対象者300人未満で保険会社に利益−産科補償制度
日本医療機能評価機構は、「産科医療補償制度」に剰余金が生じた場合、保険会社が運営組織に返還する仕組みの骨格を固めた。補償対象者が年300人以上の場合、保険会社は、掛け金の総額から経費を引いた「補償原資」から、20年分の補償金支払いの必要額を差し引いた全額を返還する。補償対象が「300人を下回る場合」には、補償原資のうち300人分の保険金を超える部分を全額返還し、差額分を保険会社が取得する。
【関連記事】
剰余金の取り扱い、月内に再検討−産科補償制度
医学的視点による公平な審査を−産科補償審査委が初会合
脳性まひの原因分析、回避の可能性を記載
原因分析「一般人には分からない」―産科補償制度
試験的に原因分析を実施へ―産科補償制度
返還された剰余金の使途は制度の運営などに限定するが、具体的な対応は実際の剰余額を踏まえて議論する。また、逆に欠損が生じた場合には、決算見込み以降の保険契約で、保険料の引き上げなどを検討する。
今年1月からスタートした産科医療補償制度は、分娩に関連して発症した重度脳性まひ児に対し、看護や介護のための補償金として総額3000万円が支払われる仕組み。一分娩当たり3万円の掛け金(保険料)が必要になり、同機構では年500−800人程度が補償対象になるとみている。補償対象者数が予測を下回る場合は剰余が生じ、逆に上回れば欠損が生じることになる。
制度運営で生じた剰余金の取り扱いについては6月15日の運営委員会で話し合い、機構側は当初、補償の対象が見込み下限値(500人)の半分に当たる「250人を下回る場合」に、補償原資と250人分の保険金額の差額を返還する案を提示していた。
しかし、委員から保険会社が利益を得にくいことを指摘する意見があり、今回、「300人を下回る場合」に改めた。同機構では「補償対象が300人を下回ることはまずないと見込んでいる。(保険会社には)公的な制度としての色合いが強いことを理解して、ご協力いただきたい」と話している。
更新:2009/06/30 14:54 キャリアブレイン
新着記事
公立病院の事例集、年内に刊行―総務省(2009/06/30 15:40)
対象者300人未満で保険会社に利益−産科補 ...(2009/06/30 14:54)
DPCの包括評価点数、医療資源の投入量を反 ...(2009/06/29 23:00)
注目の情報
[PR] 医師の転職ならCBネット
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第67回】ジョン・グエンさん(国際薬学生連盟会長) 改正薬事法の施行や薬学部教育の再編など、薬剤師を取り巻く状況が近年、目まぐるしく変化している。チーム医療の観点から、より臨床に強い薬剤師を育成しようと、国は2006年から6年制の薬学部教育をスタートさせた。厚生労働省は現在、国家試験制度の大幅な見 ...
島根県医療対策課の木村清志・医師確保対策室長は、週末になると頻繁に全国各地へ出掛けて行く。県内の医療機関での勤務に関心を持つ医師に会ったり、医師確保に関するアドバイスを関係者から受けたりするためだ。もともとは総合診療医として県立病院に勤務していたが、地域の医療機関が医師不足にあえぐ中、5年前に現職 ...
WEEKLY