国際
ロ大統領 領土問題新提案見送り 来月の首脳会談、国内世論に配慮 (06/30 06:26)
【モスクワ29日加藤雅毅】ロシアのメドベージェフ大統領は、7月のイタリア・ラクイラでの主要国首脳会議(サミット)の際に行う日ロ首脳会談で、北方領土問題の解決に向けた新提案を見送る方針を固めた。静かな環境で両国の対話を継続することが重要として、日ロ双方の世論を過熱させない必要性を強調する。ロシア外交筋が明らかにした。
ロシア国内では、7月の首脳会談を前に、北方領土に関して麻生太郎首相が「ロシアによる不法占拠が続いている」と発言したことや、北方領土を「わが国固有の領土」と明記した北方領土問題等解決促進特別措置法(北特法)改正案が衆院を通過したことに対し、反発が強まっている。
このため、大統領は領土問題で踏み込んだ交渉ができる状況にはないと判断し、対話環境の再構築を優先する考えだ。
ロシア外交筋は北海道新聞の取材に「5月のプーチン首相訪日時とは対話環境が一変した。新提案などできる状況にない」と明言した。ただ、「平和条約問題は解決する必要があり、高いレベルの政治対話を継続することは重要だ」とも語っている。
北方領土問題をめぐっては、2月にサハリンで行われた日ロ首脳会談で、麻生首相が「次に会うまでにきちんとした(四島の)帰属問題に関する答えを示してほしい」と要請していた。
さらにプーチン首相が5月に訪日した際、7月の日ロ首脳会談で領土問題解決に向けた「あらゆる選択肢」が話し合われると述べたことなどから、日本側はメドベージェフ大統領から解決に向けた新たな案が提示されるのではないか、との期待を高めていた。
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