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トップインタビュー/東映配給「劔岳 点の記」木村大作監督
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自分の想いをダブらせ“命を賭け”て映画化

 「八甲田山」(’77)「鉄道員(ぽっぽや)」(’99)等で知られる名キャメラマン、木村大作監督が初メガホンをとり映画化した東映配給「劔岳 点の記」(浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、宮崎あおい、役所広司出演/製作:東映、フジテレビ、住友商事、北日本新聞社、朝日新聞社)が、6月20日(土)より全国東映系310スクリーンで拡大公開される。日露戦争直後の明治40年、日本地図完成のため前人未踏の北アルプス、劔岳を踏破する測量隊の男達を描いた新田次郎原作の同名小説(文藝春秋刊)を映画化した作品だ。映画化の動機や狙い、製作の経緯、キャスティング等について木村大作監督に聞いた。


【木村大作監督プロフィール】
1939年7月13日生まれ・東京都出身。1958年東宝撮影部にキャメラ助手として映画界入り。1973年「野獣狩り」で初めて撮影監督に。代表作は「八甲田山」(77)、「復活の日」(80)、「居酒屋兆治」(83)、「華の乱」(88)、「あ・うん」(89)、「誘拐」(97)、「ホタル」(01)、「赤い月」(04)、「憑神」(07)など。「劔岳 点の記」で、初めて監督を務める。
6月20日全国東映系で

――今回、「劔岳 点の記」を映画化されたわけですが、どんな動機で製作されることになったんですか。

木村 僕は、新田作品では「八甲田山」や「聖職の碑」(’78)のキャメラマンをやっていて、新田さんのノンフィクションをベースにした小説が好きで、相当数読んでいましたね。「劔岳 点の記」はもともと1981年に単行本が出版されて読んだんですが、すごい話だなあとは思ったのですが、まあキャメラマンでもあるし、深く考えないでそのまま忘れていたんです。それが2006年1月に文庫の新装版が出版され、買って自分の車に乗せていたんです。僕はよく旅に出るんでね、どこかいい所に行くと、岬の突端だったりで本を読んだりすることがあるんです。我々キャメラマンの仕事は、基本的には“待ち”の商売です。お声がかからなければなんにもないわけですから。いまから25〜26年前、作品で言うと「駅−STATION」(’81)あたりから趣味として全て風景ですが、本編では使わなかった映像とか、自分1人で撮りに行ってずいぶんため込んでいるんです。35ミリフィルムの個人的なライブラリーだな、何の使う目的もないものですが、さらに足そうと思って、06年2月に日本海を撮ろうと思い能登半島に行ったんです。10日間ぐらいいたんですが、大したことにならないので、東京に帰ろうと思って北陸道に乗ると、右にバーッと、2月ですから真っ白な北アルプスミ立山連峰が見えるわけです。で、ふと思い出したわけですね。ああ、本もあるし、一回劔岳を拝んで帰ろうと思って立山で降りて、キャメラを回したんです。その時の映像はいまコマにして、写真にして家に貼ってあります。その時、文庫本をもう一回読んでみようと思って、何の気なしに読みだしたんです。そこは、田んぼのあぜ道で、もう劔岳がスキーッと真正面に見えるいい所だったんですが、読んでいるうちにだんだん作品世界に引き込まれていったんです。僕は67歳で、映画界にキャメラマンで僕を指名してくれる監督がいなくなったということがあります。まあ唯一、降旗(康男)さんぐらいでね。これから先、映画の世界にとどまっていたいという気持ちはずっと持っていたんです、やはり面白いからね。しかし、どうしたらいいんだろう……なんて考えていた時期でもあるんです。

――それは、木村さんが撮影を担当した07年6月公開の「憑神」(監督:降旗康男)の撮影の前ですか。

木村 そうです。もう全然前です。「憑神」はその年の9〜11月ですからね。それで結局、自分の人生、映画に賭ける人生ですね。それもキャメラマンに賭ける人生を歩んでいるわけです。で、あの本は、ただ地図を創るためだけに、与えられた仕事を黙々と、その仕事に貢献してる人たちの「点の記」、要するに日記です。その原作の「劔岳」というか、「点の記」を映画化したいなと本を読んでいる時に思ったんです。それは自分の、映画だけに賭けた人生という、例えば台詞で全部使っていますが、「あなたたちのお仕事を見てると、登ってからが仕事なんですね」と日本山岳会に言わせたり、「測量とは忍耐」という、それはもう全部、映画のことと同じなんです。機材は違うが、やっていることはあまり変わらないという、自分の体験と人生と、しっくり合ったわけですね。それが、あの大自然の中でやれるんだと――実現するかどうかわからないけれども、映画化を考えたわけです、そこから始まったんです。だから、「初監督」とよく言われるんですが、要するに監督をやりたいからやろうとしたんじゃなくて、これを映画にしたいと思って、監督はだれがいいのか、と考えた時もありますよ。

脚本は我々でやろうと

――いわゆるプロデューサー的発想ですね。

木村 そうですね。で、監督を考えた時に、その人たちが、この作品をやる気になっても、まあ、ごまかすだろうと。それにこの作品をやったとして、2年ぐらいはかかる。僕は「八甲田山」で経験があるからね。山の中に、ざっと考えて200日はロケするはずなんです。それは誰も手を出さないだろうと。それだったらもう、このドラマのあり方や大自然をバックに撮るんだったら、俺が一番適当だなと思い、自分が監督をすることにしたんです。そこから始まって、シノプシス、そして本作りをやり出したんです。
(2009/06/26)
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