ボクシングのWBA世界Sフェザー級タイトル戦が27日(日本時間28日)、メキシコのヌエボラレドで行われ、王者ホルヘ・リナレス(23)=帝拳=が、挑戦者ホサファト・ペレス(25)=メキシコ=を8回1分42秒TKOで下し初防衛に成功した。スピードで挑戦者を圧倒したリナレスは、8回に2度のダウンを奪っての完勝。敵地で防衛を果たしたリナレスは、今秋に日本でV2戦を計画している。
◇ ◇
鮮やかな右カウンターだった。8回、勝負に出たリナレスの右がさく裂した。強烈なカウンターとなって決まった一撃でペレスがダウン。カウント8で立ち上がったものの、リナレスは左アッパーから右を叩き込みレフェリーストップ。圧倒的な強さで敵地での初防衛に成功した。
今年2月の練習中に右まぶた上をカットし、当初予定していた3月のV1戦を延期。負傷個所は1カ月ほどで完治したが、今度はメキシコで新型インフルエンザがまん延したため再び延びた。延期に次ぐ延期で、実戦リングは実に昨年11月以来7カ月ぶりだった。
サウスポー対策は万全だった。4月に渡米し、世界4階級制覇のマニー・パッキャオ(フィリピン)と拳を交えた。世界最強のパートナーとのスパーリングで得たパンチをこの日も遺憾なく披露。磨きをかけた右ストレートは、世界最高級の切れ味だった。
日中40度を超す敵地の屋外リングでベルトを堅守。「コンディションは良かった。サウスポーと戦ったのは初めてだったし、難しかった。だけど大事なのは最後に自分の手が上がること。次は日本でやりたい」と第二の故郷・日本での凱旋防衛試合を熱望した。