「久しぶりじゃないかよ（ニヤリ）」

「そうですね(^-^)」
インタビューはつつがなく進み、一時間で終了。

ところが。

この時帰り際に僕を手招きした三沢さんは超小声でこう言ったのです。

「次のシリーズ終わったら（全日本を）出るから」

「ノア!?」

三沢さんは静かにうなずきました。

「近々飲むぞ」

「わかりました」

三沢さんの夢を聞いて一年、そしてノア旗揚げの３ヶ月前、僕は衝撃の告白を受けたのです。
もしかして一部側近の方々の中では公然の事実だったのかもしれません。


ですがお互いのスケジュールの都合で飲む機会が無いまま、シリーズに突入してしまいました。

シリーズ中は見た目何事も無く…

「本当に辞めるのかな？」

とモヤモヤしたまま僕は最終戦の武道館大会に足を向けました。

試合はタッグトーナメントで三沢さんのチームは途中敗退、この時の大会のただならぬ雰囲気は僕をバックステージに向かう足を止めさせる程のモノで、とりあえず終了後はまっすぐ帰宅。

週明けの報道には

『三沢全日本離脱！』

という衝撃的な見出しが踊ります。

三沢さんは、社長の仕事である武道館の総括を放棄、全試合終了を待たず帰ってしまったそうです。

「これか…」

その後三沢派（ノア）と全日本残留陣営に別れたという報道がありましたが、これがまた誰がどちらだかハッキリしない。

どういう展開になるのかわからないので、僕は思い切って三沢さんに電話をかける事にしました…。

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