立ち小便。日本国内では大体のケース、軽犯罪法にひっかかるとはいえ、割と多目にみられる(?)が、異国ではシャレにならないことがある。それは翌日にフライトを控えているパイロットでも問答無用で留置所に放り込まれる。
そんな「事件」が実際に起きていた。ハワイの警察は甘くはなかった。
JALによると、問題の副操縦士は23日夜(現地時間)、オアフ島ホノルルのレストランや宿泊先のホテルなどでワイン1本、ビール5本を飲んだ。その後、酔い覚ましか、それともついいい気分になったのか、ホテルの周りを散策していたところ、尿意を催した。
ホテルにすぐさま引き返してトイレに駆け込めばよかったものを、公園の木陰で済ませたから運の尽き。その様子を見ていたパトロール中の現地警察官にとがめられ、警察署に連行された。
ハワイ州法に違反したとして25日朝まで2晩留置。罰金25ドル(約2450円)を支払って釈放されたという。
副操縦士は24日昼の成田行きに乗務予定だった。拘束中の身のため当然ながら予定の時間になっても空港に駆け付けることはできず、JALは大あわて。翌25日午前の成田行きで操縦桿を握ることになっていた副操縦士を交代要員として充て、急場をしのいだ。
しかし、その代役がもともと乗務するはずだった25日の便が、結局、パイロットの人繰りがつかなかったため欠航。搭乗予定だった乗客297人は他社便などに変更した。立ち小便が前代未聞の大失態へと発展した。
副操縦士は反省しているという。ただ悪天候や機体トラブルならともかく、“ありえない理由”で欠航便を出したJAL広報部は「利用予定の乗客をはじめ関係者に多大な迷惑をかけ、深くおわびする」と平身低頭。「社内規定に沿って処分を検討する」としている。