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島根県農業試験場研究ガイド 第164号1998年12月21日発行

【課題名】

側枝を利用したトマトの整枝方法

【内容】

 セル成型育苗のトマトは、定植後の生育が強草勢となるため、茎に条溝や穴があく「窓あき」「めがね」と呼ばれる異常茎の発生や着果、肥大不足による収量の減少がみられます。そのため減肥、pH矯正、ホウ素の補給、高温や乾燥防止等の対策が必要です。草勢が強い場合、一般的には主枝以外の側枝数本を放任して、先端部分の葉巻き症状が落ち着いてから側枝を摘除しますが、強く整枝するため葉が萎れたり、傷口から病気が発生する心配もあります。このため、側枝を摘除しないで草勢を管理する方法を検討しています。

 主枝を摘除する連続2段摘心、改良2段摘心(2段花房から捻枝し、直下の側枝を主枝と入替え)と主枝を伸ばす主枝・側枝利用2本、慣行の主枝1本仕立てを比較しました。‘ハウス桃太郎’の栽培結果から、育苗は128穴トレイを用い、葉数5枚前後の苗を定植することで収量・品質が高くなりました。開花は摘心整枝法の中〜上段花房で1〜4日早まり、収穫も早くなりました。側枝の利用は強草勢対策として有効で、中でも改良2段摘心で秀品が多く、連続2段摘心より整枝や収穫労力が少なく有望でした。しかし、捻枝労力や収穫時の作業性は1本仕立てより劣り、収穫車が通れるように誘引する必要があります。

 

【期待される成果】

 トマト栽培において、セル成型苗に限らず強草勢となった場合の対策として、主枝を摘心して側枝を活用することで、複雑な管理をしなくても果実品質の向上が図られます。
  
問い合せ先:園芸部干拓営農科(担当:原 卓) TEL 0852-52-5990(中海干拓営農センター内)
E_mail:nougi@pref.shimane.lg.jp 
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