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念じて動け車イス 脳波読み取り技術、理研とトヨタ開発

2009年6月30日3時1分

写真:脳波計測による車いす制御のしくみ拡大脳波計測による車いす制御のしくみ

 頭で考えた通りに電動車いすを動かす技術を、理化学研究所とトヨタ自動車などのチームが開発した。念じてから脳波解析までの時間は0.125秒。体が思うように動かない人の意思を読み取り、車いすに限らず、医療や介護の現場に応用できる技術の開発をめざす。

 乗る人は、脳波を読み取る電極が5個ついた帽子を頭にかぶり、右に行きたい場合は右手を、左の場合は左手を上げる動きを思い浮かべる。このときの脳波の特徴をパソコンで分析して、車いすを動かす。

 前進は足を動かすことをイメージ。予想外の動きに備えて、顔にも電極を張っておき、ほっぺたをふくらますと瞬時に止まるようにした。

 微弱な脳波を解析する独自の信号処理技術を開発し、従来は数秒かかっていた動作までの時間を短縮した。車いすに乗る人は1日3時間、1週間の訓練が必要だが、乗る人の特徴に合わせることで95%以上の精度で意思通りに動かすことができた。

 山田整(ひとし)トヨタ自動車センサー認識開発グループ長は「実用化に向けては個人差への対応や電極の改良などが課題となる。いろんな意思や感情も脳波から読み取る技術につなげたい」と話している。(佐藤久恵)

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