流通した場合は原義をいくら言い立てても無駄なことです。発言の重みが一般人と格段に違う総理が使う場合は、(もしflyさんが言う違いを理解していたのなら、多分知っちゃいないだろうが)、「法律用語としては…であるが、一般的には…の意味でわたしは述べている」とキチット言わなければなりません。
それは普段企業社会でも当たり前に流通しているマナーですから。
flyさんはのように文脈を理解しなければならない場合と、実証的な緻密さが要求される学問や法曹の場での使い方を混同すると、逆におかしな話になるので注意が必要だと思います。
こうしてどこの世界でも専門バカがモノゴトの認識を転倒させる過ちをしばしば犯します。
横から長々失礼しました。
匿名の御三方とid:mochizukishikouさんコメントありがとうございます。私の補足したかったことを
書いてもらってすいません。
ただ一点だけ追加させてもらいますと、私が上で取り上げた「無罪と推定される権利」がブコメなどを見る限り、法律界隈でも概念としてあるのに、それを無視してid:fly-higherさんが記事を書いたのは知的誠実さを欠いていて残念ですね。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/kaien/20090423/p1
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「国際法で日中戦争は中国からの侵略戦争だとジャッジメントされている。 」げらげら、侵略戦争じゃないのに国連離脱した日本ってww
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満州事変とシナ事変と日中戦争の区別は付きましたか?
http://b.hatena.ne.jp/tei_wa1421/20090426#bookmark-13162650
>>
プライベートで書き逃げかよー、ゲラゲラ
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こういう挑発的なブクマコメントだけで反論が無いのは、なぜですか?